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第7章 仕事…?
「また、仕事ですか?」
私は、尋ねた。
すると、その2人の人物の1人が口を開いた。
「いや、仕事ではない。私だ。」
声の主は高橋だった。
「社長…!どうしたんですか?」
高橋自ら私がいる地下にくることは珍しいことだ。仕事の報告はいつも室内放送だし、始末したゴミの処理もすべて機械がする、ちなみに始末したゴミは、機械でどこかに埋めるらしい、その場所は高橋と機械しか知らない。
高橋が口を開いた。
「いや、今日はな、お前の使用人がきたんだよ。」
『使用人…?あの、世話係的な人ですか?』
「そうだ、今から紹介する。」
「昂汰です。よろしくお願いします。」
『昂…汰?』
高橋以外の人物と口聞くのは久々だったので私は焦った。
昂汰と名乗る男性は、20代くらいだろうか、非常に落ち着いた声色でどこか優しさを感じさせた。厳つく、どこか怖さがあるいかにも裏社会で生きているような常に低い声色の高橋とはえらい違いだった。
でも、いくら優しそうだからといって信頼してはいけない。
こいつもどうせ、他のやつらと一緒だ。
私は、人を信じちゃいけないんだ。