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第八話

スッ


「入りましたよ。土方さん。ただいま戻りました」


「あのなぁ、『入りました』って、俺の返事を聞いてから入れ。ったく」


そういって土方は髪の毛をかき上げた。

沖田は、柚子を見失いあきらめて屯所に戻っていた。

しかし、その表情は、ニコニコと微笑んでおり土方からすれば不気味に思えるほどだった。


「おい、総司。そんなにうれしそうな顔してるって事は勝ったんだな?」


土方は、恐る恐る勝負の結果を聞いた。

それを聞いた沖田は少し悔しそうに言う。


「勝負はついてませんよ。逃げられちゃいました。

いいところで、見廻り組の皆さんが邪魔に入っちゃって。

でも、楽しかったですよ」


と、それでもうれしそうに事のあらましを土方に告げた。

土方は、はぁ、とため息をつきながら、


「見廻り組か…」


とつぶやいた。

が、突然表情を変えた。


「総司。その怪我どうした?」


見ると沖田の隊服は左腕の部分が切れておりすこし血がにじんでいた。

しかし、沖田は特に気にする様子も無く、


「あれ?いつの間に斬られたんでしょうか。ぜんぜん気がつきませんでした」


と、おどけながら言った。

しかし、土方は、真剣な表情のままだった。


「総司が斬られるなんてな…。それほどの相手だって事か。

おい、総司。花蘇芳ってのは、どんな男なんだ?」


すると、沖田はその言葉に突然笑い出した。

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