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勇気をくれる赤い糸
ある日突然、私は運命の赤い糸が見えるようになった。
あまり知られてはいないけど、赤い糸とは結ぶのではなく、つなげるのが正しいやり方。つまり糊でくっつけるのだ。実は全然ロマンチックじゃないのが、おわかりいただけただろうか。
でも赤い糸が見えれば、その人との信頼が見える。いつでもそれを見て安心できる。もし物理的な距離が離れても、糸はちぎれることなく繋がっているのが見える。
もし糸が切れると、なにか自分きっかけの喧嘩が起こる。でもすぐつなげれば、それは回避可能だ。
そして糸が絡むと不幸の前兆だ。でも丹念に絡みを解くと幸せが訪れる。
結局赤い糸とは、自分が悪いと思ったら素直に謝ることとちゃんと人と向き合うことを教えてくれるためのものだ。やっぱり全然ロマンチックなんかじゃない。
今の私の小指から見えている赤い糸、実は隣の幼馴染と繋がっている。その人はずっと私のことを嫌いだと思っていたけど、次会うときは素直になってみてもいいかな。