人は何年、同じ人を思い続ける事が出来るのでしょうか!
最初は普通の、中学生の日常から
入ります。
読んで行く内に、それぞれの
心の葛藤を有ったり、ほっこり
したりと色々な展開が有ります。
1話ごとは短めに設定してます。
是非、最後迄、読んでみて下さいね!
古い写真を整理している、聖菜。
「ねえ、ねえ友春さん見て、これ。
20年前のツーショットの写真だよ!」
「懐かしいな~」
聖菜は20年前を、思い出す。
谷田聖菜は、今日から中学2年生に、なります。
(みんなと同じクラスかな?担任は誰だろう?)
と、胸を弾ませながら、髪の毛をセットする。
「聖菜、ご飯だよ、時間がなくなるよ!」
「分かってるけど、髪の毛が先、待って!」
と、聖菜。
「あ~もう時間が無い、少しだけ食べるね。」
慌てて食べる、聖菜に
「聖菜、その頭は何?」
「あ~これ?時間が無いから、ブラシ巻いて
セットしてるの、このまま、みんなとの
待ち合わせ場所迄、行くよ。」
「まぁ、みっとも無い、女の子が。」
呆れ果てる、おばあちゃんを他所に聖菜は
元気よく
「行ってきま~す。」
と、家を出て行った。
「やれ、やれ、この先どうなるやら?」
苦笑いの、おばあちゃん。
「お待たせ~」
あいさつする聖菜に、友達の真奈と理加は
「どうしたの?その頭は?」
「あ~これ、時間が無いからセットの途中。
それより幸子は、まだ?」
「うん、もう来ると思うけど、あっ、来た。」
一同あ然。
幸子は前髪に、カーラーを巻いていた。
「聖菜より、まだヒドイね!」
「うん、あれは凄いな!」
「お待たせ~」
「幸子その頭?」
「セット、セット。」
みんなで笑いながら、学校へ向かった。
「さすがに、校門の前では取らないとね!」
「そだね~」
「ロコソラーレ(カーリング)か!」
「早く、クラス見に行こう!」
「うん。」
「やった~4人、一緒だね。」
「うん、楽しい学校生活になるね!」
「後は担任だね?」
教室に入った4人。
見慣れた顔ばかりで、何の変りも無い。
元々2クラスしか無いから、変わらなかった。
担任が入って来た。
いっせいに
「え~っ!」
と、悲鳴に近い声が、飛ぶ。
「なんだ?」
先生が聞いて来た。
「去年と一緒じゃん。」
「いいじゃ無いか、今年も1年仲良く
やろう!」
誰も返事をしない。
「先生は、寂しいよ!」
「あ~分かった、分かった。」
と生徒達。
こうして、聖菜の2年生の生活が始まった。
今日は始業式だったので、早めの帰宅。
「ねぇ、1度帰って、ご飯食べに行こうよ!」
「そだね~」
「幸子、あんた、そだね~好きだね!」
と理加が突っ込む。
「ハハハハ。」
みんなの笑い声。
何をしても、言っても楽しくて、しょうがない
聖菜達だった。
「ただいま~」
「お帰り、どうだった、学校は?」
と、おばあちゃん。
「うん、みんなと同じクラスでラッキー
今から、ご飯食べに行くからね?」
「あら、おばあちゃん作ったのに!」
「ごめん、夜しっかり食べるから!
とりあえず着替えて、用意するね!」
その時、家の電話が鳴った。
おばあちゃんが出ると、声を詰まらせて
いるのが分かった。
聖菜に代われと言うので、電話に出る聖菜。
出ると兄の健一だった。
「どうしたの?」
「お父さんが、肺がんの末期で誰か
看病する人がいるんやけど、俺も
仕事は休め無いから、考えて欲しい。」
「えっ!」
それ以上、聖菜は言葉が出なかった。
おばあちゃんが又、電話に出る。
「お母さんに話して、1度会いに行く
様にするからね!」
そう言って、電話を切った。
聖菜の心は揺れ動いていた。
聖菜の両親は、聖菜が小学校6年生の時に
離婚していた。
(誰が見るんだろう?お父さんは、どんな
状態なんだろう?)
涙が溢れて来た。
おばあちゃんが
「聖菜、辛いだろうけど、1度お母さんに
話するから、それから決めよう!友達と
ご飯行くんでしょ?早く支度しなさい。」
「うん。」
何とか支度をして、みんなの所に行った。
「お待たせ。」
幸子が
「聖菜、遅い!」
「ごめん。」
真奈、理加、幸子の3人が、いっせいに
「何か、あった?」
「何にも無いよ!」
「うそ!長年の付き合いだから、顔を
見たら分かるよ!」
聖菜達の住む所は、田舎で4人は保育園
の時から一緒だった。
「ご飯食べながら、話するよ、行こう。」
聖菜が言うと、みんな不安そうに歩き出す。
お店に着いて、注文をして一呼吸、置いて
聖菜が話を、しだした。
「さっき、お兄ちゃんから電話が有って
お父さんが、肺がんの末期だから誰か
看病する人が、要るから考えて欲しいって!
急過ぎて、驚いてる!」
幸子が
「それで、どうするの?」
理加は
「聖菜が見なくちゃ、いけないの?」
真奈は
「聖菜は中学2年生だよ!来年は受験も
あるのに無理だよ!」
「うん、おばあちゃんが1度、お母さんに
話して会いに行くみたい、それからだね!」
3人が
「そっか~」
聖菜が
「さぁ、食べよう!どうにかなるよ!」
健気に笑って見せる。
「じゃあ又、明日!」
理加と真奈が
「聖菜、幸子、明日は何にも巻いて来る
なよ!」
聖菜と幸子は
「O.K.」
「怪しいな~」
「じゃあね!」
聖菜は、重い足取りで家に帰る。
(きっと、おばあちゃん、もうお母さんに
話してるよな、どうなったかな?)
「ただいま。」
「お帰り。」
おばあちゃんと、お母さんの声がした。
「聖菜、1度だけ会いに行くから、でも
本当に1度だけやから。」
「うん、分かった。」
(とりあえず、お父さんに会える。)
聖菜は、その夜、あまり寝れ無いまま
朝を向かえる。
又、感想等を聞かせて下さい。
今後に活かせて行きたいと
思います!