証拠を見つける
初めて投稿させていただきます。
誤字脱字等ありましたら、教えていただければ、幸いです。
まだまだ未熟なミステリー小説ですが、年の割には、頑張っているつもりです。
どうぞ、内海をよろしくお願いします!
お正月なのに、お正月なのにっ!なんでっ、なんでこんなに仕事だらけなんだァァァァァ!!
「うるさいぞ、佐竹。」
「そうですよ、漫画家だって、休む間もなく描き続けてるのに終わんないし、締め切り切り明日だし、ノルマたまるし最悪なんですよ!」
「…そのノルマをためるために、お前は軽い頭地面につけたんだろうが。」
申し遅れました。俺は、佐竹政信です。内海探偵事務所の事務員その2です。地理が得意で、街のバスの時刻は知り尽くしてるつもりです。機械技師をしていた事も、正規ハッカーをやっていた事もあります。
さて、我らが事務長と事務員たちをご紹介いたしましょう。
内海勇次郎 事務長。事務所の創設者。天才的な推 理力と数学力を持つ。
佐倉由香 事務員その3。人気の漫画家。世界18ヶ 国の言語を話せる。土下座して事務所入り
ジャッキー ジャーマン犬。あまりに暴走し過ぎて 警察犬になり損ねた。内海にだけ懐いている。内海が引き取ってきた。
この事務所のシステムは物凄くアナログで、大量の本棚に大量に詰まったファイルの中に依頼リストがあり、それを1人1日1000件をノルマとして解決しまくる。有り得ないだろ。1人1日1000件だぞ!
しかも、内海が雑用からパソコンの修理から何でも受け付けやがるせいで依頼がちっとも減らない!
海外からも依頼が来る始末だ。
今回の事件もそんな数ある依頼の1つだ。
内海の活躍をどうぞご覧あれ!
証拠を見つける
あぁ、さっきから何件のパソコン修理をこなしただろう。
「トゥルルルルトゥルルルル」
あぁもう!うるさいなあ!せっかく人が仕事してやってんのに!
「はい!佐竹ですっ!」
「おうおう、元気だなぁ!俺だ、森崎だ!」
「おお!森崎、どうした?」
「事件の依頼だ。内海に繋いでくれ」
「ほいほい、内海~!警視庁の森崎から電話だぞ」
「おう、…よっす、森崎。事件の依頼?警視庁も堕ちたな、私立探偵に事件の依頼とはな!」
「言ってくれるな!まあ、否定はしないが」
「これで26件目だぞ、警視庁からの依頼」
「俺の所轄からは初めてだ」
「へ~いへい。で、何をさせる気だ?」
「証拠を見つければいい。」
「あ、そう。」
「詳細は明日話に行く。じゃあな!」
「はぁ、臨時の客が来るぞ~」
「受けるのか、仕事。」
「俺が仕事を断る所を見たことあるかね?佐竹よ、」
こうして、内海はこの事件を受けたのです。
翌日、森崎がやってきた。
「悪いな、忙しいところ。」
「そう思うなら早く話せ。」
「あぁ、事件の概要はこうだ。
新里町にある高級マンション、ヘンゼルゲートは知ってるな?」
「おう、先月、そこの3~18階の持ち主の母親が殺された事件だな。」
「そうだ。警視庁はその時の状況から、被害者の孫を逮捕した。しかし、証拠がみつからん。そこで、お前にその証拠を探してほしい。」
「いいだろう。事件の資料は後でそっちにもらいに行く。お前もそう暇じゃないだろ?」
「あぁ、悪いな、突然の依頼なのに」
「幼なじみのよしみで許してやんよ。」
「ありがとう。じゃあ、悪いがおいとまさせてもらう。頼むぞ、内海。」
「へいへい、任せろ!」
その後、内海は1人で警視庁まで出向いたのだ。
「ったく、あいつは人が良すぎるんだよ、」
「そうですね、だからいつも私の終わらない原稿を手伝ってくれる~」
「俺は、手伝わんぞ」
「わかってますよ、佐竹さん!そういいつつも、本当はやってくれること!」
「手伝わん!俺は、内海の助手をする。」
「今は内海さんいないじゃないですか。」
「出かけてくる!」
「ああっ、サボリ~」
何と思われようと、構わない。
事件現場にたどり着く。高級マンション、ヘンゼルゲートだ。なんともまぁ、大きなマンションだ。白い外装の目立つ建物だ。にしても、よくもまぁ、こんな馬鹿デカいマンションを建てたものだ。
そんな事は、どうでもいい。俺は、管理人にマンションの見取り図をもらいにきたのだ。
「あの、すみません。」
「はい?あら、あなたは…」
「内海探偵事務所の佐竹ですが、お願いがあって…」
「あら、今回の殺人事件を解決にいらして?」
「解決のために、見取り図が必要なんです。このマンションの3階~18階の見取り図を頂戴いただけますか?」
「ええ、どうぞ持って行ってください。」
「ありがとうございます。」
こういった時、内海探偵事務所の名前が、有力なコネになるのだ。
さて、見取り図を手に入れた所で、マンションの周辺の地図を描く。マンションから10メートルの所にはバス停、80メートル先には商店街などなどだ。きっと、捜査の役に立つ筈だ。
事務所に帰ると、もうすでに内海が居た。
「見取り図をもらってきた。」
「おお、今から行こうと思ってた所なんだ!助かった。この寒いのに、よく動くな。」
それは、内海だって同じ事なのに。
「それと、周辺地図も描いてきた。」
「悪いな。休んでろ。俺は、事件の確認をする。」
「いや、一緒にやるよ。お前の推理力に勝てる気はしないが。」
「2人の方が発想力は豊かになる。いつも助かるよ、佐竹。」
やっぱり、内海は人が良過ぎる。
「ヘンゼルゲート殺人事件
被害者、布施珠子
布施化学工業社長、布施宏隆の実の母親
12月2日、5階のティールームで、珠子が孫の亜紀と紅茶を飲んでいた。後日行われるクリスマスパーティーで振る舞う予定だったワインを2人で試飲したところ、急に珠子が苦しみ始める。亜紀が救急車を呼び、病院に搬送されたが、搬送先で死亡が確認される。警視庁は孫、亜紀を容疑者と見ている。しかし、ワインにも紅茶にも、どこにも毒や毒となりうるものは見つかっていない。また、孫の亜紀が殺したという証拠もない。」
「うん、これは、詳しく話を聞く必要がある。」
「布施亜紀に会いに行くのか?」
「ああ、布施亜紀は留置場だ。」
その後、寒いからついてこなくていいと、やっぱり内海は1人で留置場に出向いた。
では、その間に他の依頼を片付けよう。
3時間後、内海はボイスレコーダーを持って帰ってきた。
「収穫だ。」
内海はボイスレコーダーを流し始めた。
「布施亜紀さん、ですね?いくつか質問があって来たのですか、」
「ええ、どうぞ」
「あなたは、珠子さんを殺害したのですか?」
「随分はっきり聞きますね、でも、私はやってません。」
「失礼をお許しください。」
「いいえ、仕方ないんですもの。私がやったという証拠もないけれど、私がやってないという証拠もないから。」
「あ、ところで、あなた方がお飲みになったワインというのは?なんというワインでしょうか?」
「シャトー・ラヒット・ロードシルト、フランス産の赤ワインです。」
「一本15万の?」
「はい、祖母と一緒に試飲をしました。でも、紅茶とワイン、どちらに毒が入っていたのでしょう?」
「わかりません。でもワインを飲んだ直後になくなられたんですよね?」
「はい、死因は心臓麻痺と聞きました。」
「なるほど、ありがとうございます。では、今日の所はこのへんで失礼させていただきます。」
「ってなわけだ。」
「なるほど、布施亜紀がやったにろ、やってないにしろ、証拠がないってわけか。」
「ああ、証拠を探す必要がありそうだ。」