表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
能力の使い方  作者: 横峯
9/14

第9章 昂汰という人物。




『玲奈様、よろしければ玲奈様のことを詳しく教えてくださいませんか?』


昂汰はそう言った。

これが最初の会話だった。


「え、玲奈、16歳。ごめんなさい、詳しくって言われても私は自分の下の名前、年齢しかわからないんだけど…」


私は3歳の頃に親に捨てられて苗字など覚えていないのだ。生まれてから毎日暴力の嵐で誕生日 クリスマス お正月を祝うなど知らなかった。なので誕生日などしらない。


『そうですか、実を言うと僕もそんな感じです。』


昂汰の予想外な答えに玲奈は思わず詳しく教えるよう聞いた。


『社長から玲奈様の幼いころの家庭環境は伺いました。僕も、施設をでている孤児です。親からの過度の暴力で保護されました。だから僕も名前、年齢しかわかりません。』


玲奈は絶句した。

目隠し用の包帯で昂汰本人の姿は見れないものの、耳に入ってくる昂汰の声がすごく落ち着いていて優しさのある声色だったので、てっきり裕福というか、親の愛情のある家庭で育った人物だと思っていたのだ。


人と言うのは、不思議なもので同じ境遇の人間を心のどこかでは求めてしまったり、同じ境遇の人間が目の前にいた場合 警戒心がなくなりやすいのだ。


玲奈も心はなくとも立派な人間だ。

少し、警戒心がとけてきた。


が、玲奈には人から裏切られた恐怖がまとわりついている。

安易に信じてはいけない、と玲奈は思った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ