21話 8~9月/0歳 悪戯妖精と白銀針猫 ②
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御注意下さい。
ハリネズミの赤ちゃん騒動から数日、父クリスの土産の風船を20個以上、括り付けられて部屋の中を、ぶら~んぶら~んっと浮いていた。
赤ちゃん達の容体は元気その物で魔物の皆や姉のカイネ達と仲良く遊んでいる。
って言うか元気が余り有る位で、あの弱ってたのが嘘みたいなレベルでハチャメチャに暴れてる。
ハリネズミなのか疑問な位で………。
ってかホントに。
白い毛並みに荒々しくも柔らかい針は先端が黒い。
そして毛玉は、まるで飛び回る弾丸のように部屋中を走り周り、それに感化されたパピコや森周辺から訪れていた小魔物もルール無用の駆けっ子、レースが始まる。
よーいドン!も無ければゴールテープも無いので終わりはハリネズミが疲れ果てて寝るまで。
部屋の物は倒されたり落ちたりで片付けられてしまった。
ペットが増えたと喜ぶクリスに風船を付けられてクリスが見守る中、プカプカしてると魔力無しで浮いていた俺を視線上でハリネズミ達に見付かってしまい体と風船に飛び乗って、よじ登って来ると重さで少し高度が下がり、しかも風船が割れないか気が々じゃ無いんだが。
あっ!?
弾けた。破裂に続く破裂!!
あ、ヤバ。
ヤバいーー落ちるぅ~。
体は風船のハジける音に驚き泣き、理性では落ちないように手足をバタつかせるが間に合わない。
「何を惚けた顔でボケーっとしているのだ!」
母、ナイスキャッチ!!
魔法でクッションされて抱き抱えられる。
ハリネズミ達も俺やミルフローラに掴み付いてくる。
爪が痛い。
ぴゃあ、ぴゃあ鳴いて見繕っても遅いぞ!!
「ご、ごめんっ!!
リンリンが可愛くて、つい!!」
ニコニコ顔で眺めていた父クリスは慌ててアタフタしてはゴメンよ~と毎度の、やり取りをしては母親ミルフローラに怒られていた。
まぁ両親等が楽しいんなら、それで良いんだけど。
はぁそれにしても最近、前より魔力の出が悪くなってるんだよな。
◆
赤ちゃんは眠る時間。
今日は昼寝を多くした事も合ってか眠らずに起きていた。
荒ぶる弾丸は角から隅へと駆ける。
よくヤルよ。
ちいこいハリネズミは全部で4匹。
それぞれがビュンッビュンッと走り回って登ってタンスや棚へと飛び乗って降りては走る。
何が楽しいのか分からん。
君たち夜行性なんだね。
暴っぷりはミニな怪獣。
ネコみたいだ。
疲れたら寝る。まさに猫!!
俺に甘えて来て丸まって、一緒に寝たいらしい。
俺で暖を取るの好きね。そして追いやられるパピコ。
温かいね~君たち。
俺も寝るかな。
目を閉じてオムツは大丈夫。
あとは寝るだけ。
そう体とか背中のフィット感を調整しているとドアの反対、つまり廊下側からドアを削るような引っ掻く音がして寝れなくなってしまった。
姉カイネの部屋にいるタージャーかな?
まぁドアまで行けないし行けたとしてもドア開けれ無いから無視だな。
数分ガリガリッガリガリガーっと続き、一旦静かになる。
しかし次の瞬間からニャーニャーニャーっと確実に1匹ではない猫の鳴き声が響くのでさぁ~大変。
ビックリした拍子に泣いちゃたぜ。
この猫の声で起きた俺の声で母ミルフローラが起き上がり愛しながら猫の声の元へと向かう。
開かれた廊下の先には闇夜に光る無数の怪しい眼光の目玉。
ギョっとしたけど母ミルフローラは動じず明かりを付けると10匹以上の猫が廊下にはいた。
敵対的な意思は感じない。
相談用に開かれた魔物入り口から入ってきたんだと思われる。
でも何で、こんな深夜に?
不思議に思っていると1匹が前に出てきて、お辞儀をしてコッホンと咳払いをした。
「グレムリンの子供が我が一族の仔を見つけたとアカの女王から知らせを聞いて参上した。
エルフの王族だな?」
「アカの女王?
あぁファイアーバードのアカカだったか。
して我が一族?
一見、ネコにしか見えないが?
カーバンクルやケット・シーの1種なのか。」
「そうだった。
不躾にやって来て名乗りもせず無礼だった」
「いやいや我らは〈バンニャースナッチ〉と言うぞ!!
北に聳える神峰玉山の麓に広がり有る深迷う露霧・神掌の密林、神の庭・最古の番人が、ひと~~~つ!!!
猛る獣の白キ王獅の一角ぞぉ!」
「なるほどね。
女神の髪の毛の住人だったか」
「ぬぬ?
髪の毛ぞ?」
「余の世代のエルス…………エルフは、あのジャングルを髪の毛って言ったり男神の髭って言うだよ。
やはらに、こんがらがってデカくて、一度深入りしたら出られ無くなるのでな。
不敬かも知れんが畏怖も込めて、そう呼んでいた、いるんだ。」
「そうだったのか知らなかった。」
「悪いね。マヌケな話をした。
一応は此処ら、一帯はエルフの国の管理下って事には成ってんだが女神の髪の毛は、ほぼ手着かずで警戒と時たまに炙れ出た魔獣や危険な魔物の討伐・間引く、くらいしかしていないんだ。」
「知っている。
それには助かっている。
それでだ。我らの仔は幼体、産まれて直ぐは成体と姿が異なる。」
「なるほど。
うむ、話が見えてきたな。」
「迷子だった、…………浚われていた我らの仔を見付けて保護していると駆け付けた次第だ。」
「浚われた?」
「そうだ。
なんでもソチラの勇者が犯人を倒したとか。
アカの女王から聞いている。」
「我らの仔を救ったエルフの子には感謝してるぞ!」
「お前は黙っていろ。
仔の子守りさえ出来ぬ者が何を言っても癪に触るだけだ。」
「おぉお、おおお!!!
違うぞ!
居眠りしてしまっただけぞ!
我は眠ってしまっただけだぞ?」
「それが親のする言い訳か!!
これだからお前は昔から何も変わっていないのだ。
すまない身内の恥を晒してしまった。」
「いいや、うちにも体で考える勇者がいるんでね。
だがそのお陰で犯行は止められたらしい。
その者は倒してしまったから依頼元がいるはずだ。
アクアテールに密入した人間と言い何か良からぬコトダテを考えてる奴等がいる事も分かった。
今後のためにも親玉を見付けて殲滅することをエルス、、エルフの王として誓おう白の王者バンニャースナッチ!」
「魔物の我らにこのような態度、痛み入る。
我らも協力を惜しまない。」
「あぁ。」
ん?
話、終わった??
ちょっと寝てた。
もう終わったなら寝て良い?
欠伸したら母が気付いて室内に入って行く。
それに続くように猫達も入ってくるのでコトを荒立てる事を無く無事に解決したのかも知れない。
もしくは元から知り合いとかね。
うん、それ有り得る!
眠い頭で考えても仕方ない寝るとするか。




