きらきらの歌
寒い寒い南の最果て。
氷で覆われた地に一羽のペンギンさんがいました。
そのペンギンさんは歌う事が大好きで、何かあるたびに……いえ、何もなくても歌を口ずさみます。
しかし歌ってばかりいるペンギンさんは、他のペンギンからは煩がられてしまっていました。
ペンギンなのに歌うなんておかしい。ペンギンらしくテトテト歩いたり、海を泳いだりしてないなんて変だ、って。
ペンギンさんは歌の楽しさをわかってくれない事が悲しくて、夜な夜な泣いてしまいます。
心が南極の厳しい風にあたって凍えていくかのよう。
俯いていると、凍れる大地ばかりが視界に映ります。
このまま足元から身体も凍り付いてしまうんじゃないかと不安になってしまいます。
けどもペンギンさんは悲しいだけではありません。
好き勝手に言われっぱなしなのが悔しくて、首を振って夜空を睨むように見上げました。
するとどうでしょう。
滑らかな光のカーテン、オーロラが夜空にかかっているではありませんか。
オーロラの向こうには星々がきらきらと輝いていて、心を明るく照らしてくれるようです。
ペンギンさんはオーロラを五線譜に、星々を音符に見立てて歌を作ります。
旋律が奏でられるたびに星々はきらきらと輝いて、歌の完成を祝福してくれているみたいです。
ペンギンさんの歌は南極に住む動物たちの耳に届き、歌声の温かさに釣られて口ずさみます。
歌が心を紡いでいき、南極中に声が響き渡りました。
きらきらと輝く星空から生まれた歌は、“きらきらの歌”としていつまでも歌われ続けていく事になります。
例え歌が大好きなペンギンさんが記憶から色褪せても、歌はきらきらと延々に心を照らすでしょう。
好きな事は目をきらきらと輝かせます。
一途に歌が好きな一介のペンギンさんが生んだ、きらきらをふんだんに詰め込んだ生き様を刻んだ歌なのでした。
ペンギンさんにはモチーフがあります。
どうか好きな歌にきらきらと心を輝かせてほしいと願っています。




