第3章 過去の話2
頭を下げた時に前に垂れた髪を引っ張られ思い切り投げ飛ばされた。
「…」
私は声をあげず立ち上がろうとしたら、腹を蹴られた。
暴力は、生まれた時からされていたため痛みはあるも声を出さない我慢は幼いころから完璧に習得していた。
何も言わない私に腹が立ったのであろう、4人の中の男子1人が手をあげたのだった。
「何か言うことあんだろーが」
ありきたりの言葉を吐いた男子。
そんなことを言われても私は声を出すつもりがなかった。
そのとき周りの3人も私を傷めつけることに参加してきた。
でも所詮中学生、まぁいえば子供の暴力。
私は幼いころから大人2人分の暴力を毎日受けてきた。比べられるはずがない。だから暴力を受けている今も無言で座ってられる。
そんな中、
カシャッ
という音が聞こえた。
どうやら女子2人が携帯で写真を撮ったらしい。
そのとき、男子1人が私の服に手をかけてきてこう言った。
「おい!こいつの服脱がして写真撮ろうぜ!」
その時、無抵抗だった私の脳裏にこんな言葉が浮かんできた。
コイツラハ敵ダ。殺シテモカマワナイ。
次の瞬間、私は顔にかかっている前髪を払い4人の目を順番に見た。