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決断!

何と無く、時間が過ぎ、放課後

帰る時に杉村先生に、会った。

先生は開口一番


「石に、しがみ付いても帰るなよ!」

そう言って、自分の受持ちの3年生の

教室に入って、行った。


(どうして、知ってるんだろう?

ダッシュだ!

帰るなと、言われても約束だし

私の家でも、無いしな~)

聖菜は、トボトボと哲治の家に

帰った。

外を眺める、癖の有る聖菜は哲治の

家の窓から、外を眺めている。


「聖菜、帰るのか?」

哲治が聞いて来た。


「今、迷ってる、あんまり居ると

おばさんにも、迷惑掛けるし。」


「そんなの、気にするな!

聖菜の気持ちが大事だろう?」

何時も、お調子者の哲治が、真剣な

顔で言って来た。


「ありがとう、良く考えるね。」

その時、哲治の家の電話が、鳴った。


「もしもし。」

哲治が出た。


「聖菜、友達から電話だぞ。」


(誰?)


「もしもし?」


「聖菜~」

幸子、真奈、理加の3人からだ。


「よく、電話番号が分かったね?」


「聖菜のお母さんに、頼まれて

聖菜が帰って来ないんじゃ、無いかって

みんなで説得してって、言われて

とりあえず、電話してみたんだよ!

私達は聖菜の、気持ち分かってるから

今、悩んでるんでしょう?」


「うん、どうしたら、いいのか

全然、分からない。」


「その後、あの先生は?」


「大事にしてくれる、でも言葉で

何か言われた、訳じゃ無いから

何処まで、信じれば良いのか

分からないんだけど、離れたく無い

気持ちが出た強くて。」


「じゃあ、期間を決めて、残れば?

もう6月だし、1学期だけとか

後は、どんなに気持ちが、有っても

おばさんとの、約束守らないと!

その間に、沢山、思い出を作って

帰っておいで!」


「そうだね!そうする、お母さんに

1学期の間だけ、お願いしてみる!」


「私達も、それとなく、おばさんに

言っとくから、任せなさい!」


「何時も、ありがとう!みんな

大好き!」


「ありゃ~あの先生よりも?」


「もう、意地悪~」


「ハハハ~ハハハ~」


「でも、本当にありがとう!」


「言ったでしょう?私達は何時も

聖菜の見方だって!健闘を祈る!

又、連絡するね、がんばれ~」


「うん、じゃあね!」


(私は沢山の人に、支えられて

生きて居る、みんなの言う様に

1学期だけ残って、沢山思い出を

作ろう。)


「もしもし、お母さん?」

聖菜は、お母さんに言って、1学期

だけ、残れる様になった。


「おばさん、1学期の間だけ、ここに

居させて下さい!」


「聖菜ちゃん、気を使わなくて、いいよ

お母さんが、ちゃんと仕送りして

くれてるから。」


(お母さん、そんな事一言も言わずに

ありがとう、お母さん。)


「哲治、1学期だけ、こっちに

残るから、よろしくね。」


「おう、任せとけ!」

又、何時もの哲治だ。


(後、1ヶ月ちょっとで何が

出来るだろう?明日、学校に

行ったら、担任だから、ダッシュに

言って、杉村先生に言おう!)


翌日


「哲治、起きて!」


「お?聖菜、早いじゃん。」


「うん!早く用意して、行こう!」


「おう!」

学校に着いた、二人。


「じゃあ私、先生に残る事を言って

来る!」


「先に教室、行っとくからな!」


「うん。」

職員室の戸を、ノックして開けた。

先生達が、振り返る。

杉村先生と、目が合った。

ニコッと微笑んで、軽くお辞儀を

する。


「六車先生、ちょっとお話が」


「お?そっちに行った方が、いいか?」


「はい。」

外に出て来てくれた。


「私、1学期だけ残ります!

学校に、お母さんから電話が

有ると思います。」


「そうか!1学期だけか~後

1ヶ月ちょっとだな?」


「はい。」


「やっぱり、杉村先生の側に

居たいか?」


「出来れば、ずっと居たいです!

でも私は、まだ子供なんで

これ以上の無理は、通りません。

これが精一杯の、私の気持ちです!」


「その間、どうする?今のままで

居るのか?」


「歳が違うんで、杉村先生にとっては

私は子供です!ただ色んな思い出が

残せたら、それで充分です!」


(こういう所が谷田は、いいんだよ!

可愛いい、杉村先生の気持ちが

分かるよ!)


「まんざらでも無いぞ!」



「はい?」


「あっ、いや、協力するからな!

そうだ、お前達、今日、夕飯を

作りに来いよ!先生達は何時も

学校で自炊してるから、そしたら

少しでも一緒に、居れるだろう?」


「いいんですか?他の子達に声を

掛けて、夕方来ます!」

そして、国語の授業が終わって

何か言いたそうな、杉村だが

黙って、教室を出る。

それを、聖菜は追い掛けた。


「先生!」


「聖菜!」


「私、1学期だけ残ります!」


「1学期だけか?」


「はい、これが精一杯です!」


「頑張ったな!今度、何か食べに

行こう、考えとけよ!」

と言って、頭をポンポンと、して

くれた。

聖菜は、嬉しくて自分で自分の頭を

何度も、ポンポンとした。

そして、女子に、今日の夕方の事を

相談した。


「いいよ、聖菜の思い出作りに

協力するよ!」

と、みんなが応援してくれた。


そして夕方。


「じゃあ、おかずを作る人とご飯を

炊く人に、分かれよう。」

聖菜は、ご飯を炊く方になった。

お米を、洗って居ると賢一先生が

やって来た。


「あれ?何してるの?」


「今日、私達が夕飯を作るん

です!」

と聖菜達が、答えると

上機嫌で牛丼の、歌を歌い出した。

さすが、関西人。

そうして、賢一先生が、ちょっかいを

出している時に、タイミング悪く

杉村先生が来る。


「杉村先生、今日は谷田達が夕飯を

作ってくれる、そうですよ!」


「あっ、そうなんだ。」

と、行ってしまった。

目で追い掛ける、聖菜。


「何か、機嫌悪かったね?聖菜

大丈夫?」


「う~ん、どうしたんだろう?」

気になりながら、ご飯の用意を

する。



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