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茶うさぎから白うさぎへの手紙 2022  作者: メラニー
11月
331/365

331 プレゼント

 こんにちは。


 今年の春に他界した友達のお宅へ行ってきました。今回は関西に住む共通の友達が揃いました。私を入れて4人。

 生前はなかなか会う用事を作る事が出来ず、揃う事は稀だったのに。不思議なものですね。目の前から彼女がいなくなってしまった今の方が、私たちの繋がりが強くなっている気がします。


 先日行ったライブで、彼女が別のルートで繋がっているお友達が持っていた彼女の形見も、仏前に戻っていました。まるであの日にライブ会場に来ていたのが幻であったかのもような「ずっとここにいましたよ」感満載で。

 同じくらいの強さで、今でも彼女がいないことが嘘であるかのような、夢を見ているような、幻のような……。でもやっぱり、彼女のお宅へお邪魔をしてご両親が二人そろって私たちの相手をしてくださるのだから、彼女がもうどこにもいない日常が現実なんですよね、残念ながら。


 恐る恐る気になっている事をご両親に訪ねてみた。代わる代わるにお客さんが訪問されて、おやすみがおやすみじゃなくなってしまっているのではないか?と。はっきりとは言われなかったけれど、毎週のように来客があるのは本当の様で。二人だけだと静かすぎるから、来客があると賑やかでうれしいと言ってくださるだけれど……だからこそ、来客がある日の帰宅後の落差を思って心が痛い。良いと言ってくださっているから、招いてもらえている側が心配する事では無いのかもしれないけれど。


 でもまぁ、今日は友達Oがお母さんとガンガンしゃべって、私たちが頷いて笑って。とても賑やかで楽しい一日になりました。きっと彼女も混ざって、私が作ったぬいぐるみでワイワイやったり、スマホの緊急警報の音の話題では率先して物申したりしていたんだろう。女性ばかりの中、お父さんは1人男性でニコニコしつつ肩身が狭かっただろうな(笑)


 私が10月の最初には仕上げていたハンドメイドのぬいぐるみ。友達Оの書いている物語のオリジナルキャラです。彼女にも見せようと持って行き、友達Оにもやっと渡す事が出来ました。本体と、洋服5着と振袖ひと揃え。小物5点に靴1足。あと作ったアウトフィットの全パターン。

 着物の着付けが分からないと、一度着替えさせてみたりして、やんややんやと。


 これで私の、小物やアウトフィットを作りたい欲を抑え込むことができるので一安心です。

 ああいうものが手元にあるとダメです。だって、あれもこれも物語から飛び出させて、立体化させてみたくなるのだから厄介です。季節の行事も色々ありますからね……それに合わせて、衣装を用意してしまう。

 これはハンドメイド作家の宿命というか、病気です。止めたくても止められないのだから、病気で間違いないでしょう。……もっと早くに引き取って欲しかった← (勝手に作っておいて)


 また別の友達NとGNには、悩みぬいて作った誕生日プレゼントを渡しました。

 作った物は針山。オシャレに言うとピンズクッションです。これ、裁縫しない人には全く必要が無いのだけれど、することになった時に、有ると無いでは作業効率が全く違うのです。

 必要な要素は、ある程度大きく刺す針の種類をエリアによって分けられる物、少し重みがあり針を片手で抜いても針山がくっついてこない物。二人は裁縫をあまりしないだろうから、飾っても面白いものにしたかったので、1人はきのこ好きなので、苔むした地面からキノコのこが生えているデザインで、待ち針をキノコの赤ちゃん(菌糸)っぽく。もう一人は、サボテンの鉢植えにして、待ち針をサボテンの針のようにデザインしました。本当はハムスターが好きなのでネズミ繋がりでハリネズミ(本当はネズミでは無くモグラの仲間)にしようと思ったのですが、調べたら同じコンセプトで市販のものがあるみたいなので、マネになるからやめました。

 多分、喜んでもらえたと思うので、一応は良かったです。まぁこういうものは自己満足の世界ですからね。喜んでもらえていなくても良いのですよ(笑)あとは使ってもらえたら嬉しいのだけど。


 本当は亡くなった友達も今月誕生日で。毎年3人に同じ時期にプレゼントを渡していました。今日も用意しようか最後の最後まで悩んだのですが……彼女の荷物を徐々に減らし、整理していく段階なのに増やすのも迷惑だろうと思って断念。もし作るならなんだっただろうなぁ。サンゴ礁とかかな……。

 それは彼女とは別で、そのうち形にしてみよう。作ろうかどうか悩んでいたから、台座は余っているし。


 それにしても楽しい1日だった。寂しくて、切なくて、どうしようもないけれど、それでも集まって手渡しでプレゼントも渡せて。毎年はなかなか会えないからプレゼントは送ったり、時期外れにあげたりしているから。

 彼女は私たちにこういう時間をプレゼントしてくれたんだなぁと、心底思う。勘違いでもいい。勘違いでもいいから、彼女のことも忘れないように、話せるように、繋がっていたいなぁと思う。



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