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第二十八話

沖田が屯所に戻ったのは、もう夜もだいぶ深くなったときだった。


「ただいま戻りま―――」


戸に、手をかけ屯所に入ろうとしたとき。

目の前にあるのは鬼、の顔で睨んでいる土方だった。

その表情にいったん戸を閉める沖田。


「何かの見間違いかもしれませんね。屯所うちには人間以外居ませんから」


一大決心をし、今度は勢いよく戸を開く。


「ただいま戻「総司ぃ、今日はいつもよりえらく遅かったじゃねぇかぁ?」


仕切りなおしと、戸を開けなおしたものの目の前にはやはり鬼の顔。

鬼と目が、バッチリ合った瞬間。


「ちょっと体調悪いんで先に寝ます。おやすみなさ――」


沖田は目にも留まらない速さで颯爽と土方の横を通り過ぎて言った。

捨て台詞を言い切らないうちに、その姿は消えていた。

流石に、あっけにとられる土方。

しばしの沈黙のうち・・・。


「てめぇ、総司。まちやがれぇえ」


そうして、夜も更ける屯所で二人の鬼ごっこの火蓋がきって落とされた。

その姿を天井から見つめる男、一人あり。

もちろんそれは、山崎だった。


「難儀やなぁ。副長も。まぁ、沖田さんがおったらしゃあないけど」


そんな声を漏らしながら任務に向かう山崎だった。

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