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彼が嘘つきな私に与えた課題
もっと勉強しなきゃ、努力しなきゃ、周りに追いつかなきゃ……。大学生活は慌ただしく、容赦なく私に変化を求めてきた。
長い長い夏休みに実家に帰れば、彼に会える。彼は地元の大学、私は都会の大学。お互いのやりたいことを尊重して、別々の道に進むことにした。
私は数カ月ぶりに彼と会うのが怖かった。こっちの大学も楽しい、勉強も順調、友達もできた。自分に自信をなくすほど、彼につく嘘が増えていったからだ。
高速バスの到着口には、朝早いのに彼の姿があった。彼はなんにも変わってなくて、高校時代と同じように迎え入れ、笑顔を見せ、話してくれる。
彼といるときだけは、あのときと変わらない自分でいられる。
だからこそ、今の自分を変えなきゃいけない。彼との電話で嘘をついたこと、思い切って全部話してみた。
すると彼は、私に「在学中はコレをやっておくこと」と教授ヅラして便箋を渡してきた。定期的に悩みを書いて、送ってくるように、とのことだ。そのせいで私の大学生活はもっと慌ただしくなったけど、嘘をつくことは無くなった。