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茶うさぎから白うさぎへの手紙 2022  作者: メラニー
1月
5/365

5 絶対

 こんにちは。


 私はコザクラインコを飼っているのですが。

 それはそれは、もう目に入れても痛くないほど、かわいいかわいい私の子供です。


 過去最大で7羽くらいいただろうか?

 今は2羽です。

 男の子と女の子。どちらもかなり高齢になって来た。特に男の子はもう人間だと100才くらいなんじゃないか?と思うくらい。


 毎日夜に放鳥をします。

 昔は飛び回って悪さばかりしていたのに、今はもう2羽とも飛べず、女の子はまだ紙を細く噛んで遊んだりもするのですが、男の子方は私の手に包まれて寝るというのが日課です。

 

 カゴの外で餌を少し食べて、お茶を飲ませてもらって、手のひらで寝て、私がせっかく外に出ているのだから少しくらいは遊んだら?と言って紙で遊ばせて、寝て……という事を1時間でします。


 おててお布団は女の子と交代。ヤキモチがすごくて、順番待ちが大変です。

 実力行使!とばかりに、私の爪を剥ごうとしてきたりします(笑)

 

 もう本当にかわいくて、彼らの吐く息を全部吸っていたい、それくらいの変態度で愛しています。


 その男の子を今日、事故で家族が踏んでしまったのです。


 最後まで踏み込まなかったらしいのですが、壊れたおもちゃのように転がって、羽根が大量にもげて舞い上がって。

 すぐに抱き上げたら、ショックで呆然としていました。

 幸い、足には異常が無いようで、私の指をぎゅっとつかんでいました。

 動悸ははげしく、通常程度に落ち着くまでは放鳥の時間内には至りませんでした。

 他の骨や内臓の事は、隠すと思うのでわかりません。糞は血が混じったりはしていなかったですが。


 彼らは隠すから元気なフリをするので本当のところが分からない。


 もうそれから心配で心配で、何も手に付かず……

 心がずっとざわざわしている。

 

 いつもの様にケージに入れ、布をかぶせて寝かせているのですが。

 

 事故後、私が抱き上げてしばらくは、大丈夫だよ~と言いながら抱っこをしていたのですが、やはり床を怖がって最終的には、なんだか私も怖がられてしまったような気がします……大声を上げてしまったからか、同じ人間のくくりでカテゴライズされてしまっ たのか……

 もうそれもショックでショックで……


 どうしたらいいんでしょうね。

 こういう時。

 小さな命とコミュニケーションをとる難しさを感じます。

 全幅の信頼を寄せられているというのに、信頼に応えきれないという、裏切ってしまったという事実。


 とにかく明日も同じ朝が迎えられますように。

 明日と言わず、この先ずっと永遠に。

 

 残酷な私は「時々インコにどこにもいかないで」と言ってしまう。

 どこまでその言葉の意味を理解しているのか、分からないけれど、ちゃんと聞いている。

 

 置いて行かれる者が苦しいのと同じように、置いて行く者も苦しいと知っているのに。


 あぁ神さま。いくらなんでも突然はひどすぎますからね。

 絶対ですよ。



 

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