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10話 5月/0歳 赤仔とケルベロス

話数を御確認して下さい。

1時間毎に更新されています。


1/21、セリフ等を加筆及び誤字脱字を修正しました。

 1ヶ月もの間、朧気おぼろげ夢現ゆめうつつに母の温もりやトントンされたり子守歌こもりうたを微かに感じていた。

その眠っていた生後数週間を自覚して覚醒めざめた現在の俺を怒涛の衝撃が襲うのであった(嘘、襲いはしない)


 まず驚きの真相、その1!

新しい子供部屋は母の執務室と繋がっているので母ミルフローラは呼ばれると居なくなったり俺を連れて行ったりした。

抱っこされてるだけだが寝耳を立てれば情報収集には打って付けで最適な環境となった。


 そこで母の名がミルフローラ、正式な名前は〈ミルフローラン・デザイア・ペルゾーン(ペルソーナ)・アクアテイル〉と言い〈アクアテール帝国〉の女帝だった。

しかも1代目、つまり王朝とかの奴である。

詳しくは知らないけど偉い奴の人の奴なのは間違いなし!!

始皇帝とか皇帝、陛下って呼ばれている。

というか最初はマジかと思ったけど、ここで驚きの真相その2!

どうやら俺は長男らしいからヤバさ倍増!


 義理の兄や姉は沢山いるらしいのだが継承権を軒並み放棄しているのだとか。

(まぁ全員には会った事は無いけど)


 その辺もヤヤコシイらしく子供の俺には聞かせるまでも無いってのもあるんだろう。

そして自分(おれ)のフルネームも判明、長男。

0歳の〈リンネ・デザイア・アクアテイル〉として生を受けて早くも数ヶ月。

なのだが特にする事な~し!!


 俺を抱えているので母の部下?

貴族かな?がついでに俺に挨拶する時に自身のフルネームを知るっていうね。

父はクリスとしか分からなかった。

父は勇者で人間だった。

俺が産まれた時も悪さをするモンスターや悪党を倒しに行っていて帰れなかったらしい。


 強くて慕われていて、それを威張らない俺の出会った事のないタイプの勇者。

前世の時の絵本や英雄伝説なんかで見る典型的な憧れる勇者そのモノ。

でもホントにそんな奴ぅ~いる??


 なんて失礼な考えをしていたら母の休憩と俺の授乳(ごはん)タイムが終わって隣に消えていったので、その間は乳母が俺(とパピコ達)の世話をする事になる。

すると母ミルフローラと入れ替わるように父クリスが入り口から入って来て登場!


「ぷにぷに~もにゃもにゃだね~」


 そう、この勇者……………親バカなのだ。

俺が生まれるのに間に合わず、しかも会えたと思ったら、その息子は直ぐに1ヶ月も眠ってしまった。

なので、めちゃくちゃ構ってくるじゃん。

あれから毎日来るんだもんな。

時に自分の娘と俺を取り合って妻に怒られる。


 今の所は勇者の威厳とかは無い。

メイドさんとかバトラー?

執事さん達の誰にでも優しいし言葉も丁寧で本当に勇者なのか?って疑いたくなるレベルに好い人で疑ってるのがバカバカしくなる位にはザ・イイ人。


「ぱぴぱぴだぁ~

パピコと一緒に、ばぶばぶ~ぱぷぱぷだぁ~」


 ってしつこい(怒)

むにむにすんな!!

やっぱ、世界の希望・人類の守り手なのが信じられなくなってきた。


「フワフワだね~」


 今度はモミジ達も抱えて寝転んで俺を高い高いしてきた。

暴れても逃げれないし付き合ってやるか。

(諦め)


 そして今からは、お昼寝タイムだ。

パピコってば、さっきボール遊びしたろう?

正確には乳母で有り義理の姉にも当たるパフェアが投げたボールを拾って来るを繰り返し、それを俺はパフェアの腕の中から見てるだけだったのだけども。


 監督としても、監督関係ないけどパピコの術後の確認も兼ねて観察していたのだが問題は見受けられないので安心した。

(まぁ1ヶ月も遅れてだけど)


 そして乳姉弟にして俺からしたら姪にも当たる訳だけど。

姪なのが判明したシュヴェルト、そして姉のカイネは雛とタージャー・ココ達と、おままごとをしてたようで眠くなったのか、やはり一緒に昼寝タイムに突入するために俺に姉ぶって世話を焼こうとする。


 遊び疲れたパピコと俺の、ねんねの時間が、一緒ってかパフェアが計画しての事ではあるのだが。

いざベッドに横にされるとパピコが俺と遊ぼと元気を爆発させ出したのだ。

無理!

俺まだ寝返りもハイハイも出来なければ立ち上がりさえ出来ない、お年頃よ?

なんてったってオムツしてるからね!

生後数カ月なんだぜ?


 って言ったらパピコもだった。

俺の周りをワフワフ、ハッハッしていたパピコだったが遂に諦めたのか。

俺と一緒に寝る事にしたようだ。

んじゃ、ここいらで情報を整理しておこうかな。


 俺の転生後の姿はエルフだった。

エルフとは魔法との親和性が高く長寿・不老不死である事。

現代の記憶も朧気に成りつつあるが、その頃と同じ認識通りでエルフは容姿端麗で森や自然を愛する種族だ。

あれ?

でもココ森の中か?

海だったよな?

あっでもそういや~アカカは城を超えて海の反対に飛んでジャングルみたいな所に巣を作ってたっけな。


 この世界に転移してからと1度目の転生で見たエルフこそ少ない。

両手で数える程しか出会ったり遠目で見たりしかしてないが、それの殆どが人間の領域の城とかのパーティーが多かったからな~

‥‥‥‥そういやエルフの国に行った事もねぇ~や!


 俺、そんなにエルフについて詳しくなかった!

思考を次に巡らそう。

勇者、それは人類の脅威に立ち向かう者に贈られる称号であり現代で言う所の職業の1つでしかない。

しかし勘違いしてはいけない。

ゲーム的な奴では無く、勇者は任命されれば増えるので人間の国なんかでは、(ひと)国家(こっか)に複数人いた事もあった。

それでもレア職業。

そうそう成れるモノではないけど。


 まぁ、今の時代も必ずも同じなのかは知らないけど。

そこからすると父クリスはエルフの母と結ばれてる事からも政治絡み関係無く好き合い、実力もあって勇者なのだろう。

そう考えるとエルフの母に認められてる感じだったし戦闘面でも強いのは確定なんだし。

じゃないとエルフと結婚出来なさそうだしな。

父クリスは何かしらの偉業を果たしたんだろうな~


 お!?

やべ……………ウゲぇ!

うんち出た。

パフェア呼ばなきゃ。

うん、ってか体は、うんちの感触を肌で感じて、それと同時に驚いたりで泣いてる。

驚きの真相その3!

やべぇぜ!うんちだぜ!!

おい、パピコ暴れるな。

こいつ、臭い嗅いでイヤな顔しやがった!!

くそぅ、キズ付くだろがッ!


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