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14話 7月/0歳 誘拐と1人目

最新話、確認して下さい。

1時間毎に更新しています。

2025/07/01、微量な加筆・修正を行いました。

07/09、誤字脱字の修正と微量加筆をしましま。

 フィリップ少年の勇気ある行動は(よこしま)的・下心からだったとしても、その行動は赤ちゃんな俺達に当たらまいと魔法を躊躇っていた大人達より小回りの利く子供フィリップだからこそ成せた、この場での事実せいかいだった!!


 結果こそ奮わずフィリップごとキャロラインはシャボン玉に囚われてしまい俺達は黒い変な鳥人間に誘拐される事となる。

甲高くギュイーギュイーと鳴き声を上げると大人達に向けて円形の衝撃波ちょうおんぱを放つ。


 見た感じ痺れ効果でも有るんだろうか。

その隙に鳥人間モンスターは外側の壁に目からビームを発射して溶かし壊していく。

それが何度か続きミルフローラ達は遅れながらも追い付くも近付けずミルフローラ達、大人等は下手に攻撃が叶わず鳥モンスターは遂に最後の壁を破壊して城壁に穴を空けると、勢いよく外気が入ってくる。

牽制するようにビームを撃つと鳥モンスターは飛び出す。


 モンスターに付随するように引っ張られるように俺達を入れたシャボン玉は浮いていく。

鳥モンスターが新しいシャボン玉で俺達の入っているシャボン玉を覆う。

それを足で掴むと翼を広げて大きくなった両翼で飛行を始める。

どうやら風圧に耐えるシャボン玉を重ね掛けしたっぽい。

過ぎ去っていく風景から時速160はあると予測された。

これ空気さんそ、大丈夫なの?


 ファイアーバードのアカカの件が有るから何と無しに捕まっては、みたけど。

これは、どうも毛色が違う感じだ。妖精っぽかったのにモンスターだし敵意を感じるけど少しそれも違う気もする感じでもあるし。

考え事に頭を巡らしてしまい俺は赤ちゃん達まで思考が回っいなかった。


 もう殆どが泣いておらず代わる代わるの景色に笑っていた。

そんな中、1人不貞腐れている少年がいた。

咄嗟にあの行動が出来るんだから誇って良いと思うけどね。

動機はどうあれ。


「糞、俺は年上のお姉さんに褒められたくて………それなのに。

子守りなんて………グチグチグチグチグチ。」


 違うな。

現実逃避なのか助かる事を前提に愚痴を溢しているのか。

こいつ大物になるだろうな、ある意味では。

仕方ない。

このままだと鳥モンスターが目的地に到着すれば無茶しかねない。

くっ、ふう、はぁ~~。

よっとっと浮遊完了!

ココ・エメラルドを見て独学で習得した浮遊宙泳魔法(スイミング)(仮名)を発動させると俺は空中を泳ぐようにフィリップの前へと行くと軽くオデコにタッチする。


「ふへっ!?」


『聞こえてるか?

オマセなコックさん!』


「ほぉぉおおお!?

何だコレ!?

何だコレぇぇぇぇええ!!」


 上手く発動したな、ふぅ~疲れた良かった。

でもその大声で泣き出した子いるから静かにしようか。

必殺デコピン!


「ぶぎゃぁ!!

いって~~何すんだ!

って、お前なのか!

なんだよこれ!?」


『遅い。

んな事より静かに。

それとまずは泣いてしまったティーナ嬢やラッシュ達を、あやせ!』


 思考させないぞ。

次々に、まくし立ててそんな暇は与えない!!

これで少しはマシになるだろ。


「エルフって早熟で精神年齢が早いって言うけど赤ん坊の時からそうなのか!?」


 な訳ないだろ。

まぁいいや。

って言う割りに赤ちゃん抱えて、あやしてる。

案外、素直で良い奴だ。


『それから──』


「まだあんのかよ!!」


『いいから!

(すみ)で泣いているカグアルット嬢を(なずさ)めろ』


「そんな事まで出来るかぁ!」


『年上の女性が好きなんだろ。

だったら同年代 (なの知らないけど)の女の子の扱いに慣れておいて損はないと思うけどなぁ~ニヤリ』


「そっ、それもそうか。

分かった。

行ってくる」


 チョロい。

所詮はガキだ、タスクが有る事で他の事に頭が回らず無鉄砲な行動はしないだろう。

フィリップはシャボン玉が割れないように恐る恐るカグアルットの元へと歩いて行った。


「へい彼女!

そんな所でどうしたんだい!」


 って何時代(いつ)の頃のナンパだ!?


「ひぃ!?」


 言わんこっちゃない!!


 フィリップの突飛な御挨拶に怯えてしまったカグアルット・クレアン・ミラージュだったが視線の先にいた俺を見つけて自身の役目を思い出したように俺を抱き締めて恐怖から脱したようで良かった。

つまり俺はカグアルットの膝の上で抱えられている。


 それが王族への忠誠から守らなきゃ的なのから来る物なのか。

それとも父親から俺を射止めるように言われたからなのかは今の所は不明って事にしとこう。

彼女がコレで安心するのなら俺は何も言うまい。

1つ感想を述べるなら子供って体温、高いのよね。

あつい。


 少しして高度が下がり始める。

地面が見えてきたのだがバカみたいに、でっかいダンゴムシの群れが転がって移動していて地面を削っているのが分かる。

あんなのに踏み潰されたら、一溜(ひとたま)り無い。

このダンゴムシに危険を察知したのか再度、高度を鳥モンスターは上げて速度を早める。

俺や赤ちゃん達を抱えて抱き締めては震えているカグアルットとフィリップに心が穏やかになる作用のある魔法をバレないように掛けて俺は眠ってしまっていた。


 フィリップの俺を心配する声で目覚めると、そこは緑色の森の中の拓けた場所だった。

人の手が加わった様子は無く自然の楽園で有り、視線の先にいる羽繕(けづくろ)いをしている鳥モンスターを筆頭にした野生の住み処なのだと立ち姿が語っていた。


 俺達は中央に集められている様でカグアルットが庇うようにしているが、その身は震えている。

俺が起きたのに気付いたのか2メートル半から3メートルは有る全身黒色の体毛に覆われ頭が無く体の胸部に当たる部分に赤く光る両目が有り翼は仕舞われているが広げれば体以上にデカくなり、より一層怖くなるだろう。

その鳥系モンスターは1歩、1歩と確実に近付きつつあった。


 鳥モンスターは右側の翼を広げて俺に向けようとしたのか何かをしようとした瞬間、カグアルットが身を、一瞬震わせるも逃げる事も無くフィリップも守るように前に出ようとしたその時、俺のフードからトカゲのニジが飛び出して鳥モンスターを引っ掻く。

そんな瞬きの出来事に着いて行けていけない2人が遅れて彼女の悲鳴が森に響く。


 その後、地面に落ちて深くはない怪我を負ったニジはカグアルットに拾われ俺の元に戻される。

俺の頭に置かれたニジにカグアルット達にバレないように回復魔法を掛けるとニジは又、フードの中へと隠れる。

ったく、フードに隠れて付いて来てたのか。

ありがとな。

ごめんな。

ピャイと鳴いて眠ったのが分かった。


 最近、母の趣味なのかコスプレみたいな服を着せられていて今日も俺が離さないので気に入ったと勘違いしたドラゴンのパジャマだったのでフードが有ったのが助けになるとわな。

(別にドラゴン好きな訳じゃない。

何ならトラウマまで有るし。

他の選択肢が女の子チックのフリフリだったりミツバチやネコだとか可愛いに全振りされてたのしか無かったのが原因だけど今はホント、感謝しとこう母と姉よ!)


 ニジの活躍で怯んでいる好機を逃すヘマをする俺じゃない。

俺は浮遊しようとするが、うわっあ!?

地面に落ちそうになってカグアルットにキャッチされて何とか助かる。


「《雷撃(かみなり)三方向飛礫魔法(トリプルブレイク)》!!!」


 その間にフィリップは魔法陣(スペルサークル)を空中に完成させ雷の攻撃を鳥モンスターに浴びせていた。

フィリップ!お前やっぱ男前だよ!

それでもやっぱり魔法を発動させるのもやっとの子供に助けられてばかりは情けない。

しっかりしろ。

気合い入れ直せ俺っっ!

…………そう俺は今、魔法の発動に失敗していた。


 クソ、やっぱりか。

魔力を練るのに又、失敗してしまった。

例の1ヶ月昏睡事件からだ。

俺は魔法を以前のように上手く扱えないでいる。

魔力量は変わっていない。

しかし産まれたばかりの体を酷使した罰…………とかでは無く、ただ単純に魔力を発動する神経回路をボロボロのダメにしてしまっただけだった。


 なので発動までが極端に遅く。

そして途中で注入量が足りず洩れて間に合わず失敗してしまう。

今は簡単な属性を持たない魔力弾を発射してはモンスターに、ぶつけるも何弾は外れてしまい木々を抉る。

これも魔力コントロールが行き渡ってないから。

鳥モンスターにダメージこそ与えられ無かったが怯ませる事にはフィリップ共々成功する。


「翼には翼だぜ。

ん?あぁ、言って無かったな。

俺は鳥人(クロウ)だからな!

タイプ・ズアオチメドリなんだよ!」


 ふーん。

知らんトリだ。

フィリップは言うと姿が鳥に…………鳥には成らず少しの羽毛と翼に変わると恥ずかしそうに蟀谷を掻く。


「しっ仕方ねぇ~だろ!

まだ変化は練習中なんだよ!!」


 へ~~人の姿と鳥の姿と切り替えて変身出来るのか。

凄いな獣人。


「けどコレで飛べんだよ!」


 フラフラとではあるがフィリップが宙を舞い急降下して足からの、一撃が決まる瞬間──鳥モンスターは、その姿形をバンッバンッと破裂させて跡形も無く消えさっていた。

肩透かしを食らったフィリップは木に激突してしまう。


 鳥モンスターが、さっきまでいた場所には最初に見た時と同じ小さな小さな妖精がワラワラと固まっていた。

それぞれ各々(おのおの)がキーキーと鳴き、いや彼らは泣いているのか?

でも俺の精霊や妖精・魔物との意思疎通が通用せず感情さえも分からないのは何故なんだ!?


「どうしたの?

助けて欲しいの~?」


 え?俺を抱えたまま小妖精に近付いて膝を曲げたのはカグアルットだった。

1時間もしない前に見た時はフクロウのような姿だったが今は手の平程のサイズのサルみたいな姿で俺を抱えるカグアルット、そして他の赤ちゃん達を守るために戻って来ていたフィリップに攻撃するでも無く、囲むと何もしないでいた。


 彼らは色とりどりの薄赤や黄色、緑色等で耳はウサギのように長く。

体毛の隙間には爬虫類のようなウロコが有り、赤いチョキ等を着ている者や黒色の長靴や革手袋を履いていたりする。

俺達が怖がっているのが分かったのか小声のようにキィーと敵意では無い鳴き声で何処かに連れて行こうとしているように見えて何か知らせたい事でも有るのか?


 じゃあ何でコイツ等は俺達を拐ったんだ?

最初は魔物関連で、お困り事の相談なのかとも思ったが、どうやら奇怪(おか)しい。

ファイアーバードのアカカ達からも事前に、こんな事は聞いていない。

カグアルットが “大丈夫だよ” や “ごめんね” と問い掛け、フィリップはカグアルットに釣られてかポケットに入れて有った袋からクッキーを小妖精にあげては喜ばれて案内されるように俺達の歩行に合わせて連れて来られたのは光の届かない暗い木々の中、茂みの真ん中のポッカリと開いた空間だった。

そこには血を流して息が絶え絶えの傷付いた大きな大きな鳥のモンスターが横たわっていた。


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