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5話 1月/0歳 鳳雛と蜥蜴竜(とかげ)

話数注意です。

御確認下さい。

1/10、セリフ等を変更・加筆、誤字脱字を行いました。

2025/06/22、々 ストーリーに大きな変化は有りません。

 俺が生まれ変わって2ヶ月くらい、雛達にとっては数週間が経った。

(うつぶ)せで柔らかい素材のマットで雛やトカゲと遊んでいる。

このマットも相まってか前に進めない。

それ以前にこの体ではまだ、ハイハイも出来ないのもあるんだろうけど。

そんな俺の傍には姉カイネや乳母のダークエルフやメイド等がいる。


 最初こそトカゲに驚いていたが俺が抱き締めて仲良しアピールをしてからは雛と同じで仲間判定されたようで人安心だ。

なのだがカイネが母鳥アカカに拐われたと聞いて心配したのか、あれから以前に増して俺から離れなくなり雛達の世話も率先したりと俺の部屋への入り浸りや頻度が高くなって困っている

俺の心安らぐ時間を送れよ!


 そんな雛達も性格に差や違いが表れ始める。

母鳥アカカのように魔法で会話こそ不可能だが俺達は不思議と意思疎通が、ふんわりと、やんわりと出来ていて全羽も勝手に渾名(あだな)を付けて区別している。

一匹目は頭に有る鶏冠みたいな癖毛ねぐせの跳ねが2つで体毛の色から〈(モミジ)〉と名付けた。

高所にやたらと登りたがる。


 毛の跳ねが3つで体毛から〈(ベニ)〉。

部屋から出たがる一方で普段は寝ている事も多い。


 毛の跳ねは同じ3つだが体毛から〈(サクラ)〉。

翼をパタパタして飛ぶ練習を早くもやっている。


 毛の跳ねが4つで体毛から〈(しゅいろ)〉。

走るのが好きらしく起きてる時は、よく兄弟やトカゲと駆けっこをしている。


 こちらも毛の跳ねは4つで体毛から〈珊瑚(サンゴ)〉。

水好きってか異常過ぎて毎回、俺の入浴に付いてくる。


 毛の跳ねは6つで体毛から〈(ダイダイ)〉、めっちゃ食べる。

だから太って…………1番大きい。


 ついでに彼ら彼女らの姉である普通サイズの姉鳥には正式に名前が決まっている。

何故ならカイネが彼女を気に入ったので古代エルフ語で火の鳥を意味するターシャンドから〈タージャー〉と名付けられたためだ。

ちなみに姉鳥は頭の跳ねは無しで体毛は基本的には赤に所々が緑等で母アカカと同じでクジャクっぽい尻尾が短くある。

数匹いる内の1匹に名付けられていて姉鳥にも多少の違いは見られるのだが、それにカイネが気付いていないようで姉鳥全てがタージャーと呼ばれている。


 そして母鳥アカカは縄張りの巣と城を行き来する生活をしている。

そんなある日、俺はアカカに回復魔法と心臓の魔石近くを狙って純粋な魔力と光属性を流してみた。

すると萎れていた羽根や光沢の弱かった体色・体毛が輝かしくなり彼女自身も元気を取り戻していった。


 なんか凄いお礼を言われたけど、この時代の医療、魔法学は前世から随分と衰退してしまったのだろうか。

前世では再生治療の魔法はスタンダードだったのにな。

或いはエルフだという事から人間達の技術を受け入れられなかったとかだろうか?



 それと加えてアカカは城で出てくる食事の方が栄養も高くて美味しいと言っていたので、どうやら城やエルフ国内で養殖している魔物(かちく)の肉は栄養価が凄いと言っていたからそれも回復を助けたようだ。

にして俺は暇だ。

早くハイハイでも出来ないと時間持て余す~~~

んにゃ今、持て余してる!!



 可愛蛇(かなへび)ってこの世界にもいたのかな?とも思いながら、どうやらコイツも多分魔物だと睨んでる。

かな “ヘビ” だけに!

俺の魔力吸ってるってか食べてるのだが普通の食事(エサ)もクチにするしで今の所は体調壊したりせずピンピンしてるから大丈夫っぽいけど。


 サイズも初めて会った時から1ミリも変化ないのは、やっぱりトカゲだからだろうか。

参考比較までに雛達は、もう俺の手の平に乗るのがギリギリのレベルまで大きくなっている。

いや俺の手が小さ過ぎるんだなコレは。


 トカゲは俺の体の上を動き回っては隠れては出てきて日向ぼっこをしたり。

雛達と駆けっこ、したりとケンカもせずに仲良く遊んでいる。

それを見ていると、このトカゲの親はどうしたんだろとは思わなくもない。

でもトカゲって子育てするのかすらも知らないからな~

流石に日本人時代もトカゲに興味無いしで調べた事も無いから知識がゼロだ。

そもそも魔物だし異世界だしで全部、知識が通用する訳でもないんだから仕方が無い。


 まぁ仮に迎えに親が現れた時のために俺が(城のメイド達がだけど)

面倒するかな。

ひとまずは、いっかな~


 さてと、そしてアカカ事件後から俺周りは変化した。

俺の乳母のパフェアは、あの夜に俺を守れなかった自責から以前までは乳母としての仕事は勿論だが、それ以外の事はメイドや護衛に任せていたのだが今ではメイド・護衛達と協力して彼らの仕事もやるようになった。

〈パフェア〉はダークエルフで褐色の肌でクールって感じの流し目で淡々と仕事をこなしてイメージから、一変してもう1人の母親って感じになった。


 また乳姉弟(ちきょうだい)の〈シュヴェルト〉も連れて来るようになった。

彼女は俺より、一つか二つ程は歳上のようで…………。

乳姉弟ってなんだろな~

詳しく知らないんだよな。

地球にいた時にやっぱ、そんな聞かない単語だしさ。

よく分かってないけど仲良くはしとこうと思う。

まっ仲良く以前に俺、赤ちゃんだけどね。


 そうこうしていたら雛等の食事の時間となった。

毎日決まった時間に食事は運ばれてくるので雛達含め母親らもワクワクウズウズする。

今日のメニューは生肉やらと何かを丸めた団子状の物とかのようだ。

メイドやパフェアが、一匹づつ順番に与えてゆく。

そこにシュヴェルトがやりたいと駄々を(こね)て、列が乱れ始める。

団子だけに?


 ヒマだとこんな、つまらん事も考えてしまうのだよ人間(エルフ)ってのは!

だって見てるだけだし。

何時も見てるだけだからシュヴェルトも、お世話したくなったんだろな。

仕方なく母親のパフェアは注意事項を言いながらピンセットみたいな長箸っぽいのを渡す。


「分かりました。

ただし、お手々を食べられないようにコレを、しっかり持つんですよ。

それとクチに持っていく時は優しく、ゆっくりですからね」


「うん分かった!」


「本当に分かっていますか?

これは遊びではないんですよ」


「うん、ワタシもリンネの役に立ちたい!!」


 泣かせるねぇ~

立派になって!

シュヴェルトの昔、知らないけど。

あれ冷静に考えたら鳥やトカゲにゴハンあげるの俺の世話には関係なくない?

ごめんなさい、今更ながらに仕事増やしてるよな。

お疲れ様、ありがとうございます。

それと俺、何もしてないよな。

う〜ん。見物係として成長しただけじゃないか?



 うわ落ちる!?

今度はベッドが高くなったり沈んでいく!?

あっ、いつもの落ちそうになったりベッドごと俺がググゥーーと上がったり下がったりする変な現象か~

起きちゃったじゃないか。


 そんな昼下がり。俺が起きたので連動するように起動して遊びに誘うトカゲ達とメイドさんに慰めて貰って泣き止む俺は床に下ろして貰うとハイハイを今日こそ成功させようとする。

そこに笑顔でやってきた姉カイネと、その後ろのメイド達。

メイド達は何かを、一杯に持っている。

嫌な予感がするな。


 カイネが取り出して俺に見せるように床に並べ出した。

その中身は明らかに俺の服つまりベビー服と雛達の物だった。


「お洋服がやっと届いたのよ!

なんとリンネと鳥さんとトカゲさんは、お揃いなんだから!!」


 えっへんと満足気(まんぞくげ)にすると俺を抱っこする。

やめろ~


「リンネ~

お着替えしましょうね~

シュヴィーも手伝って!」


「はい!

勿論です!」


 貴様、カイネっ、お前には前科があるだろうッッッ!

コッチが逃げれない逃げないのを良いことに御下がりの女装をさせやがって!!

まだ許してないぞ!


「あれリンネが暴れる!!」


「リンちゃん良い子良い子ですよ~」


「カイネ様、危ないですよ。

我々にお任せ下さい。」


 いやだ~~

よせ~

うわーーーー無力なり。

揺られたりトントンされると眠くなるんだよ~


 結果、今回はフリルがフリフリ~のフリフリなのかと思ってたらコレはカッコいい。

ドラゴンかな?

ドラゴンだろうか!

今、カイネに抱っこされながら普段は、この部屋には無い全身鏡(すがたみ)の前で双子コーデをしているカイネとシュヴェルトとポーズを取っていた。


 雛達の六匹は頭の部分と体の部分を着せられたようで、やっぱカラフルなドラゴンだ。

お揃いか、カッチョイイな~

トカゲは体と体の下の部分だけだが、アレ?

これドラゴンか?

彼らは姉忽ちの足元や俺達の体の至る所や部屋中に逃げてたりで必ずもポーズを取ってはいないが数匹は鏡が珍しいようで覗き込んでと皆が皆、忙しない。

服が嫌なのか脱ごうとしたり脱いでる奴もいる。


 へぇ~俺ってこんな髪色してたんだ~

改めてハッキリ見たけど案外良いな~

にしてもやっぱドラゴンはイカスぜ!

トラウマ思い出すけど。

ドラゴン事態に罪は無い。

血の気が退き掛けただけだ。

されを抜きにしても、やっぱ男のロマンはドラゴンだと思う!

写真とかないのかな~と思ってたらカメラじゃないけど有るっぽくて撮られていた。

記憶を思い起こせば、そういや毎回(いつも)、何かチュイーンチュイーン!

シューってか鳴ってたわ~

これ写真撮ってんのか!?


「タージャも似合ってるね!

カイネ達と、お揃いなのよ!」


 少女趣味ぃ~~

うげー(;TДT)


「カイネ嬢様、アチラの奥様も誘ってあそばせませんことぉ〜?」


 シュヴェルトは、おままごとに突入したようで貴婦人かな?になりきっている。

止まり木で見守っていた母鳥アカカがターゲットにされたようだ。


「お茶会ですわ奥様♪

アララ~♪」


 歌い出して回転しながらアカカとテーブルで準備をしだすと俺も座らされる。

毎度いつものパターンだ。


「あらお嬢さん、新しいお洋服ですか?

ワタクシもなのですよ!」


「アカカさんの御子さん達ったらいっぱいね~

これ美味しいわよ~」


 オモチャのコップを飲む真似してって、えぇ!?

まさかこのコスプレみたいなのアカカなのか!?

確かによく見たら鳥っぽい!!

このトゲっぽいの鶏冠か!

尻尾も椅子から垂れたの広がってクジャクっぽいぞ!

やられた~~~~!!

ドラゴンじゃないのかよ!


「このクッキーも、…………お腹すいたわね。

おやつにしましょう!

クレープル、おやつの時間にしましょう!………ですわ!」


「同感ですわ奥様!

あっ‥‥‥お母さん、ワタシもイイ??」


 ホントのティータイムになってしまった。

コロコロ気分が変わる。

子供だね~

そうやって、お着替えからの、おままごとは、おやつタイムに変化(シフト)していった。


 その前に俺は元の格好(ふく)を戻してくれよ~~

えっ?

俺もオヤツタイム?

やった!!

って哺乳瓶冷ますまで御預(おあず)けかよ!?


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