1話 12月/0歳 召喚と転生
今回(この物語に)は吸血鬼出てきません……………多分……。
その代わり?なのかエルフが出てきます。
いっぱいでる、ドバドバ出る!!
↓別作品<Zaä Vivor>元ゾンビの魔王はヴァンパイアである( ´゜д゜`)エー side:Erufu①
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↓短編 一匹エルフの気まま自適生活
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両作品を読めば今作品が更に楽しめるかも?
2025年1/7微妙の加筆を行いました。
活動報告エルフレガシー2の内容通り、以降のエピソードも加筆や修正をおこなって行きます。
2025年6月21日、加筆修正しました。
あれ?ついさっきまで夜の街中にいたはずなのに?
この殺風景な空間は………………!?
水に落ちるように影に沈み溺れた。
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◆
爆破の風圧に顔を腕で隠す。
外の景色が崩れた壁から広がり魔の城の最上階ちかくにイカズチが落ちる。
土煙と魔力粒子が飛び交う最中、俺は奴の完全拘束に、やっと成功する。
「今だ!
奴の動きを止めている間にっ!!
くぅっ、うっ。トドメを!
トドメを早く刺してくれ!!」
俺の声に勇者や聖女、聖拳闘士が、一斉に前に駆け出る。
勇者に関しては俺の肩を蹴って飛び越えて行きやがった。
「そこまでだ、悪魔王!
我が剣技を受けてみよ《正義の超越超聖剣斬》ッ!!!」
アレクの放った攻撃はフロア全体を目映くさせ陰りを消し去って溜めを作っている。
その間にメトロウが聖なる波動の閃線を。
パルメラが燃える拳の連打で吹き飛ばす。
そこにアレクは魔力の剣の斬撃で悪魔王に鮮血を噴き出させる。
両断された悪魔王が壁を撒き散らしながら倒れる。
にても相変わらずアホみてぇーにダッセぇネーミングセンス。
ナルシシスト全快なの見え見え透け透けで性格だけは好かない。
「さっすがアレクシスだよ!
悪魔王を、一撃で殺しちまった!!」
パルメラがアレクを褒めて彼に抱き付く。
確認がまだだろうが戦場で軽率な行動をしないでくれ。
「これで世界に平和が訪れるでしょう」
メトロウが腕の前で手を合わせて、やはりアレクに近づく。
自分が聖職者なの忘れてるだろ、こいつ絶対。
「あったり前だろぅ!!
俺だぞ!
勇者である俺なんだからな、ハッハハハハハハッハッ!!!!
……………ってオイ、何ヘバってんだよ。
何もしてねぇ~だろが!」
思い出したように俺に威張り出しやがって。
何か不都合でも隠そうとしたのか?
「はぁはぁはぁ。
‥‥‥‥無茶ゆうな、俺は悪魔王を拘束して倒す瞬間まで魔力集中してたんだぞ!
うおっ!?」
悪魔王がアレクの攻撃を受けて斬られても尚、俺は魔法を維持し悪魔王の魔力の活性化等を抑えていたため反動や抵抗と色々と同時運用が20以上に膨れ上がり体力的にも魔力的にも限界が訪れてるっていうのに。
玉のような汗を溢し、少しの水溜から立ち上がろうとする俺をアレクが足で上から押さえつけて蹴られてしまい横転する。
「どんな言い訳をするかと思えば。
貴方はこのパーティーで1番の魔力量でしょう?」
メトロウが非難を向けて嗤うと彼女はアレクに回復魔法を施す。
おい、ソイツは無傷だろうが、てめぇ等が後ろで魔法発動まで俺が悪魔王から守るためにどれだけ耐えて攻撃を受けて来たと思ってんだ。
先に俺を治療してくれよ!!
なんて言おう物なら更に罵倒されんだろな。
「そうだぜ!
それにお前は最終決戦に参加してねぇ~んだ生言ってんなよ!!」
笑いながらパルメラは片腕をグルグルすると悪魔王の亡骸をツンツンとしてはアレクの元に戻る。
確かに攻撃こそしてない。
見方によれば、だが。
そうだな。
でもそこに至るまで、お膳立てしてもらっておいて、いや此を行っても意味は無いか。
「っ!
‥‥‥それは分かってる。
でも、こんーーぅがッ、だはぁ!?」
「この期に及んで
分かってんなら戯れ言ほざくなや!
ほれぃ!!」
何とか立ち上がった俺の腹を殴ると|追撃(蹴られ)て、そう言ってはバカにしている視線を毎日ものように躱そうとしているとアレクは何かを俺に投げ付けた。
「何に、ぐあ!?
うわあぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
体が固まる!?
なんだコレ?
嘘だろ。
何がどうなってんだ!!
「ギャハハハハハハハハハハハハハ!!
いい気味だぜ!
これは悪魔王の完全殲滅のためにと秘密裏に授かった王家の切り札だ。
幸いテメェの御蔭で必要なかったが‥‥‥悪いな。
お前には此処で死んでもらうぜ」
「‥‥なぜ‥‥‥?」
ナゼだ!!
俺達は曲がりなりにも仲間じゃないのか?
「何故ぇえ~だぁ?
ってよ。
本気かよ、まだ分からねぇ~のか?
‥‥‥‥お前邪魔なんだよ。
魔力と知識が有るからってよぉ~
こと有る事に偉そうに指示しやがって。
最初に国王から紹介された時から気に入らなかったんだよ。おらぁ!!
はっは!
おらおら!
俺ぁ~勇者なんだよ!
勇者は俺だぞ!
えぇ?
強いのは俺なんだよ!偉いのも俺様だっつうのによ~!
あぁ!?
それによぉ~さっき、早くしてくれって言わなかったか!?
なに命令してんだよ!!!
お前は下!俺が上なんだよ!
分かったか、おらぁ、おらぁ!!
分かったかよ!
これがチカラだぁ!!
俺の勇者の力だぜぇ!
この俺が悪魔王を倒したんだよぉ!!
少し喋り過ぎたな…………。」
そうか、そんな事を思っていたのか。
殴られ切れたクチから血を吐き出す。
それにしても王家の切り札ねぇ~。
国王様から授かったとは思えない。
道理で俺が知らないはずだ。
勇者を取り立てた貴族派か騎士閥、コイツを取立てた大臣親娘辺りが怪しい。
その親子にでも融通して盗ねて来たか。
足が床に、くっついたようになってしまっている。
杖で突っついてもダメか………。
アレクは空の瓶を、これ見よがしに振る。
「……こいつは石に変える。
硬化とは訳が違うぜ。
皮膚だけじゃなく体内も石にしちまう。
魔力抵抗も阻止も再生も阻害する。
対悪魔王用の優れ物なんだよ。
“賢者もどき”の、てめぇにも解除は不可能たぜ!」
あぁだろうな。
進行が、やけに早い。
レジストが間に合わない。
くそ、くそッ!
マジでヤバい!!!
悪魔王との戦闘が長引かず魔力消耗が少なければ、いや言っても仕方ない。
くそ、この魔法もダメかよっ!
「‥‥最初から俺を始末する予定だったって訳か。」
「フン。
これで清々するわ。
同じ後衛職だからって何時も厭らしい目付きが気になっていたから」
なんて理不尽な誤解だ。
貴様のようなイケメンと金持ちにしか媚を売らない聖職者に在るまじきビッチには元々願い下げなんだよ。
自意識過剰な勘違いに文句を言ってやりたかったが残念な事に、もうクチまで石の侵食が伸びていた。
「そうなのかぁ?
なんて奴だぜ。
‥‥‥‥おっとパルゥ、近づくな!
触るなよ?
お前も巻き込まれちまうぞ!!」
アレクの笑いを堪える蔑む目を睨みながら俺は視界が黒色に染まるのを待っている事しか出来なかった。
「っ!?
マジかよ。
でもコレで、おれ達も英雄だな!!」
「おいおい!
気が早いぜ、っでも確かに凱旋パレードに民達の羨望!
考えただけでも逸る!
よぉ~し、お前ら帰るぞ!!
じゃあな、あばよ。
お前の分も俺が幸せになっといてやるよ。」
こうして仲間に裏切られ石化として放置されるも自我は消えず思考するだけの生涯は過ごす事になるか内側まで石と成り即座に死ぬ‥‥‥はずだった。
まだ耳が聞こえる。
アレク達は、この部屋から出ようと巨大トビラの方へと歩いているらしい。
最後の、最期にせめてモノ報いと仕返しにエロザル達に取って置きを御見舞いしてやるか。
なんだ、あの捨て台詞は。
ムカつくな~
残り少ない魔力と命を、俺は視線の先に有ったで在ろうはずのモノへと向けた。
「国王に姫様待ってろよ!
この大英雄様の、お帰りだぜぇい!!」
あ~今世も惨めに死ぬだけだったな。
勇者には、ほんっっっっとうにロクな奴がいない。
なんでこう、アクセク気ぃーつかっては結局は最期は1人死ぬんだろうか。
そうだな、どうせ死ぬならスローライフの果ての、のほほーんとしてから自由に死にたかったな~なんて~~。
◆
◆
ドックン!
ドックン!!
ドックン!!!
くはぅあ!?
意識の覚醒と伴に狭く、くぐもっている音、鈍く狭い場所から全身を圧迫され絞られている激痛に急に襲われている感覚に困惑する。
く、苦しい!!
痛い!
死ぬんじゃ無いかって死んだってのに自嘲ながらも光と空気のある場所へと出てきた感覚と冷たさに晒されて空気、空気ぃーーー!
呼吸と空気の美味しさに目眩を覚えそうになる。
ぐっはぁ!
ぷはぁ~息出来た!
ここは何処だ?
目が開けられない!?
違う、開いてるのにボヤけて見えないのか?
ここは何処なんだ?
勇者達とは別の誰かが助けてくれた?
何か声が聞こえる!
なんだ!?
これも何を言っているのか、よく聞き取れない。
それに悲鳴?
さっきから赤ちゃんが、ずっと泣いていて余計に聞こえない。
うお、うわぁぁああああ!?
浮遊感!
怖い!
冷たっ!?
おっ?
今度は、ぬるま湯ぅ~!
何がどうなってるんだ!!
また浮遊感!?
何からにくるまれてる?
タオルを布を巻かれてるのか!
ん、この匂いは?
懐かしくて心地いいのは~
ほへ~肌に触れるのはなんだろな~
なんだが心底安心する。
あ~あぁ~眠たく‥‥‥‥‥いや、ちがう。
この感覚、覚えてるぞ。
思い出した。
俺はコレを1度体験している。
そうか分かったぞ、転生したのか。
そうだ!
俺は又、死んで赤ちゃんに成ったんだ!!
なら今度の就職先は勇者パーティーなんかの、お守りじゃなくスローライフで老後みたいな自堕落な生活がしたい!
それでお願いしま~~~す!!!!
(切実(o´エ`o)b)
◆
◆
倒れ伏した悪魔王の死体の切断部位から漏れた体液や血液の水滴の1つ1つや身体の細部までの全てが逆再生のように巻き戻ると再生され悪魔王は立ち上がる。
「フハッ!
フハッーハッハッハハッハーーーん!!!」
高笑いすると悪魔王は闇のオーラを放出する。
帰ろうしていた勇者達は驚き振り返る。
ゆっくりと開きかけていた二枚扉は重たい音を響かせて侵入者を逃さないかのように急に閉じる。
「なにっ?
まさか何故、生きている!?
何でだ!
確かにこの手で殺したはずだぜ!!」
「愚か者共め、死に絶えるがいい!!
賢者のいない貴様等など虫ケラも同然よぉ!」
悪魔王は手の平から鋭く長くした爪と凄まじい魔力の唯の塊を勇者らに向けると放出する。
勇者パーティーの残り3人は呆気なく声を上げる暇さえ与えられずに斬殺されるのだった。
顔や首、身体の半分や一部だけが見分けを付けされる。
絨毯や大理石の床に血を広げて汚してはバラバラになって残ってしまった死骸と成った死体だった物に興味を失くすと悪魔王は石と化した賢者に目をやる。
悪魔王を、たったの1人の魔法で身動きを封じ、そして同時に幾つもの最終上位魔法を発動操作しては維持、同時展開や準備動作やトラップ系魔法で牽制も忘れずに悪魔王を手こずらせ、なす術無くした張本人へと思考を移す。
黒髪に勇者達と違い質素だが確かな機能性を感じさせる服装らは石色に変わり、見る蔭も無ければ、もう動いてもいない。
触れようと近づいてみると少しずつ崩れ砕けてしまうのではないかと思う程に脆い。
焦って触れようとした指先を戻そうとしてホンの一瞬、優しく撫でた時には遅かった。
賢者は石のまま死んでしまっているのだと悪魔王は悟る。
「名も知らぬ賢者よ、………………。」
悪魔王の静かな慟哭と嘆きを漏らす。
そして振り返り天を仰いだ。
「‥‥また、いや今度こそは、‥‥‥‥しっかりと死合いたいものだ…………。」
血腥い・戦いは今回限りです。
‥‥‥‥‥‥‥いや基本は有りませんので御安心下さい。
以降はギャグや日常回となります。
(予定)
次回は同日の1時間後、24時間続きます。