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12話 7月/0歳 団欒と友達

2025/06/26、微量の加筆と誤字脱字の修正をしました。


 精霊と話せるようになった日々の中で俺の知らない数々の情報・事実を世間話がてら精霊から教わってゆく。

これまでの生活で大人達がポロッと零して集めた情報と前世を含めて俺の知らない部分とを、この時代の常識と噛み合わせる。

まずは魔物について。

正式名称は魔法生物或いは魔法動物、だから魔物と呼ばれている。


 魔物は心臓の近くに魔石を有し術式では無い自然魔法として魔法を発動出来るため通常の動物より強く通常とは異なる進化や姿、長生きをしていたりするのも特徴だ。


 次に魔獣。

正式名称は魔導悪獣や悪魔獣と言い、心臓その物が魔石に変貌しており魔法は術式も用いて発動可能と成っていて悪魔族に飼い成されている事が多い。

そして魔物が突然、魔獣に変化する事が確認させていて、その理由はまだ解明されていない。


 そもそも魔石とは魔法的エネルギーが空気中や地中に関係無く存在するのだが結晶化、鉱石化、固体化した物の事を言う。

魔物や魔獣から取れる物は純魔石と言い分けられていて魔石は魔力と対であり切っても切り離せない形で、この世界のエネルギー源、電気等のようにライフラインを支えている。


 そして人類、人やエルフ、亜人達は身体に純魔石を有さずに魔法や魔術を介して魔力に干渉し発動するのだが精霊や妖精も魔石が無いのに魔法を使えるのは何故かと言う話になる。


 理由は実体と霊体、魔力体、魂魄体が関係してると気難しい内容になってきた辺りから眠気に襲われて寝たので詳しくは知らない。

個人的解釈だと幽霊と同じだからで良いと思うんだ~ (てきとう)


 朝起きてそんな事を思い出して気分を紛らわせてみたが失敗のようだ。

それは何故か。

それは──


「ぷにぷに、もにゃもにゃだね~

ぱぴぱぴだぁ~

べびーべびーだね~

おぉ怒った顔も立派だね~~!」


 父クリスが喧しい。

頬を突ついたり服越しではあれどツンツン触ってきたり。

ウザイ。

パチンッ!!


「おほほほ~

凄いね~

可愛いね~~」


 暴れたら奇跡的に父クリスの手を払って叩く形になってしまった。

………でも喜んでるんだが?

現実逃避も振り解く事さえ赤ん坊にはムリらしい。

まだ寝たいのに。

もう。

コッチはコッチでソーダの尻尾が邪魔くさい。


「!!

寝返りしたよ!!

リンちゃん、リンネは凄いね~

可愛いね~」


「うるっっさいぞ!

ここが何処か忘れたか!!」


「ミルフィー!

ご、ごめん。

つい可愛くて」


「アホウめ。

まだ早朝…………5時ではないか!!!」


「起こしちゃったかな。

悪いことしたよ」


「ん、いや起きていた。

今日はリンネの顔見せだからな。」


「あっ!?

そうか、ごめん。

僕、丁度今日から依頼で遠出だよ(|||´Д`)

折角の晴れ舞台を!

僕見れないよ~」


「顔見せと言っても同年代の未来の臣下、友になる親同士達の小さい物だ。

それにだ、記録用の映像や画像は撮るのだから。

ソレを見ればよかろう?」


「違うんだよ!!

生でッ!

リアルタイムでリンネと!

ミルフィーと、一緒にその場に居たかったんだよ!!」


「っ!?

そうか。

な、ならば………あのような連中の言う付け上がった言葉等……断れば、断ってしまえばよいのだ!」


「…………そうだね。

でも僕は助けてあげたいんだ。

汚い大人より助けを求める‥‥‥‥リンネみたいに何も知らない無垢な赤ちゃんから子供まで皆が平和に生きていける未来を。

僕に出来るなら作って、助けてあげたいんだよ。」


「相変わらず甘い………。」


「「僕らしいでしょ(お前らしいな)()」」


 2人の声は同時に重なり夫婦のシンクロを見せてくる。

父クリスは嬉しい照れを。

母ミルフローラは恥ずかしくも照れている。

息子がいるの忘れてませんか~?



 高い高いは怖いからヤメろぉぉぉお!

抱っこは仕方無いとして母親も父親もキスするの恥ずかしいし照れるしヤメてくれ!!


 俺から離れるのを泣きながら娘のカイネと、一緒になって演劇みたいのを一頻(ひとしき)りした後に父クリスは俺と母ミルフローラに呆れられながらも午前10時程に渋々、出掛けて行った。

予定より遅れてしまったらしく焦っていた。


 午後の13時過ぎ、普段住んでいる階層から下に下に降りた広いホール。

少数の料理人や使用人が出入りを繰り返している。

軽く摘まめるクッキーやケーキ等が並べられていてテーブルに届かない以前云々にまだ食べれない今の自身が恨めしくある。


 このホールには使用人以外は今日の主役の子供達と、その両親だけだ。

そのためソーダ達は子供部屋で、お留守番となる。

当然、姉カイネも此処には居ない。

参加したいと駄々を捏ねたが家庭(きょういく)教師(がかり)が現れて連れ去ってった。


 廊下にはズラッ~と兵士達が壁際から警備しているが室内には居ない。

部屋の中央には柔らかい素材のマットが敷かれ俺達、子供は其所に集められる。

ヤバい、眠い。


「改めて今日は公式の場では無い。

畏まった形式は不要だ。

それに主役は()()であるからな。」


 ミルフローラは女王としての、口調で話しているが態度と雰囲気は親・母親としての軟らかさのようなモノを感じさせる。

まぁミルフローラに抱き抱えられて上を見ても双丘が邪魔して表情、顔が分からないので予想だけども。


「はい。

御招き頂いた喜びより本日こうやって無事なリンネ様を拝見出来た事を喜ばしく感じております。」


 母ミルフローラとは別のタイプの和風美人が、おべっかでは無く本心から告げているのが分かった。


「えぇ……その…髪の彩色も白に落ちて変わってしまいましたが元気な姿を又、こうやって見れたのですから。

今日という日を迎えられた事に大きな感謝を!」


 妄信的な長髪金髪の男性。

この人は俺を心配してなのかも知れないけど俺を見る目がマジで怖いんだけど。


一様いちよう、当人達の自己紹介しときますか?」


 鬼かな?

鬼のツノみたいのが有る元ヤンみたいな人の提案が採用されて当然のように俺からのスタートとなった。


「では余からだな。」


 膝の上から両手をフリフリされて母親の手持ち無沙汰に利用されてしまう。

さては緊張してるな。


「リンネ・デザイア・アクアテイル。

エルフだ。

ヨロシクやってくれ!

‥‥‥‥みっ、み右回りに進めてくれ。」


 恥ずかしかったらしい、早々に次にバトンタッチするらしい。


「はい~。

ガッツ・マクナリー・ソウラ、エルフの男の子です~

私に似て、のほほんとしてると思うので~優しくしてあげて下さい~」


 ほわわんっとしてる両親なのかな。

隣の父親さんも母親さんと同じ雰囲気で優しい感じだな。


「ティーナ。

ティア・リリーフィオ・サンデー………だ、です。」


「たくッすみません!!

この(ひと)ったら、口ベタで!

女の子の鬼人です。」


「次行っても良い、、かな?

龍人の娘です。

ほら!」


 うちと似ていて父親だけらしく娘に、お辞儀をさせてから続ける。


「カグアルット・クレアン・ミラージュと言います。」


 あれ?

俺達は赤ちゃんなのに俺達より少し大きい。

1~2歳位かな。


「ルーナ・キューアレヴァンス・メロディ。

人魚族の女の子でごさいます。」


 俺にウインクしたっ!?

ってか、さっきの和服の女の人だ!

夫婦揃って和風が似合ってる。

というか人魚って足あるんだな~

水無くても良いのか。

イメージ変わるな~


「この調子でジャンジャンいきましょっっう!!

キャロラインちゃんです。

あっ、キャロライン・リィリィズ・ディーアナちゃんでっす!

幽霊族になります!!」


 ギャルって異世界にも居るんだぁ!!

ん?

幽霊族!?


「サイガ・ベルゼー・フラワーズにございます。

将来のリンネ様の家臣となる盾!!

狼獣人、我が家は帝国の犬でございますからリンネ様に忠せ──」 


 さっきの人だ。

この人は信者か何かなのかな?


「もう良いだろ。」


 遮ってくれてありがとう。

ん?子供!?


「おお、リンネ様、俺は子供じゃありやせんよ。

ハーフグラスって言う立派は大人でさぁ。

こりゃ失礼。

こいつはジャスティン・ソード・ブルーム!

貴方の剣となる男ですぜ!」


「媚を売るな。

小さい男だな。」


「あぁん!」


「背では無い。

器の話だ。」


「なんだとぉ!?」


「止さないか!

貴様等のせいでリンネ様たちが泣き出したではないか!!」


 間に入ったのはフラワーズ家の信者の人。

俺だけじゃなくて皆、大声に驚いて泣いてますけど?

あと良いとこ見せたいのか俺と息子にチラチラキラキラしてるけど赤ちゃんだから分かんないし無視しますね。


「はぁ………ここは何時もの会議室ではないのだぞ!!

今日の主役は子供らだと言ってあるだろうが!

(わきま)えよ!!」


 母ミルフローラの(カツ)で余計に泣き出したけども、どう収拾付けんのコレ?


「「はっ!!」」


「では続きの俺からで。

(せがれ)はコイツです。」


 そのまま続けんのかいっ!!

ブルーム家と言い合いが関係性らしい3メートル位の男性が赤ちゃん達の泣き声の中、何事も無いように話す。

いや聞き取り辛いですけど。


「巨人族。

パーチ・ナックル・ワイルド!

守り手でございます。」


「最後は私たちですね。

小人のラッシュ・ワード・カメレオンと言います。

仲良くして下さいな。」


「うむ、どうする。

例年通りなら顔見せ後は親同士へと変わるが泣き止むのを待つか?」


「そうですな。」


 それから子供の食事が終わり泣き疲れたのもあって本格的に眠たくなってきたので寝ようかもと思っていると俺の元へと戻ってきたソウラ家の妻、夫人が話を切り出す。


「それでは子供達で遊ばせてみませんか?」


 反対はず子供の相手は使用人に任せたり夫婦が残ったりして遊び場に残された赤ちゃん達、つまり俺たちの無法地帯が解放された瞬間だぜ~

まぁ俺は寝るから関係無いけどね。

(。-ω-)zzz


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