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第十二話

長くなってしまいました 汗

すいません…。

「そーじ、今日は鬼ごっこしようぜ」


「そうですねぇ。今日は鬼ごっこにしましょうか」


土方が沖田の行方を心配していたころ沖田は壬生寺で子供たちと遊んでいた。


「んじゃあ、そーじが鬼だからな!にげろぉお」


「えぇ、私からですか…。しょうがありませんね」


そういいながらも沖田の表情はうれしそうで、まるで子供のような純粋な目をしていた。

京の民からは、鬼よ化け物よと恐れられる新撰組。

その中でも、有名な鬼。沖田総司がまさか子供たちと戯れているなど思いもしないだろう。

そこに、突然。


「おぉ~~い、そぉじ~~」


「あぁ、平助じゃないですか。巡察さぼって何やってるんですか」


突然、現れたのは藤堂だった。

あんなことも言いながら藤堂は沖田を心配していたのだった。


「オレは今日非番だっての。巡察さぼってるのは総司のほうだ「平助、ちょっとこっちに…」


藤堂を呼びつけた沖田は笑顔だった。

が、その笑顔の裏にはどす黒いものが藤堂には見えていた。


「え。えっ?オレ、なんか言ったっ「みんな、ちょぉっとまっててくださいね」


えぇ、という子供たちの叫び声がしている中、沖田は藤堂を壬生寺の裏に連れて行った。

ちょうど、子供たちの死角に入ったところで沖田は足を止めた。


「この辺でいいですかね」


沖田のため息交じりの声に藤堂は少々震えている。

いつも笑顔の沖田が時々どす黒い笑みを浮かべるときがある。

それは、もっぱら激怒しているとき。

いつも終始笑顔の沖田がひとたびキレると土方以上の鬼になる、と言う伝説まであるのだ。

その沖田が、今どす黒く笑ったいた。天使あくまの微笑で。


「で、な、何なんだよ総司」


やれやれ、といいながら沖田は話だす。


「別にたいしたことじゃないんですが…。まぁ、平助に限って無いとは思いますが私のことを子供たちの前では、新撰組一番隊隊長の沖田総司としては呼んでほしくないんです」


「はぁ?」


沖田の願いに藤堂はぱかっと口をあけている。

その顔を見て沖田は笑い出す。

今度は本当に天使てんしのような微笑で。


「フフフ、あっはっは。な、何ですか、ハハハ、そ、その顔」


笑いの止まらない沖田に藤堂は、少々あきれた顔をしている。


「笑うなよ、総司。でも、いったいどういうことなんだよ。いきなり呼び出して沖田総司って呼ぶなって」


「アハハハ、いや、すみません。

つまり、私のことを子供たちの前で沖田って読んでほしくないんですよ。

もし、子供たちに新撰組の沖田総司だって言ったら誰も近づいてきてくれませんからね。

それに、迷惑もかけたくないですし」


そういうと、沖田はまた笑いだした。

その言葉に口を開いていた藤堂も笑い出す。


「何だよそれ、ハハハ。つまり、今まで通り総司って呼べばいいんだろ」


「そーじ。そのおにいちゃんとお話終わった?」


突然可愛らしい女の子が現れた。

それにはさすがの藤堂も驚いた。

突然来たにしてもまったく気づかなかったのである。

が、沖田は


「なんて顔してるんですか。平助、子供って純粋ですから結構気配なんて分からないものですよ」


と、藤堂の気持ちを読み取ったかのように言う。

藤堂は、驚きながらも次第に落ち着きを取り戻し、


「そうだな、さすがは子供と戯れてるだけあるな。さぁてと、俺も戻るかな」


「えぇ、おにいちゃん帰るん?百合ゆりと遊ぼうや」


突然少女百合が藤堂に話しかけてきた。

藤堂は、


「わりぃな、百合ちゃん。また今度な。総司。帰るぜ。怖い鬼が待ってることだしよ」


その言葉に沖田は鬼の暴れる姿を想像した。

その結末が想像イマジネーションで見えてしまった沖田もさすがに帰る気になったらしい。

しかし、百合は納得がいかない。


「えぇ、そーじも帰るん?いやや。もうちょっと遊ぼうやぁ」


すると沖田は百合の頭をなでながら、


「すみませんね。また明日」


そういいながら指切りをした。

それには百合も納得したようだった。


カッカッカッカ―――


階段を下りる二つの足音が響いている。

すると、上から


「そ~~じ、おにいちゃ~~んまた明日ね!」


そういい名がえら、百合が大きく飛び跳ねて手を振っている。

それを見て沖田は手を振っていて、藤堂も


「おぉ。また明日な~百合ちゃん。オレのことは平助でいいからよぉ~~」


といいながら大きく手を振っている。

それを見た沖田は、


(これじゃあどっちが子供か分かりませんね)


と思いながら階段を下りていった。


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