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恋なんかじゃない。  作者: おたくだが
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元生徒会。


「あれ、おい吉竹はどうした。」

「熱出たらしくて帰りましたー。」


2時間目は科学。先生がよっしーがいないことに気づき、はっしーは答えた。


藤野旭。拍の双子の兄。

兄って言っても拍より勉強も運動もできないししっかりしてないから兄としての威厳がないのが悩み。


「本当に帰ったんだ、よっしー…。」

「サボりだサボり。」

「杉ちゃん相変わらず辛辣だね…。いやでも本当に熱かもよ。放課後お見舞い行く?今日みんな部活もバイトもないし。」

「えー絶対サボりだって。」

「ほら、最近よっしーだるいだるい言ってたし!何かコンビニで買って持っていってあげようよ。」

「旭が行きたいだけでしょ。」

「だ、だってぇ…。」


最近本当にダルそうにいているよっしーを見て内心心配だった。それが早退したんだから心配が増す。


それによっしーがサボりなんて見たことないし何かしらの理由があるはず…。


「旭は心配性だね、いいよ一緒に行こ。」

「創ちゃん…!」

「甘やかすなよー。」

「杉崎には言ってないよ。」

「えーさみしー。泣いちゃうー。」







ピンポーン


放課後、みんなでコンビニでゼリーや栄養ドリンク、よっしーが好きなお菓子を買ってよっしーの家に行った。


家の中から「はーい」という聞き覚えのある声が聞こえてガチャッとドアが開き中からグレーのスウェットを着た眼鏡のお兄さんが出てきた。


「おー揃いも揃ってお見舞いかー?」

「ち、ちひろくんっ!?」

「お、信也じゃん。」

「お久しぶりです。」

「あ、空良もいるじゃん。創太も拍も旭も。」


よっしーのお兄さんのちひろくんだ。


はっしーはちひろくんが大好き。それが恋愛的な意味での好きなのか尊敬の意味で好きなのかは誰もわかっていない。


ちひろくんは大学1年生で元生徒会の副会長をやっていた。


「おっ!みんなおひさー。」

「敬…。」

「松田…先輩…。」

「橋本くんは相変わらず俺にだけ敵対心剝き出しだね。無理に先輩ってつけてるのかわいいねぇ。番犬みたぁい。うけるー。」


そしてこの後ろから来た見た目が怖い人、元生徒会長の松田敬先輩と付き合っている。


「ねぇちひろくんなんでこの人がいるの!?」

「今日は勉強会。おいお前出てくんなって言っただろ。」

「えーだって久しぶりに空に会いたいんだもん。」

「あ、俺すか?」

「どう?新一年生かわいい?」

「生意気っすよ。松田先輩みたい。」

「うわぁ相変わらず生意気ー。いいねー。」


杉ちゃんは一年生の頃から生徒会に所属していて今は会計として働いている。


なぜ杉ちゃんが生徒会に所属することになったかはよく覚えてる。それぐらい衝撃的なことだった。


一年生の頃すごい嫌って言って今年もやってるし三年生なってからは会長なんだよね。もう一人2年生いるのに自ら会長やるって言ってたしなんだかんだ言って真面目なんだよね。


しかも部活も松田先輩と同じ演劇部だし。


「賢ちゃんの見舞いだろ?ほら寒いからあがりな。」

「おじゃましまーす。」

「……。」

「橋本あがんないの?」


玄関で止まっているはっしーに創ちゃんが聞いた。はっしーがそこで止まっている理由は大体みんな察している。


「…はぁ、ちひろー橋本くんが一緒にいたいだって。」

「え?」


うわ強い。松田先輩強すぎる。ここまでやれるともはや清々しい。


みんな思ってても言えないことをさらっと言う松田先輩は流石だなって思う。


はっしーは顔から火が出るくらい顔を赤面させている。そして恥ずかしいのか手を色んな方向に動かして下を向いた。


「は、はぁ!?何勝手に言ってんだよ!いや、ちひろくん!ちが…っ!」

「いいぞ別に。」

「あ、え…っと…。」

「彼氏様に感謝しろよぉ。」


おっけーされてしまったはっしー。


松田先輩は見た目は怖いけど優しい。

金髪でピアスバチバチとか見る人が見たら完璧不良だけど実際は全くそんなことはなく真面目で誠実な人。


ちひろくんはそんな松田先輩に惹かれたのかなって思うときが多々ある。


「橋本くん、俺も混ざっていい?」

「だめに決まってんだろタコ。」


性格がいいか悪いかはまた別の話だけど…。


「はっしー頑張れ!」

「応援してる。」

「まぁ無理だけど。」

「ふぁいとー。」

「おい誰だ!無理とか言ったの!拍か!?」


はっしーとちひろくんと松田先輩以外は揃ってよっしーの部屋に行った。


部屋片付いているといいけど…。友達の部屋に入るだけなのに、何回も来たことがあるのにとてつもなく嫌な予感がする。

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