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旅立ち

「おばあちゃん、おはよう。」


「おはよう、聖菜、早く支度しなさいよ、

又、ご飯食べれ無いよ。」


「は~い。」

と言いながら、今日も髪のセットに悪戦苦闘。


「おばあちゃん時間が無いよ~」


「そう思って、小さいおにぎり作ったから

一つ口に入れなさい、聖菜、今日もその頭で

行くの?」


「もちろん!行ってきま~す。」


「お待たせ~」


理加と真奈が

「ほら、やっぱり!巻いてる!」

(笑)


3人は

「残るは幸子だね?」


「お待たせ~」


「うわ~グレードアップしてる!」


「みんなの期待に、応えてね!」

と幸子。


「何がよ~それで本当に行くの?」


「そうだよ!」


「あちゃ~しょうがない無いね!

行こう!」

と学校へ向かう。

すると3人が


「それより、聖菜どうなった?」


「うん、1度だけ、お父さんに会いに

行く様になった。」


「そっか~」


「気をしっかりね!」


「ありがとう。」


校門前に近付く4人。

「ヤバイよ!」


「ヤバイよ!」


「出川哲朗か!」


理加が

「生活指導の先生が、立っててるよ!」


「本当だ!」


真奈が

「聖菜、幸子、早く取らないと!」


慌てて取る、聖菜と幸子だが先生には

見付かっていた。

4人は、何食わぬ顔で

「おはようございます。」


すると先生が

「お前達、先生に見えて無いと思って

るのか?巻いてた物を出せ!」

しぶしぶ渡す二人。


「こんなの巻いて、歩くの恥ずかしい

だろうが!オシャレは心からだ、これは

没収な!」


「先生には分からないけど、髪は女の

い・の・ちなんだから!」


「なに~!」

先生は、ハゲていた。

落ち込む、二人。

理加と真奈が笑ってる。


聖菜と幸子が

「何が、おかしいの?」


「確かに、あの格好で歩くのは恥ずかしい

なと思って。」


「まぁ、いいか~」

と聖菜と幸子。

教室に入る4人。


男子達が

「お前達、何かしたの?」


「先生に捕まってたじゃん!」

次々と言い寄って来る。


「別に。」

と、誤魔化す4人。

ホームルームが始まって、担任が入って

来ると、手にブラシとカーラーを持って

いた。


「谷田聖菜、森山幸子!」

と呼ばれる。


「こんな物、して来るな!分かったか!」


「先生、何もみんなの前で言わなくても。」

と聖菜。


「本当に、デリカシーの無い男だわ!」

と幸子。

すると先生が

「デリカシーの無いのは、どっちだ!」


クラス中、大爆笑。

叉も、落ち込む二人なのだ。

楽しい毎日を、過ごす聖菜。


家に帰るとおばあちゃんが

「聖菜、明日学校休みだから、お母さんと

3人でお見舞いに行くからね!」


「うん、分かった。」


聖菜は3人に、電話で報告した。

翌日

お父さんの病院へ向かう3人。

面会は2時間程で、帰って来た。

お父さんの変わり果てた姿に、涙する

聖菜。


家に着くとお母さんが

「聖菜、お母さんは、もう行かないから!」

黙って聞く、聖菜とおばあちゃん。


聖菜は心の中で

(誰も見る人が、居ないなら私が

学校を休んで看病しよう!)

そう決めていた。


お母さんの言葉を聞いて聖菜は

「お母さん、おばあちゃん私が

看病に行きます。学校は休みます。

私に、とっては、たった一人の

お父さんだから、行かせて下さい。」


「ふ~聖菜が、そう言うなら、止めても

無駄でしょ?学校と向こうの親戚の

おばさんに、お母さんが連絡しとくから!

でも看病の間だけだよ!必ず帰って

来るんだよ!」


「うん、分かった、ありがとう。」

この聖菜の決断が、運命の出逢いに

なるとは誰も、分からなかった。


翌日

「行ってきます。」


おばあちゃんが、心配そうに

「行ってらっしゃい。」


「おはよう。」

と元気に挨拶する聖菜。

理加と真奈は、心配そうに

「おはよう。」

と返して来た。


「あれ?幸子、又遅いね!」


すると理加が

「あっ、来た、来た!又巻いてるね~」

3人で、大爆笑。


みんなが、揃ったので聖菜は

「私、しばらく休学して、お父さんの

看病する事に決めたから!」


3人が

「えっ!」


「たった一人の、父親だから後悔

しない様に診てくる!」


「聖菜が、そう決めたんなら、私達は

応援するよ!」

と言ってくれた。


幸子は

「何で私達、携帯持たせて貰って

無いんだろう?」


理加と真奈は

「日頃の行いだよ!」


(ごもっとも!)

と聖菜は思った。


「え~でも聖菜と連絡が取れない!」

と、駄々をこねる幸子を、なだめて

学校に行った。


学校に着くと聖菜は先生に呼ばれた。

「大変だな?でも受験も有るし

向こうの、親戚の家から近い所の

学校に、その間通え。先生からも

調べて連絡しておくから!」


「ありがとうございます!」


それからは準備に追われ、バタバタで

お父さんの所に行く日がやって来た。


お母さんも、おばあちゃんも

涙ぐんで

「身体、気を付けてね!」


「うん、ありがとう!」


「聖菜、お父さんの看病の間だけだよ

何か有ったら、直ぐに帰って来るんだよ

約束、忘れない様にね!」


「うん!」

そして駅に着くと理加、真奈、幸子が

待っていた。


「もう~」

聖菜は嬉しくて号泣した。

3人も号泣しながら

「頑張って!」


「向こうに着いたら、住所教えてね

手紙書くから!」


「うん、分かった!ありがとう、

行ってきます!」

最後は笑顔で、出発した聖菜。




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