319 すんっ、となる
こんにちは。
90年代に流行ったもののランキングの紹介番組を見ていて、色々思う所があり反省をしています。
たまごっちもポケベルもルーズソックスもプリクラも、冷ややかな目で見ている少数派でした。
一応、たまごっちは友達がどうしても一緒にしたいと言うので持ってはいましたが……。それなりに世話をしていましたが、縁もゆかりも思い出も無い、どこの馬の骨かわからない上にさほど可愛くないキャラクターに感情移入できず。しかもドット絵が過ぎるし。友達はおやじっちになって喜んでいましたが、良かったね、と言いながら共感はしてあげられなかった。私は何になっただろう……。もう忘れたなぁ。
ルーズソックスも学校が禁止だったこともあるし、トキメキもしないものを校則を破ってリスクを背負ってまで履く気にはならなかった。短いスカートならまだしも、ひざ下丈のスカートではバランスも悪かったし。
ポケベルも、わざわざ「おはよう」とかどうでもいい挨拶をする理由が分からなくて、しょうもない事にお金と時間を使っているなぁ~と思っていた。
私の友達は持っていない子が多くて……というか、持っているのは1人だけだった。他の子は私と同様に興味なし。まぁそういう価値観の子達だったから、六年間も友達でいられたんだろうけれど。でも、ポケベルを持っている子はポケベル仲間が欲しくて、頑張って他のグループの子と番号を交換したりしていなぁ~と思い出す。
学生のポケベルの使い方なんて、基本的には今伝えなくても良い様な事を伝えるくらいの用途。いわば、ただのコミュニケーションツールなのだから、仲間内で使っていなかったら、その時点で使い方として詰んでいる。ちょっとくらいは、興味を持って付き合ってあげたらよかったなぁと、番組を見ながら反省をしていた。
もちろんプリクラもだ。意味あるのか?と今でも思うけれど、もうちょっと興味を持って付き合っていればよかったなぁ。よく「プリクラある?」と交換目的の女子に言われていたし、なんだったら私は交換するプリクラを持っていないけれど、押し付けられたりもした。未だにあの楽しさを理解はできないのだけれど……。それでもプリクラを記念にと、一緒に撮りたいと思う事も多々あっただろうなぁ。
写真は撮っていたんですよ?でも、写りもプリント技術も写真より劣化しているし、そんな粗悪品にお金を払うのもバカバカしくて……(それ。そーゆーところやで、私、)
そういう時代が熱に侵された様な、冷静になると「意味あるのか?」と思ってしまうものの眩い輝きを浴びると「すんっ、」となってしまって心が動かなくなってしまう傾向がある。もちろんファービーもポケモンもドラクエも通ってきてない。この三つは「意味あんの?」とは思っていないけれど。時代の輝きという点では一緒。
こういうものは、それ自体に意味があるのではなく、コミュニケーションツールとして必要なものだったんだろう。かるく集団催眠にかかったくらいの感覚で、熱に侵される事が必要な時があるのだろう。時代の流れに敏感だという事でもあるし、楽しい事なら流れに逆らわないのは、生きやすさの秘訣なんだろう。
実際にポケベルの子もたまごっちの子もプリクラの子も、渋谷系といわれるオシャレポップスにはまったり、洋服のブランドにも詳しかったし、ユーミンさんのライブに行ったり、スノボをしたりしていたしなぁ。アンテナが働いている子達だったんだろう。
私はそういう時間をアニメ関係と演劇と歌と編み物や洋裁に費やしていた気がする。どれもすごく狭い世界で完結できる or 完結してしてしまうもので……。あの頃、時代のコミュニケーションツールを前のめりに楽しんでいたら違う人脈や、今とは違うものに興味が出来ていたかも知れないと思うと、本当に勿体ない事をしたなぁと思うのです。友達にも寂しい思いをさせたかもしれないし。
でもまぁ、そのおかげで今は洋裁も編み物も出来るわけですが……あの頃の時間は、あの頃にしかないですからね。勿体ない事をしました。人生二周目が欲しいものだ。




