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18話 7月/0歳 犯人と悪戯妖精 (後編)


 俺の周りを普段から浮遊する精霊から、この森で出会った(正確には俺の存在を感じて寄ってきた)精霊と同じ経緯の妖精達に力を借りた事で倒すまでは()かなくとも牽制には成功したと言っていい成果を発揮した。

のだが、その強引な手を使った反動で現在の俺は魔力も尽きて身動き取れないでいた。


 父クリスがなんか言って救援に母ミルフローラでも呼びに行ったようだが赤ちゃん達は滅茶苦茶に元気だよ?

アニメにしか出てこないようなデッカい葉っぱを滑り台にして跳ねてたり。

表面に顔を出した根っこのトンネルで、かくれんぼしたりフィリップとカグアルットも年相応の笑顔をしていてオジサン、……お兄さん…………俺は嬉しいよ!!

でも何時、泣き出したり。

お腹を空かしたりするか分からない。

責めてもの救いは拐われる前に赤ちゃん達は話が長くなるといけないと授乳や哺乳瓶等でゴハンを済ませていた事だろう。


 あぁ、お腹空いあ~

なんて呑気に寝返り打っていると母と父が他の親御さん達と現れた。

彼らを守るように周囲には騎士に兵士、そして忍者みたいな隠密系の格好の人達が警護している。

忍者!カッコ良い!!



 俺や皆は各々の親達に抱えられ怪我が無いか確認されオムツを交換したりゴハンタイムと大忙しだった。

母ミルフローラに抱えられながらゲップを済ませる。

ミルフローラのトントンはヘタなので上手く出来なくて苦しくなって吐いてしまう。

時折ある、吐き戻しで乳母のパフェアが代わって背中をトントンしてくれたので事なきを得た。

また、おっぱい良いですか?

殆ど吐いたので、お腹空きました。


 落ち着く匂いだ~

母親の匂いと体温(ぬくもり)で眠たくなってきた。

寝よ。


「さて、これらには仕出かした罪の重さを自覚させるトコロからかの。」


 薄目にミルフローラの言葉にハッとしてしまう。

親らしき鳥モンスターは傷を治したが小猿達は噂を頼りに俺を何とか此処に連れて来る必要が有った。

小猿達は親鳥と仲良く眠っているのが大半だ。

残りは子供と、一緒になって遊んだりしている。


「我が国の子らを拉致した今回の処罰を下さねばならぬ。」


「ミルフィー、ミルフローラ!

ファイアーバードの時は無し崩し的にだけど協力して卵を孵化(かえ)したって聞いたよ?」


「甘い顔ばかりも出来ぬ。

これが空く迄もリンネだけならば身内と考え破壊行為や拉致の蛮行も棚に上げてやれる。

だが王族、統治者としては仕えてくれておる者達に此では示しが付かぬ。仕置きは大事ではあるのだよクリス。

分かるか?

コトの重大さを分からせなければ成らない場合が、まさに今だ。


「そうだね。

落とし処が必要なのは僕も理解してるつもりだよ。」


「つもり?

つもりでは如何と普段から言っておろうがぁ!!」


「うん、だからね。

ミルフローラ、視てくれ。」


 クリスの言葉が分からず首を軽く傾げた母だったが父の視線で気づく。


「!?」


「そうだよ。」


「グレムリンにリンネの魔力が浸透しているのか!」


「ファイアーバードの時と同じだよ。

この子たちは本体のためにリンネに助けて貰おうとしたんだ。

やり方はあんまり宜しくは無かったけどね!」


 問われて小猿は傾げるもクピィと鳴いて肯定しているようだった。


「くぅ。

あい分かった。テイムしてしまったなら仕方がない。

王の元に責任を果たそう。

…………でっだ!

それとだな、死体が転がっておるようだが?

証人が居なければ、これでは動機が判明せぬではないか!」


「ミルフィー、ミルフローラ!」


 はい、イチャイチャタイム突入です!!



 話し合いの結果、拐われた子供達に怪我が無かった事。

そして王子である俺の尽力を見ていたフィリップとカグアルットの子供ながらの説得?も功を奏してなのかグレムリンも言う魔物への処遇は、ほぼ皆無に均しいモノになった。


 あれから直ぐに城に帰還した俺達だったがグレムリンの親……本体も俺が治療したとは言え城の魔法使いに見てもらうため移送する事になり小猿達も当然、城に同行させた。


 魔物の正体はグレムリン。

赤ちゃんの俺に説明される訳も無く、新しいペットの理解と危険のために姉カイネらに話してるのを盗み聞きする形で真相を知ることになった。


 グレムリンは夜と昼で姿形が変化する魔物で、あの森の守神的な存在でも在るらしい。

夜は鳥で頭が無く翼に二足歩行の人のような姿と、まん丸な鳥の姿の昼に分かれて小猿は小鬼で妖精とは違うようで大元からの子分や分身の方が言葉としては正しいとか。


 昼は、この分裂した子分達が活動的になり食べ物を集めたりするのだが今回は大本、本体が冒険者との戦闘で怪我を負ってしまったため、その救命のために俺を探し出したが無理をしたため小猿も少なからず怪我をしていたので俺は回復させといた。

なんか魔力の出が又、悪いんだよな。

やっぱムリしたのが影響してるっぽいか。


 後日、大本含め小猿の治療の御礼なのか小猿同士が合体して少し大きい小猿がクチに栗を咥えて帰ってきたと思ったらハリネズミだったのは度肝を抜かれた。


 一目にはモジャモジャトゲトゲで栗、その物なのに動き出して助けて~~っと鳴いたと思ったらトゲっぽいのが柔らかい丸い変からバタバタし出した時には部屋にいたパピコ達も驚いていたので擬態を通り越して我慢とか意地でも変装してやろうって感じがして擬死、死んだフリって意味無くねっとも思った今日この頃のエルフ生です。


グレムリン、独自解釈と妄想でモスマンを混ぜて合体させたオリジナルモンスターになります。

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