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第7章 投資家

第7章 投資家


 さて、書き忘れたが、実は、今から15年以上も前に亡くなった私の父の話を、ここでしておきたい。



 亡くなった私の父は、俗に言うシベリア抑留者であって、日本に帰って来たのが昭和23年秋だったと言う。



 父の実家は、俗に言う、三反百姓で、父は次男だったので、田畑も分けて貰えなかったと言っていた。その父が、日本に帰国後、目を付けたのが、俗に言う馬喰ばくろうであって、当時、農作業に必要だった、農耕用の馬の飼育と売買で、何とか糊口をしのいでいたそうな。馬の飼育小屋は、本家(父の実家)の納屋を借りてである。



 で、ある時、北海道まで、夜行列車に乗って馬の買い付けに行った時の事、身なりの非常にしっかりした気品ある人が、汽車に乗ってきたと言う。



 あまりに立派な服装や、高級時計をしているので、相手の職業を聞いたら、「缶詰工場」の社長で、北海道で取れる、魚や蟹缶を製造していると言ったそうな。その会社は、現在でも、テレビCMで見かける、缶詰会社の大手である。



「そんな、工場など、私のような貧乏人には、到底、作れませんよ」と、父は、言ったらしいが、その社長、どう言う訳か、父の日に焼けた苦労している姿に感激したのか、



「いや、確かに、個人で工場を持つとすれば、莫大なお金がかかります。しかし、私の会社は、株式会社です。つまり、工場の資産や儲け、あるいる操業資金を、株券にして発行しているのです。で、その会社の業績が上がれば、株価は上昇するし、儲けが大きければ配当も出るのですよ」



 こうやって、株取引の基本中の基本を教えてくれたそうな。また、現物取引と信用取引の違いも教えてくれたらしい。特に、信用取引で、失敗した人の話は、強烈であったと言う。大概が、自殺で終わっている。



 北海道から帰った来た亡き父は、先ほどの「缶詰工場」の社長の話を元に、株式投資の勉強を開始し、現在で言う、「ドル・コスト平均法」に辿り着き、毎年、少しづつ投資を開始したのだが、朝鮮戦争特需、その後の日本の高度成長経済の波に乗り、既に、馬喰ばくろうを辞めて、普通のサラリーマンをしながら、お金を貯めたと言う。



 これは、今も生きている母から、聞いている。



 ただし、父の資産がどれだけだったかは、ハッキリしない。父は、亡くなる10年前には、株式投資から完全に身を引き、骨董品や有名な画家の絵画の収集を趣味とするようになったが、例の如く、骨董品などは贋作も多く良く紛れていたと聞いている。

 つまり、父の資産は、よくて死亡時、1億円まで落ちていただろう。



 遺産分割時、相続人は、母と、私、次男、三男(例の甥っ子の父親であった)。

 当時の、民法改正前の祖続法や、相続税法では、被相続人の妻が1/2を相続すれば、妻の分の相続税はゼロになるし、相続財産から引かれる起訴控除の金額は、5,000万円+1,000万円×4人(相続人数)=9,000万円は、当該、相続財産から控除される。つまり、私らは、ほとんど相続税を払っていないのだ。

 つまり、それほどの資産家では無くなっていたのだろう。 



 遺産分割協議でも、兄弟3人均等に分割した筈だ。ここにもめる要因も無い。



 何故、急に、このような父の話をしたかと言うと、私の身内に、私を恨んでいる者がいないかとの、疑心暗鬼からであった。



 しかし、兄弟に、キチンと平等に遺産分割をしており、ここで、文句を言う者は、一人もいない筈だ。と、すれば、やはり私の思い込みに過ぎないのであろう。



 何度も言うようだが、ここは、大阪府警に頑張ってもらうしか無いのが、今の所の、正直な話だ。



 さて、今の父の話を聞かれれば、遺産相続でもめた事も無い以上、この私に、個人的な恨みを、もし、持っている人間がいるとすれば、結局;『関西推理』の同人しかあり得無い事になるのだが……。



 しかし、既に20年以上も前に脱会した同人誌だったし、そもそも、その同人誌に載った作品も、たった1作品のみである。これでは、恨みの受けようが無いのだ。



 では、大阪の「万博記念公園」の幼児の白骨事件は、この私とは、一切の関係の無い人間の、シリアル・キラー(猟奇的殺人犯)の犯行なのであろうか?



 そう思いたいのは、山々なのだが、最大の問題は、何故、幼児の死体をグツグツ煮る必要があったのか?



 私は、「小説家になろう」で、『地獄の披露宴』や『人喰村伝説殺人事件』等の、推理小説モドキの作品をUPしている。



 ところで、この私が、人肉食に興味があるのは、かって、職場の先輩が、北陸地方のある村に、かって「○○村」と言うのがあって、



「こりゃ、酷い村もあったもんだ。食べるものが無くて、○○を喰っていたのか!」と言う言葉が、ヒントになっている。



 その先輩の言ったように、○○まで食べていかなければ生きていけないような村なら、積雪数メートルを超えるような大雪の日、道に迷った旅人を宿に止めて、その人間を叩き殺して、喰っていた村も、あながち無い存在しない事も無いだろう、というのがこれらの小説の発想の原点なのだ。



 くれぐれも、私が、人肉を食べたい訳では無い。……ここのところは、間違え無いでほしい。それと、江戸川乱歩全集全30巻を、高校3年の夏休みに、全巻読破したのも、大きな影響があるのであろうが。

 ちなみに、江戸川乱歩氏の小説には、人喰い物の小説は、無かった筈だ。



 では、ここで、大きな判断を、私も、読者の皆さんも迫られる事になる。



 要点は、ただ一つ、



 例の「万博記念公園」での幼児殺害の真犯人は、この私の駄作に何らかの影響を受けた人物なのか、

 それとも全く何の接点も無い、シリアル・キラー(猟奇的殺人犯)であるかだ。



 この私の例の小説の話等は、警視庁サイバー犯罪対策課には、こちらから通報はしたが、例のユーチューブ画像は、インチキあるいはトリック画像として、既に処理されている。だから、警視庁から、大阪府警へは、多分、何の連絡も行っていないのだ。



 現に、大阪府警から電話一つかかってこないのだから、大阪府警は、この私と、例の幼児の白骨事件とは、一切、関係が無いと思っている」えあしい。



 私個人は、単なるシリアル・キラー(猟奇的殺人犯)が、犯人であって欲しいのは無論なのだが、どうにも、腹の中では、何らかの影響を、受けた人間がいるような気がしてならないのだが。



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