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茶うさぎから白うさぎへの手紙 2022  作者: メラニー
11月
318/365

318 彼女のたくらみ

 こんにちは。


 先日行ったライブ。帰って来たあとはかなり疲れて、いつもは検索に引っかからないように、出来るだけそのままの名前などは書かないようにしているのに、そのままアップしてしまった日。ライブは夕方からだけれど、昼には会場入りをしていまして。

 その前に友達と焼肉ランチをする予定が、営業時間を調べたうえで、ランチが始まる時間に入ったにもかかわらず、営業しておらず……まぁ、この友達の十八番なのです。なぜか彼女が行く気満々の食べ物屋さんに出向くと「臨時休業」やら「貸し切り」でお店が閉っているのだ。ひどい時は、お店のサイトは残っているのに建物が無かったというケースもあり、そういう事が頻繁に……違うな、殆どの場合それが起こるというのスキルの持ち主。

 いつものことか、と近くの違うお店を彼女が検索をしてくれて「近くに美味しそうな海鮮丼のお店があります!」と。そこは市場の中にある飲食店で、画像を確認すると確かにすっごくおいしそう!そこに決めて、足早に向かってみると数人の行列が。まぁ、数人ならいいか……?と並ぼうと思ったら、最後尾らしい人の後ろにカラーコーンが。そして、本日分売り切れの文字。時刻は午前11時半。「??」と。でもまぁ売り切れなら仕方がないし、一刻も早く食べてライブ会場へ向かいたかったので、お隣さんの食堂に入ったのです。


 そこの海鮮丼も美味しかったのですが、なんか二回も目的を阻害された感じで、二人とも多少はモヤモヤと。おいしかったんですけどね。そもそも二人とも口がハラミの口になっていたので(笑)

 しかしまぁ、二軒目のお店が売り切れていた理由も市場の中の食堂だから、午前二時から開店していると知って納得はしました。謎が解けてもハラミが食べたい気持ちは、収まっていなかったですが。(しつこい)


 食べ終わってすぐにライブ会場へ移動した私たちは、二人ともそこそこエリートなので(笑)グッズ列に並んだのです。先に並んでいたのは大体10人ちょっとだと思います。最後尾らしき女性に「グッズ列ですか?」と聞いて、並んで友達とそこからグッズの先行販売が始まる午後3時まで立ち話です。会うのは春に亡くなった友達のお宅へお邪魔した時以来。1か月くらいしか開いていないけれど、どうでもいい話はいくらでもあって。

 

 もう少ししたらグッズの販売が始まるかな?と言う頃合いになった時、視界の端で見慣れた物がチラついたのです。それは亡くなった友達の仏前に飾ってあった彼女が作ったオリジナルゆるキャラの小さなマスコット人形。彼女の遠方の友達が彼女の落書きを元に作ったと言うぬいぐるみでした。

 でも見えたのは視界の端で一瞬。複数作ったという話も聴いたことが無いし、私の見間違いだろうと思ったのです。

 しかし、その青色の独特なキャラが脳裏をチラつく。その人形を持っていたように見えたのは、私たちの前に並んでいる方でした。同行している友達にもスマホに文字を打って、あのマスコットが複数あるのかなどを聞いたのだけど、そんな話は聞いたことが無いと。どちらにしても、もし持っているなら亡くなった彼女の友達のハズ。……なのに二人とも勇気が出ず声が掛けられない(汗)

 

 そんな時にグッズ列に動きがあり、それがスイッチになったのか前に並んでいた方が振り返って、意を決したように「○○さんのお知り合いの方ですよね?」と。「そ、そうです!」「そうですよね?」とびっくりして。顔だけではなかなか思い出せなかった名前を、頭をフル回転させて思い出して。お葬式の日にお話をした方、Aさんでした。こんな偶然……。

 マスコットも、ご両親から借りて持って来たそうで。私の視界の端の視力は正常でした!ご両親に画像をとっていたところだったそうです。


 グッズも買って、別の友達Oとも合流して。翌々日にマスコットを返しに行くときに写真をご両親に渡すそうで、計4人とマスコットで集合写真を撮りました。その後も開場ので時間を潰すのにみんなでカフェでお茶をして。最後に合流した友達Oは実はAさんに話したい事があって、ずっと連絡をとりたいと思っていたみたいで。


 ぜんぶ亡くなった友達が仕組んだような取り合わせ。

 彼女はライブにももちろん来ていて、お金も払っていないのに被り付きは滅相も無いからとか言いながら中ほどの通路かなんかで見ていたと思うのだけれど、きっとカフェにも一緒に入ってその状況をニヨニヨしながら見ていたんだろうなぁ~と思うと、今さらながらおかしくて。

 焼肉ランチなんてしていたら長居しをしてしまって並ぶのも遅くなってしまっていただろうし、海鮮丼が売り切れていなかったらそれも並んで時間を費やしてしまっていただろうし。なんだったら、三軒めの食堂は、価格帯がどれくらいのお店かな?と店先を覗きに行った時に、たまたま外から帰って来た店の女将さんにロックオンされてしまったので入った感じで。

 そういう全部、彼女の仕業でしょう。だって、Aさんの後ろに並ばなかったら、絶対にその日に接点は無く会う事は無かった。顔を覚えていない上にマスクをしていますからね。私たちが彼女の話などをしていなかったら、気が疲れなかった。

 そんあれこれの仕組まれた出会いを、彼女は今でも思い出してニヨニヨしているかもしれない。気持ち良く、たくらみが成功したと思って。


 そして聞いた話ですが、ライブ翌日は私たちでも、Aさんでもない友達が彼女のお宅へお邪魔する予定で、翌々日はAさんが予約をしていたのだとか。そして私たちは、彼女が誕生日という事もあり、今月の末ごろにお邪魔する予定にしている。……ご両親お忙しいな。というか、ちゃんと休日を休日としておやすみ出来ているんだろうか?私たちのことを優先しすぎて、無理をしていないだろうか?ちょっと心配になってしまう話を聞いてしまったなぁ。

 彼女の友達のグループ単位では繋がりがほとんどないからなぁ。どの関係の友達かも知らないグループがまだあるのかもしれないし。毎週だったらどうしよう。今度行った時に、それとなく聞いてみよう……

 やっている事実だけが、想っている事とは違うからなぁ。




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