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短編++ 25話 とんだ旅行編

プラスプラスもしくはダブル・プラス

シリーズのプロローグ


同日、誤字脱字修正しました。


 飛空船、それは飛行艇より小さくスマートな所謂ところの飛行機に似た乗り物である。

飛空艇や飛空船は数十年前から富裕層を皮切りに現在では汎ゆる層でも気楽にとまではいかないが搭乗できる程に、お値段もリーズナブルになり、一般に知れ渡る認知度を獲得していた。


 すると乗客から乗組員の安心を任された運転手・操縦士パイロットは本の、一握りのプロに任せる事になる。

操縦士になるには飛空船・飛空艇の運航権利を持つ会社に所属・発行する資格を取得しなければならない。

試験に合格し、そこから更に運転年数と飛行データを加味した上でランク試験を合格し責任機長キャップ副操縦士サブキャップになれる。


 1つの飛行艇には操縦士が20人、飛行船は10人が平均とされている。

そこに乗組員や搭乗客を合わせると……………。



 ラス・カー・レイブンは次男だった。

レイブン家は代々騎士を生業としていたが彼の父の代に飛空艇の操縦士に目を付け長男は、一発で試験に合格、騎士位との同時持ちは世間を賑わせた。

その期待は次男のラスにも注がせ望まれ膨らんでゆく。


 そのプレッシャーの中、ラスは試験を受ける依然の所属テストで落ちてしまう。

ラスは父に叱られる、勘当されると思っていた。

そんな彼の恐れとは裏腹に父はそんな事もあるとラスを慰めた。

ラスは父に応えるために騎士位を獲得し1年後に有る試験を受けようと励んだ。


 1年後、ラスは所属テストを落ちていた。

ラスは弾ける感情を父の罵倒で確かな物にしたかった。

しかし父はラスを叱る事無く、諦める事も1つの手だと声を掛けた。

その時だった、ラスの中で何かが壊れ崩れて父への尊敬や憧れは自身への興味の無さだと気付く。


 その日、1機の飛空船の乗客の中に黒尽くめの男性の姿があった。

乗客が席に付き機内にアナウンスが流れ飛空船は空へと飛び立つ。

乗組員の中には機内の設備・乗客への対応・騎士と様々で総勢20名にもなる。


 飛空船の運転が安定するとベルトは外す事が出来る。

それから少しして1人の男がベルトを外した。

男はスムーズな足取りで通路を歩きコクピットの前へと到着する。

異変に気づいた女性乗組員が男に声を掛ける。


「お客様、どうされました?

ここには入る事は出来ないようになっています。

申し訳有りませんが安全のためにも、お席にお戻り下さい。」


「マニュアル通りの返答だ」


 伸び切った髪に酷い隈のギロリとした目付きで睨む。


「はい?」


「面白みが無いんだよ!!」


 次の瞬間には女性乗組員は頭部を強打され気絶した。

鈍い音と倒れる女性乗組員に乗客の1人が悲鳴を上げた。

強行の男ラスは悲鳴にも目もくれず乗客乗組員のポケット等を弄り、カードを見つけると、そのカードをコクピットへ入る扉の挿入口にスキャンする。

ロックが解除されラスはコクピットへと侵入するのだった。


 騒ぎを聞きつけた乗組員が到着する直前に扉は閉まりラスは内側からロックを掛けると空かさずレバーを下げてコクピット側の許可が無ければ入れないようにする。

ラスは船長達に向き直り口角を歪ませた。


「やぁパイロットの皆さん!

始めまして。

そして死にたく無ければ私の言うことを聞いて下さい…………ね?」


 そう言うと上着のボタンを外して中から表れたのは巻き付けられた爆弾だった。

機長達はラスの言葉に従うしかなかった。

その直ぐ後だった飛空船は1度激しく揺れ何度かの小さな揺れが起こったのは…………。




 乗客の中にエルフの一団が居た。

その1人が目を覚ます。

アイマスクを取ると横の人物に渡し何か起きていないかと聞くが普段通りのフライトだと告げ何か合ったのかと不思議がる。


 そのエルフは膝を組み、手を顎にやる。

飛空艇や飛空船は飛行の安全上や飛空方法の問題から乗客及び乗組員に魔法の行使を禁じている。

それは上空には地上と魔物よりも強力な魔物が生息、蔓延っているため機体に内蔵した特殊な魔石で姿を魔物達から見えなくした上で魔物の嫌う音波を発生させている。

その魔石と音波に乗客等の魔力が干渉してしまうと意味を成さなくなってしまうからと、一般には説明されていた。

だがそれだけではなかった。

その効果を発動する前に責任機長キャップ副操縦士サブキャップは機体を包むように薄い膜のような魔力のバリアーを掛ける。

これは操縦席の近くにある器具から行いフライト中の何時如何なる時でも発動し続ける事を義務付けられていた。


 通常キャップとサブキャップが最初に同時に発動し、その後は交代しながら維持し続ける。

そのため1度のフライトで2種類以上の魔力がこの膜から反応する事は不測の事態でも無ければ有り得ない。


 その不測の事態が起きたのかも知れないと再びエルフは眠りに就こうとした。

そんな彼の前に乗組員の数人がやって来て他の乗客に聞こえないように小さな声で彼に知らせた。

それを聞いて彼は初めてコーヒーを飲んだ子供ときのような顔をすると飛び出して行った。



「下の奴ら身代金は用意したか確認しろ!」


「は、はい。」


「早く用意させろよ。

じゃないとこのままドボン……だぜ?」


 操縦席に座り操縦桿を操作しながら片手で爆発したジェスチャーをして笑う。


「なぁ!

なぁッ、お前!」


 コクピットの後ろでパイロット達は壁に並ばされていた。


「よせッ!!」


「何だ?

言ってみろよ!」


 キャップは制止しようとしたがラスは挑発するように口を出すのを許す。


「あぁ、お前…いや貴方はレイブン家のラスだろう?」


「くっ!?」


「やっぱりそうなんだな?

すっかり姿が前と違うから、もしかしたらと思ってたんだ。」


「どこで!?」


「俺だよ?

試験会場で一緒だったろ?ピジット家のバトだよ。

アンタ、貴方のお兄さんには世話に──」


「黙れ!

死にたいのか?

これ以上囀るな!

分かったようなクチを利くなよ!

パイロットになれたお前がなぁ!!!

おらぁ!

てめぇらも次いぃ、舐めた事したら容赦しねぇえ、からな!

覚えとけよ、オラオラオラッオラオラ!!」


 ラスの大声にコクピット内は静かになり計器の音や窓に当たる風だけが音をさせる。

そこにドンドンと扉を叩く音が響いた。

キャップ達はその意味を理解する。

この状況を打開する救世主の登場を意味しているからだ。

ラスの目を盗み乗組員達に状況を簡単に知らせるボタンをキャップは侵入された先に押していた。


 扉の外では1人の少年が悪い笑顔を浮かべて開くのを待っていた。

そしてゴタゴトと聞こえて少しすると開かる。

彼がサッと強引に侵入して閉じた事で誰かの “殿下” と呼ぶ単語こえは開閉音が邪魔するのだった。


単品単独作品ストーリーでも独立はしていません。

一匹エルフの気まま自適生活リージャリィよりも前の出来事です。

それはそうとエルフレガシーの一環いっかん等でいつかリージャリィも統合とか使用かな?


↑これは時系列的にも本編依りです(の予定)

続きはいずれ?できたら良いな〜

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