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茶うさぎから白うさぎへの手紙 2022  作者: メラニー
4月
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94 ペットサイズ

 こんにちは。


 先日テレビでカジキマグロを釣っている映像を見たのですが。

 上あご長くもりの様に進化した大きな魚です。


 釣られたカジキが、釣り上げられて甲板に放り出され、血を流しながら最後のあがきをしている姿を見て、その大きさと鮮やかな赤に人は命を頂いて生きているんだなぁ、と心が痛んだのです。


 あ。私はベジタリアンでも何でもないですよ。マグロ、大好きです。

 それとこれとは別の話。別の話だけれど、ちゃんと命を頂いて有り難いと感謝しながら食べます。


 なぜ心が痛んだかというと、昔に聞いたある事を思い出したのです。

 私の知り合いが、お歳暮だかお中元だかで伊勢海老を貰った話。

 頂いたのはいいけれど急にやって来たので、伊勢海老を食卓に乗せるようなタイミングでもなく、調理方法も分からないし、何に調理して食べるとみんなが納得するかとか、とにかく届いた伊勢海老をそのままで保留にしたそうで。

 そして名前を付けてしまったそうなんです。付けたというか、自然に「あの伊勢海老」という会話から派生して付いたみたいですが。いや、付いたというか、付く手前で「名前を付けたら情が移って食べられなくなる!」と付けない方向に舵を切ったのだけれど、自然の流れで口にしていた呼び名は、結局名前なわけで。

 付けるつもりも無かった名前を冠した伊勢海老。しかも、そこそこの大きさでハムスターやインコよりも大きな体を持つ生き物。ペット感がすごく沸く大きさらしいです、伊勢海老。

 食材だという気持ちに切り替えるのに、苦労したという話でした。

 昆虫や両生類や小魚にだって、一緒に暮らしたり名前を付けたら情が移るものなのに、ある程度の大きさがあると、そりゃ、かなりの情が沸きますよね……。それが人の大きさに近いとなると、輪をかけて考えなくていい事を考えてしまう。


 暴れるカジキを見て、成人男性ほどの身長……この子も海の中で色んなことを日々考えて感じて生きて来て、今捕まってしまったんだなぁって思ったのです。

 あぁ、ここで捕まらなければこの先も大海原で生きて行けたのにな、と。

 

 まぁそんな事を思いながらも、別の話。

 カジキのおいしさを説明する場面で、私はある物語をずっと思い返していました。

 美味しんぼの「カジキの真価」という回なのですが。

 カジキが好きだいうと貧乏だから美味しさを知らないと馬鹿にされ、旬のマカジキを食べさせて改心させるという回だったのですが、まさにそのマカジキだなぁって。


 ……人の脳とは忙しい物ですね。


 

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