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「なぁ、この学校って、時々、生徒に人間の限界求めるよな」

神崎の視線の先には男子生徒と女子生徒のペアが6台のバレーボールマシンから射出される時速150kmボールを必死で避けていた。


美術室を出た2人は体育館に来ていた。


男子生徒が避けきれずにボールに当たった所でスピーカーからアナウンスが聞こえてきた。

「さぁ、次のペア、白線の中に入ってください」

普通のアナウンスだが、後ろで男子生徒が悶絶して痛がっている所を現在進行形で見ている生徒たちは足を動かそうとしなかった。


「さぁ、早く、次のペア前に出てください。時間も押してるんですから。成績下がっちゃいますよ」


「ラッキーだな」

「ええ、そうね」


「お、次のペアが出てきてくれました。このペアには我が高校の生徒会長、桐野 雫さんがいるぞ」

その言葉に男子生徒から歓声が上がる。


「たっく、めんどくせぇ」

「あら、どうしたのかしら?」

「お前のせいだ」

「私が何かしたかしら」

「男子からの殺気」

さっきのアナウンスで男子の視線が桐野に集まったことにより、必然的に神崎にも視線が集まり、男子からの殺気が爆発的に上がった。


「そんなの気にしてたらしょうがないわよ」

「それもそうなんだが、今にも発狂して襲い掛かってきそうな奴らがいると気にしないってのもな」

神崎の視線を向けた先には今にも殴りかかってきそうな男子生徒たちがいた。


「殺っちゃうよ。殺っちゃうよ」

「死ね死ね死ね死ね死ね死ね」

「どう料理してやりるか、あのヤローー」

男子生徒たちの手には何処で入手したのか、釘バットや木刀が握られてた。


「まぁ、あいつらはいいとしてだな。前のバレー部の奴らが問題だな」

バレーボールマシンを構えているバレボール部員内、4人が男子で目がギラついていて神崎を目の敵にしていた。


「さて、新たに来ている人もいると思うので改めてルール説明をします。ルールは簡単、10メートルの正方形のラインの中で目の前にあるバレボールマシンから射出されるボールから30秒間、逃げ切れれば成績として満点が貰えます。あ、バウンドして当たったボールはカウントしないので、目の前に来るボールだけに集中してくだい」

ルールは簡単だが、1発で当たれば確実に動けなくなり、誰かが止めに入られるまでボールを受けるであろう、神崎には笑えない内容だった。


「それではペアはラインの中央に立ってください」

アナウンスが流れ神崎と桐野はラインの中央に移動した。


「それでは、スタートです」


開始の合図とともに男子生徒たちからの4個のバレーボールが神崎に襲い掛かったが、ボールが発射される前に神崎は、動いていた。


飛んでくるボールの内、地面にバウンドするものを目で捉えた神崎は他のボールを避け、バウンドしたボールを男子生徒に向けて蹴った。


蹴られたボールは、真っ直ぐに男子生徒の顔面に向かって行った。


「へ?ぶっ」


顔面にボールをぶつけられた男子生徒は、1メートルほど、ぶっ飛び気絶した。


「おい、お前らその程度か、さっきの勢いはどうした?」

残った男子生徒3人は、神崎の声で我に返るが下手にボールを飛ばすと自分に返ってくる事実にどうするべきか、慎重にならざる得ない状況になって手が止まってしまった。


神崎がこれで男子生徒からの攻撃から時間を稼げると思っていたら、横からボールが飛んできた。それを紙一重で避けるとボールが飛んできた方に視線を向けた。


「おっと、そっちからの流れ弾にも気を付けないとな」

神崎の視線の先には桐野が女子生徒の2人から来るボールを避けてた。


また、神崎の前にボールが転がって来た。女子生徒たちが射出したボールが転がってきたものだ。


「お前ら、覚悟は出来てるか?」

男子生徒たちは首を振るが神崎は構わずボールを蹴って、また一人気絶させた。


「まったく、歯応えのない奴ばかりだな」

神崎がそう言ったのは開始の合図がなって10秒が経過した時だった。目の前には男子生徒たちが仲良く目を白黒させて気絶していた。


「今のうちに貸しを返しておくか」

自分を狙ってくる男子生徒は、いなくなってしまって何もすることがなくなった神崎はとりあえず、桐野のサポートをすることにした。


さすがになにもされてない女子の顔面にボールを当てるのは忍びないと思った神崎は桐野に向けれているバレーボールマシンをずらすようにボールを当てた。


「これで貸し借りなしな」

「あら、利子分が残っているわよ」

「そんな利子が付くほど時間たってねぇだろ、が」

しゃべっている間にもまたボールを蹴り、今度はボールが入っている籠を遠くに飛ばした。女子生徒は2人で1つの籠を使っていたため、これで何もできなくなってしまった。


「これで終わりだな」

「そうね、案外早く終わったわね」


「おっと、これは30秒立つ前に決着がついてしまった。まさか、会長の金魚の糞みたいな神崎君が飛んできたボールを蹴って跳ね返すとは誰も予想していなかったでしょ。」


「金魚の糞は余計だ」

会長の金魚の糞と言われ、若干釈然としない神崎はぼそっと呟くようにそのセリフ吐いたのだった。


「3、2、1、タイムアップ―――」

アナウンスが流れ、神崎と桐野の満点が満点でこの競技を終了したが他の男子生徒たちが神崎に襲い掛かる可能性があったので2人はすぐに体育館を後にした。


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