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6話 2月~3月/0歳 蜥蜴竜と妖精

新連載は24時間のあいだ、連続投稿しています。

1/11、セリフの変更や微量加筆を行いました。

2025/06/22、々 ストーリーに大きな変更は有りません。

 トカゲの名前も考えなきゃな~

トカゲだけトカゲって呼んでるんだよな。

前例に習うなら “(ニジ)”になるんだけど流石に虹はっ無い!!

安直ってか何かヤダ!

なのに思い付かない。何か良いの考えないとなのにな~

なんて日々は過ぎてゆき俺はハイハイ出来て……………いなかった!!

何歳からなら出来るんだ!

もう0才だぞ!?

えへ!

生後数ヶ月じゃムリなのかな?


 ん?このやろ!

お前、甘噛みでカミカミしても痛くも痒くも有っりませ~ん!

って髪はやめろ~

髪は~生えてきたばっかなんだからぁ~

ったく、髪に隠れやがった。

なんてトカゲの虹(仮称)とオチャラけてたら窓をコンコンっと軽く叩く音がした。

するとそこには空に浮く笑顔の亀がいるのだった。

よっファンタジー。

はぁ又、誘拐されるとかだと疲れるんですけど?



 警戒してたパフェア達は矛を納める。

ウミガメ程の大きさの亀は背の甲羅の影にミニサイズの亀を隠して乗せていたようで浮き出てくると代わりに窓をコンコン鳴らす。

その窓をタージャーが普通に開ける様子がフレンドリーだった事と会話を始めたのが理由だった。

魔物同士のため俺達は分からないが敵では無いようだ。

そしてスルッルルル~っと滑るように空中を浮いて入ってきた亀はコレ又、ぬるりっと着陸する。

そして人語エルフごを喋りだした。


「お初に御目にかかります、リンネ様。

宝鉱晶魔亀(ジェムタートル)(ジジ)でございますじゃ。

赤の王 アカカ殿の紹介で本日は参らせて頂きましたのじゃ」


「ました。

子伍(ココ)でこざゃいましゅ!」


 甲羅からヒレを上げてココと呼ばれた子供 (?)も自己紹介をする。

ってかアカカからの紹介って何だ?

タージャーは事前に知ってる風なので首を向けるとバタバタっと羽ばたかせて降りて来ると俺に触れる。


『近日中にジジが来ると聞かされていた。

母と同じで困っているのでリンネ様の事を話したと聞いた。

リンネ様に相談ごとのようだ。

我らのように助けてやってくれたら助かる。』


 お前も、この魔法使えたんかい!

ってか勝手に布教活動するなよっ!!

ん…………でもしょ~がないか。

来ちゃったモノは仕方ないしな。

仕方がないんだよな。

分かったよ助けてやろう。


「あぷぅ~う!」


 俺が怒ったように膨れたので困り気味だったが赤ちゃん語で任せろと言っておいた。


『タッチ・テレパスも教わってきた。

宣伝のような真似をしたのは悪かった。

母も悪気は無いんだ。』


『なら分かった。

もうヤんなよ!』


『あぁ伝えておく』


「説明は終わり申したかじゃ?」


「かじゃ!」


 頷くとジジは訪れた用件を話すのだが割かし簡単ではあった。


「このココを暫しの間、預かって欲しいのですじゃ!」


 頭を下げた後、ひっくり返ってお腹の甲羅を見せてくる。

ん?

亀流の敵意無しかな。

服従的な意味を表してるのだろうか?


「ジジが旅行の間にリンネ様の傍に居させて下さい。

迷惑かけませんのじゃ!!」


 えーーーーーーーー。

まぁいっか。

イイよ~


「ありがとうですじゃ」


「ありゃがとです、、じゃ!」


『亀の言う暫しや少しは、かなり長いぞ』


 ほげぇ!?

マジカ。

それから数日、ココは城の人達と直ぐに溶け込んでいった。

あと面白い新発見に前世の俺が歓喜する。

まぁ前世も今世も同じ俺なんだけど。

ココの奴、空中に浮かんでるっって言うよりも泳いでる~って感じなのだ。

しょらというみじゅを掻き分けてるのさ~とは本人の談。

言い方からして親からの受け売りをそのままって感じだろう。

それにしても魔物って凄い。

これ俺も出来ないかな?


 ジジとココの、一件以来。

あれから動物(まもの)からの相談が増えていた。

アカカは自慢を止めてくれたのだが噂が噂を呼び、ひっきりなしに俺の(へや)に来客がやってくるのだ。

大きな事から小さい事まで数は及んだ。

赤子の身では行動に制限があるのでタージャー達を始めアカカやメイド達も大忙しだ。

その度にカイネとシィヴィーは大喜びで遊んだりしている。


 あるときはタスマニアデビルみたいで薄く赤くて(つの)と翼があり、こっちでは〈イービルキャット〉と言う名前の魔物の持ち込んだ内容は宝物の綺麗な玉を探して欲しいと言う物だった。

あれ?タスマニアデビルって小さいクマじゃ無かったっけ?


 玉は騎士や兵士、メイド達が探すも、あっさりシィヴィが森で見つけてしまった。

ビー玉のようなソレを両手で大事に受け取ると、お礼にと美味しい実を出すらしい種を貰った。

それを見て珍しいと誰かが言って今は鉢で育てられている。

俺の部屋で!?

シィヴィの、パフェアの家で育てなよ!


 他には〈彩変心情熊(シロクロ)〉と呼ばれるパンダに連れられてカエル、〈風船頬(パルーン)(フロッグ)〉の親と、おたまじゃくしの子が魔獣化した隣人を、せめても苦しくなく倒して欲しいとやって来た。

俺が行ける訳もないので張り切ってパフェアが向かった。


 又、ほとんどアルマジロの〈水湖鎧丸鼠(アクア・ボール)〉は母親を探しに来た迷子の子供だった。

アクア・ボールは、この辺りエルフ国の固有種らしい。


 モモンガっぽいがユニコーンみたいな1本の角の生えた手の平サイズの奴は城のエルフ達も初めて見るらしく、魔物達では普通だったが新種だと判明する。

そんな彼は自分が隠したゴハンが何処か分から無くなり俺の評判を聞いて城にゴハンを貰いにやって来た。


 赤茶色の〈ボボババン〉と言う、トゲトゲが背中に生えたゴリラっぽいのは筋肉が膨張してしまう病気で助けを求めてきた。

母が早業&神業で治療してた。


 お洒落をエルフ(ひと)に習いに来たのは見た目はフラミンゴっぽい青い色の鳥は服やアクセサリーを気に入って着飾って踊ったりと楽しそうにしている。


 イタチ?なのか目が沢山あるオコジョみたいで尻尾の先が鎌に成っていて2メートルは有るデカい彼は刃部分の研ぎと欠けてるのを直しに来たり。


 パンクっぽい柄と髪型をしているカメレオン〈ロック・ステードン〉が演奏の感想やアドバイスを貰いに来たり。


 骨偽妖蝶(ボーンフェアリー)が踏まれてしまった好きな花が残ってないか探して欲しいとやって来たりした。


 そして、このボーンフェアリーは妖精の1種だったらしく彼女が動くことで残していった光粉(りんぷん)?みたいなのと彼女の御礼の(しな)の魔法の花で作られた腕輪が俺を結果的に急成長させる誘因となるのを此の時の俺は知る由もないのだった。



 それはボーンフェアリーの、一件から数日後の事。

トカゲのニジ (仮称)が隙間に隠れて雛や亀等や他にも森から遊びに来ていた小動物達と、かくれんぼをしていたのを傍観していた、そんな時だった。

目がパチパチして違和感が連日続いてはいたのだが特に気にも止めていなかった、そんな不意に何もない、誰もいなければ何も動いて無い所に影が横切ったと思ったら………。


 それは段々と、その正体が鮮明になるように明らかになっていく。

小人?

ちがう妖精だ!

ニジが時々、突然に走ったり、クチを大きく開けてたのは妖精を追い掛けたり食べようとして失敗してたからなのか!?

棚やテーブルの足に逃げて隠れているのを見ていたら俺に見られているのに気付いたのか小人はニパァ~と屈託のない喜びを見せる。

手を振りピョンピョンしてきたので振り返したら笑顔になって満足したのか帰っていった。


 この時は小人を見たのをエルフの種族(からだ)が関係しているとは夢にも思わなかった。

次の日、朝起きたら目の前に幽霊がいた。

泣き叫びそうになって俺は止まる。

まぁ~ちょっと泣いちゃったけど、幽霊だと思ったが雰囲気が違うし何だが親近感や安心感を抱く変な感じがしたからだ。


 ボヤけていて風に揺られ浮いている幽霊擬きは、そっおぉ~と手を俺の鼻に優しく触れると次にオデコにキスをして離れるとスッと消えていった。

消える寸前にボヤけて顔の輪郭や表情も判別出来ないはずなのに何となくでは有るが俺は照れたように笑顔を俺に向けた気がして成らなかった。



「リンネ様!?

もしかして妖精や精霊が見えてますか?」


 今日の当番のメイド、普段は温厚ってか優しいのにゲップさせたり赤子の何やかんやするのが力強いし哺乳瓶飲ますの早かったりで強引?とも近しい感じのパキパキテキパキとこなして凄いプロフェッショナルではあるけど、ちょっと、いや~かなり、それなりにマジかってなる位には彼女の担当の日は恐怖してる。

名前は〈レーレ〉って言ったかな。

現代だとナースのボスになれそう。


 そんなレーレは俺の視線の移動で昨日までとの違いに気付いたようだ。

そういう所も育児のプロだ。


「やっぱり!

妖精や野良精霊に私の精霊とも目があってますね。」


 精霊に野良とか、いるんだ。

でも多分、このハッキリと姿形があるのがレーレの精霊なのかな?


「リンネ様に触って貰って嬉しいみたいですよ!」


 そう言うなり部屋にあった花瓶の花や魔法で作った花びらが部屋中を舞い始める。

どうやら精霊や妖精が感情を、喜びを花びらで表現したらしい。

それには雛やココ達も大喜びで(はしゃ)ぎ回る。


「エルフ花の良い香りですね~」


 甘ったるい匂いが充満してる。

でも掃除大変じゃない?


「お掃除が大変だわ」


 だよね~

何人かが掃除を始めたのだがレーレは俺を抱えて部屋を出ると廊下を早足に歩いてゆく。

ん、分かった入浴かな?

あっ、通り過ぎた。

ちがったか~じゃあ~なんだろな~?

そして‥‥‥‥止まったのは、いつもは来ない俺の部屋からも違う上の階層の大きなトビラの前だった。

ここどこだ?




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