287 散財・金欠・墓穴
こんにちは。
ヤバい。金欠です。いや、自分が悪いのは重々に理解しています。
昨日、いつもは行かない生地屋さんへ行ったんです。多分日本で一番有名なお店だと思う。私はあんまりそこが好きでは無くて。生地が選びにくいし、品ぞろえに偏りがあって、欲しい物を見つけるのが難しい。最大の私の不満は、商品を色んな人がベタベタ触りまくる仕様になっている事。見本があって、それを触るのではなく、商品を触って品定めをするから商品がなんかヨレヨレ。解れやすい布だったりすると、細かな糸くずが周辺につきまくっている。私は自分のものを作るのではなく売り物を作るので、出来るだけそのお店の布は避けたいのだ。
でもリボンの種類、特にチロリアンテープの在庫が豊富な印象なので、それを物色しに行ったら……今期は手ごろな金額の物が見つからず、買うのを諦めていた生地が値引きされていたのだ。値引きされていても高い。そもそもがめちゃくちゃ高いのだ。ちょっとでも値引きされていたら買いだ。だって、高額生地だから売っているお店も少ない。なかなか出会わない。
最近、生地を大量に買ったばかり。当面はその生地を捌くのに時間を費やすだろう。そして生地ってものは着用分を買うとかなり高いのだ。冬物は特に。起毛やウールだと買いたくてもほぼ諦めるくらい。それを大量に買った後。私の財布に余力なんてものは残されていないのに……出会ってしまった、お買い得の生地。
そのお買い得生地は、私が欲しい長さは残って無さそう。同店のネットショップ店内で検索しても私が欲しい柄は出てこないので、これはお店に無ければ在庫はゼロというパターンだなと思い、諦める為の決定打が欲しくて、一応、店員さんに他に在庫があるか聞いてみることにした。(どういう仕組みかよくわからないのですが定番でない季節ものの生地は、同じ年にたくさん生産されず、十数年後に再生産される傾向みたいです。私の売り場ウォッチを長年している感覚ですが。飽き防止でしょうね)
店内に在庫は無いけれど、本社だかメーカーだかにストックがあれば取り寄せられるから調べて来るというのだ。……そして、不幸……幸運にも在庫があって、あれよあれよという間にお取り寄せになってしまった。「作ってみたい」という私の好奇心に打ち勝つことができなかったのもあるけれど……。柄あわせをしないといけない生地なので、普通なら三メートルでいいところを四メートル買った。一瞬にして大枚が飛んで行ってしまった……
そして、その後の送別会でもお金を使い、今日だ。これがいけなかった。
私の最推しの作家さんのグループ展が二つ向こうの県で開催されていて。エリートだから初日のオープン時間に駆けつけてしまった。
最推し作家さんは焼き物の作家さん。普段なら、その方の作品を吟味して一つ購入して来たらいいのだけれど、今回は別の作家さんの直筆の絵も欲しくて。もう数年欲しくて狙っている物なのです。
その画家さんは他のイベントや展覧会は一切参加しないし、個展もしない方。一年に一度開催されるこのイベントでしかチャンスが無い。そして去年はコロナで中止だった。……その間にも人気がうなぎのぼりで、数年中には入手が今よりも困難になる事は目に見えている。それも「続けてくださっていれば」という前提での話。お子さんも小さいし、いつ作家活動を辞めてしまうかわからない。
じゃぁ、今回は焼き物は止めて絵を買えば?とも考えたのだけれど、焼き物の作家さんは、いつも欲しい人に作品が行き渡ったかどうかをずっと気にしながら作陶しているしている方で。私が今回欲しいと思っている花瓶は、私がファンになるずいぶん前に一度作られて、いろんな方のリクエストに負けて復活したシリーズなのだ。それもここ数年つづけて作られているので、今回が手に入る最後になる可能性が高い。同じデザインの花瓶なんて一家に一個で良いでしょ?そもそもがニッチな作品なので、行き渡るのも早いのだ。
それでも。ずっと悩み続け答えを出していた。今朝の行きの電車の中でも「花瓶を買って絵は来年にする」と決心して行ったのだ……けれど。案の定。両方買ってしまった……あぁ、私はアホだ。後悔はしていないけれど、私はアホだ。
いつもは必ず在廊される焼き物の作家さんが、今回は手術から日が浅く在廊されていないという事と、絵画の作家さんが、生まれて初めて在廊されて目の前にいらっしゃる、という軌跡のコンボがキマってしまったのも運命を変えてしまった要因だ。
しかも私は、以前に絵画の作家さんがSNSでコメントをくださったとき、絵をお迎えしたいと言ってしまっている……もう、逃げようがなかった(ただの言い訳)
せめて、生地を買っていなかったらなぁ……当分何もできない……。(でも決まっている予定はある。怖。)
生地を買いに行って、別の布(安い布一メートル)を切ってもらっている時、私は自分で作ったコートを着ていたのだけど、そういう所で働いている人には速攻分かるみたいで「そのコート作ったんですか?お店に入ってきた時から、ステキで見てました~」と言われるし、バンドのメンバーにも最初は私が作ったと言っていないのにコートに触れられるし、今日も画廊でコートが褒めてもらえたし……まぁ自分で言うのもなんだけど、着ているシルエットが綺麗で良いコートなのだ。なのに、売れない。アパレルはなぁ……もうダメなのかもしれんなぁ。
まず、買おうと思ってサイトを物色しないもんなぁ。安いものか、ステイタスになるようなブランド力のある作家さんのを買うんだよなぁ……
とりあえず寝よう……昨日も帰宅が遅かったし、今日は朝が早かったし、二日間も遠出をして歩いて歌ってしゃべって……もう、頭が回らない。
お金のことは、起きてから考えよう……




