341 あさと
こんにちは。
お針子のはずが、なぜかアクリル絵の具で木箱を塗りまくっていて、これを書き始めるのがまた遅くなってしまった……。集中している作業を中断するって、やりたくない作業を始めるよりも難しい事のような気がします。
ところで。以前、話題にあげていた、沖縄に行ったら必ず行っていたおでん屋さんが急に閉店された話の続報ですが、内地でも一日遅れで流れました。店主の女将さんは、娘夫婦に殺害されたそうで……。
閉店の速報では、詳細が書かれていない、というよりは、細かい事を濁されているような状況しか把握できなくて。その記事を書いた方も警察の発表やら近所の方の情報を纏めていらっしゃっただろうし、今回の顛末を聞いて納得しました。そりゃ捜査中だから、何も情報を出せないよなぁ~と。そして後を継ぐ側の人間が殺したのだったら、店は存続出来ないはずだよなぁ、と。
娘が店の営業に関わっていなくても、店の従業員さんは居たので営業自体は続ける気があれば出来たはず。閉店したという張り紙もそっけなかったし。
私は沖縄(本島)に行くと、このお店に行きたいから必ず安里に宿をとっていました。安里に宿を置いたのは、本当にこのお店の為です。食べ終わったら、歩いてホテルまで戻ったらすぐ寝たいから。そうじゃなかったら、海が見えるホテルに泊まりたいもの。
あーちゃんと初めてそのお店行った時、冬なのに五本指の靴下を履いてまで島草履を使っている私たちに「うちなんちゅでも、そんなことしないよ」と呆れながら笑ってくれた。焼きてびちも、大きいけど大丈夫?と言いながら結局作ってくれた。大根はもちろん、青菜をさっとおでん出汁で煮たのも美味しかったなぁ。内地から来た観光客も受けいれてくれる、本当に温かいお店でした。
温かいお店過ぎて、埼玉のカップルに捕まってカラオケに連れていかれた事もあったなぁ(笑)あの店の、打ち解ける雰囲気が成せる業です。
あの店の人たちに、そして女将さんに触れたことが有るから、今回の事は、非常に辛いです。どうあっても、人が人の命を奪うというハードルを越える事はまず無い。それを越えてしまうのは……しかも自分の親。殺人の上位は相手が親族だと言うけれど、近い存在過ぎて一つの命がこの世から無くなってしまう事の重大さが分からなくなるのだろうか?
もっと女将さんのおでんが食べたかったお客さんはいっぱいいただろう。女将さんに会いにお店に行っていた人もいっぱいいただろう。遠く離れた内地にだっているんだから。
なんで人が人を殺す事態になるんだろうなぁ……戦争でもないのに。いや、戦争でもいけない。そして、いたずらに動物や虫を殺す事もいけない。命は戻らない。子供の頃はその「戻らない」感覚が分からなかったけれど……もうこれ以上知りたくないくらいに知っている。
この先もずっと、安里にさえ行けば、あのおでんが食べられると信じて疑わなかったのになぁ。……なんだろう、当たり前が揺らぐ感覚。当たり前が当たり前じゃないんだと、頭では分かっているのに、分かっていないと頭を殴られて初めて、分かっていなかった事に気づかされる感覚。
そんな事、今回のこと以外でも周りにありふれているんだろう。今の平和だって当たり前じゃない。明日余命半年だと宣告を受けるかもしれない。事故に遭って明日も迎えられないかもしれない。
有り難いいろんな事を、言葉通り「有り難い事」なんだと、噛みしめて感謝しながら生きないといけないですね。どうしても幸せに麻痺してしまいがちですが。
ワールドカップで世界が湧き上がる最中でも、あの国は戦争を続けている。その影響による世界的な物価高でご飯が食べられない状況の貧しい国の子もいる。
そう言う事を忘れてはいけない。
あーあ。沖縄行きたいな。きっと、手を合わせにあの場所へ行くと思う。




