表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
茶うさぎから白うさぎへの手紙 2022  作者: メラニー
11月
320/365

320 演歌歌手の一件で思ったこと

 こんにちは。


 政治家になりたて芸能人の宣伝事件ですが。あれは芸能人の感覚で言うと、本気でセーフだと思っていたんでしょうね。身に余る好意と優遇を、見かえりなく受けるのがトップタレントの仕事ですから。出来ないと逆に精神的におかしくなる。職業的に必須のメンタルというか。

 庶民と言ってはちょっとおかしいかもしれないけれど、いわゆる「庶民」とは違う、優遇された年月が長いほど勘違いしやすい。これは渦中の方が「世の中全てのルールをわきまえていない」と言っているのではなく、少なくとも「芸能人から一般人に対する宣伝活動」又は「人より前に出て、違う事をしても許される空気」においては、そうだという事が分かったな、という範囲ですが。


 私はずいぶん昔にCDをリリースしたことがありまして。その時に気を使ってくれた方が、とある地域のお祭りにゲストとして呼んでくれて、歌ったのです。本当に有り難いステージだったのですが、私はどうしてもステージ中に宣伝活動が出来なかった。さらっと知らん顔して「CDを発売しました!買ってください♪」と言えば良かったのだけれど。それがどうしてもできなかった。毎年地域の方々が楽しみにしている行事なのだ。そんなところにホイホイとよそ者が出て行って、宣伝をしまくって帰って来るなんて心が痛んだ。

 きっと私をイベントに呼んでくれた方は、宣伝活動をさせるつもりで呼んでくれたと思うから、言えば良かったんだろう。でもその人の思いとお祭りを楽しんでいる人たちの思いは別だし。

 その人の良かれと思った気持ちも無下に出来ないから、ライブ後に目が合った人にだけフライヤーを手渡しで回った。泣きそうだった。どっちの想いも中途半端にしてしまっている自分に。一対一でフライヤーを渡された人も重たかっただろうなぁ。私はハズレの選択肢ばかり引いていた気がして、本当にみじめで泣きそうだった。


 その後、某うたうたいが国民的バンドのボーカルが主催しているフェスに出演した時のМCで言った言葉を聞いて、私は少しばかり救われた。

 彼女は自分の活動の告知をしたのだけど、その前置きで「人様のライブで宣伝してしまって申し訳ない」と言うような発言をしたのだ。(その後主催者にも謝っていたような……?)その言葉で「私が抱えていたのはその感情だった……言葉が通じる人がいる」と、少しだけ心が晴れた。

 本当は出演ライブで次のライブを告知するのは、バンドなどの活動では当たり前のこと。だから別に告知をしたって良いのだ。しかも観客にとって、ステージ上の知名度が高いスターを見上げている時、一挙手一投足が注目の対象で「見たい物」であるのだから、それもただの告知では無く「立派なショー」として成立している。でも彼女は謝った。あの時はライブだったか、ゴミゼロの運動だった忘れてしまったけれど。


 彼女はラジオ放送局に行っても、ライブ会場に行っても、地元のテレビ局に行っても、母校やダンス教室に行っても、きっと全力で歓迎されるような立場にいるのに、その辺りを勘違いしない人なのだ。でもそうやって、世間の中に身を置いた状態で「タレントで無い自分」を保てる人は珍しいと思う。


 だから今回の事例も、彼は何処に行っても歓迎され、前に出過ぎても許されるのが日常だから仕方ないよね、と思った。日常が違うのだから、当たり前の感覚が違うのだ。

 今回は、今の時点でタレントとして勘違いしていた価値観を浮き彫りにされて、きっと良かったんだと思う。でも次は政治家として勘違いしてしまうかもしれない日常と戦わないといけないんだろう。タレント以上に一般人の目に触れない既得権益があるから。

 今回の一件を、ただの「ちょっとした失敗」とは受けとらず、この先の政治家として生きていく為の戒めとしてとらえてくれたらいいのになぁと思った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ