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茶うさぎから白うさぎへの手紙 2022  作者: メラニー
11月
334/365

334 冬支度の幻

 こんにちは。


 11月も今日で終わる。天気予報では月が替わると一気に冬の空気に入れ替わると言っていた。


 うちのインコはかなりの高齢で。今残っている子は来年の春で14歳になる。私が飼っているインコはアフリカのインコなのでもちろん寒さに弱い(暑さにも弱いけれど)。寒さは大敵なので冬は神経を使う季節です。


 少し前に、板状の止り木を買ってきていた。もともとは小動物用だから鳥用という事でも無く、ハムスターとか小動物が段差のある場所でくつろぐための物です。歳を取ると体調によって、止まり木も辛い時があるので用意しました。本当は小鳥用の吊るすタイプのテントが良いのだけど、うちの子は怖がって入ってくれないのと、巣をイメージして発情しても体力を消耗するので。その板を爪が引っかかりにくそうなボア素材で包んで冬用に仕上げ、体が冷えないように加工しました。


 それを今晩からケージに設置。小動物用の電球ストーブも今日から。

 電球ストーブは、ケージの外側に引っ掛けるのだけれど、寝かす時に布をかぶせてストーブと接触してしまったら危ない。なのでケージの隣に、四月に亡くなった子が使っていたケージを並べて、間にストーブです。これがいつもの冬のスタイル。ずっと冬はこうやって暖を取ってきました。

 とは言っても亡くなった子のケージは、終う事が出来ずにずっと置いてあったのです。片づけないといけないなぁとは思ってはいても、なかなか実行できない。だから、ずっと定位置にケージは存在したのです……が。


 今日の夜の放鳥中に、止り木もストーブも設置をしました。放鳥が終わるとオヤスミの時間だし、インコがケージに入っている間は私と言えども手を入れると怒るので、出ている間がチャンス。(特に女の子は激おこになります)

 インコが仕上がった冬バージョンのケージを見たのでしょうね。いきなり、ケージとケージの間に入って、空っぽのケージを覗いたり、テーブルの下に行ったり、いつもは絶対に行かないキッチンまで覗きに行くのです。多分、四月に亡くなった子を探しているのでしょう。帰って来たのかな?と思ったのかもしれない。二羽はとても仲が悪く……というか、亡くなった子を今の子が嫌っていたようで、目があえば攻撃をしていたのに。やっぱり、寂しいんでしょうね……


 放鳥も終わり、ケージにインコを戻し、二つ並べたケージに布をかぶせました。いつもはこれで寝てくれるのです。

 でも、いつまでたっても、定期的に呼ぶように鳴くのです。「いるの?……いるの?」と言っているみたいに。

 そのうち諦めて寝るかなぁ?と思っていたけれど、私が作業部屋に行ってもまだその声が聞こえてくるから、もう一度インコを出して、隣の空っぽのケージを見せながらあの子はもういない事、今晩から寒い事、ストーブをつけるのにどうしてもケージを並べないといけなかった事を説明して、もう一度寝かしました。

 それからは泣き声はしていません。


 ケージのどこで寝ているのかは分からないけれど……寂しいだろうなぁ。インコは寂しくて弱ってしまう生き物なんです。大好きな存在と会えなくなるだけで死んでしまう。今は私が彼女の良きる意味になっているけれど、それでも仲間がいるかいないかは、大きな問題なんでしょうね。必死で探していた姿を見て、そこまでだったんだと、初めて知りました。その寂しさを埋められるように、今以上に愛してあげないといけないですね。生き物の一生を預かるという事はそう言う事です。


 あぁ、明日から師走か。一年って本当に早い。あとどれくらいこの子と一緒にいられるだろうか。



 

 


 

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