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花蘇芳の過去 3

長州悪者ですみません。

新撰組目線なので。

そのことを考慮して読んでください…。

「柚子は行ったか」


ため息を漏らしながらポツリと竜胆は言った。

柚子から居場所を聞いた竜胆はすぐに皐の所へ来ていた。

皐は、その言葉にはい、と小さくうなずいた。

それを見た竜胆は、一呼吸おいて話し出す。


「俺がいま長州の元で忍びの忍についていることは知ってるよな?

俺は、長州から、忍びの仕事から足を洗おうと思ってる」


竜胆の突然の告白にも、皐は至って平然と話しを聞いていた。

自分の夫が主を逆らおうと言っているのにだ。

逆らうと言うことは、必ずその主から報復される。

そして今回の場合、長州と言う大きな藩が関係しているのだ。

必ず死の危険が迫っている。

しかし、皐はそれでも、落ち着いていた。


「あなたの決めたことでしたら最後までついて行きますよ」


そういってにこやかに竜胆に微笑みかけた。

そして、竜胆も安心したように話し出す。


「お前なら、そういってくれると思った。

俺はもう、見ていられない。あいつらは尊皇攘夷より最近は倒幕に力を入れている。

倒幕の名の下にいったい何人の幼子が犠牲になったか。

確かに、今の幕府は使い物にならないがあんな手を使わなくとも…」


今までの長州藩への苛立ちや不満を皐にすべてぶつけている。

忍びは主にたてつくことを許されない。

しかし、忍びとて人間。

竜胆の葛藤が今初めて人前にさらけ出されたのだろう。


「しかし、俺自身の考えで家族を危険にさらすことはできん。それに、柚子もいる」


竜胆にとって家族は自分より大切なもの。

自分の気持ちだけで危険にさらすことはできない、そんな思いが竜胆にはあった。

しかし。


「柚子なら大丈夫ですよ。きっと。あの子も弱くはありません」


不安な気持ちをすべて包み込むように言う皐の言葉に竜胆も決意を固めた。


「すぐに、ここを出る支度をしよう。あいつらにばれるのも時間の問題」


そういって、出て行く支度をしようとしたときだった。

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