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茶うさぎから白うさぎへの手紙 2022  作者: メラニー
10月
277/365

277 家庭料理

 こんにちは。


 自分以外の家族が作ってくれた食事、家庭料理がズバリまずかった時はどうしますか?


 友達と先日、その議題を話し合っていました。これって食べる専門の人からしたら「はぁ?」かもしれませんが、作る側からしたらかなりの大問題なのです。 


 私も友達も言わない派です。

 うちの家は結構珍しい部類の家だ思うのだけど「おばんざい」系というか、THE家庭料理と言われるようなものももちろんありますが、家カレーがルーを使わないインド風チキンカレーだし、タンドリーチキン(ヨーグルトソース付)、ラザニア・生春巻き・沖縄料理・もんじゃ焼き、チヂミ、チャンチャン焼き、皿うどん(かた焼きそば)、ビビンバ、ジャージャー麺、ピカタ、鱧のおとしなど、多分あんまり家庭で調理しないメニューや、地域がちがう郷土料理も出て来るので、家庭の味というのが、少し一般的では無いかもしれないけれど。


 でもどれが出て来ても、みんな美味しいと言いながら食べる。もちろん私が作った時もまずいと言われたことはない。

 まずかったら、まず本人が一番分かっている物だ。そして、雰囲気でも分かる。


 それを友達の旦那さんは「まずい」と言うのが当たり前だと断言するそうで。言うのが正当だそうだ。そんな旦那さんは自炊をした事が無いらしい。


 味が濃いとか足りないと思っても、その中に美味しさを見つけて食べるもんだ。

 しょっぱかったらご飯が進むなぁとか、野菜と一緒に食べるとドレッシングが無くて済むなぁとか。味が足りない時は素材の味を感じて。与えられた状況の中でどうしたら楽しめるのかという、生きる事と繋がっていると思う。少し大げさだけど、そういうものだ。


 なによりも、作ってくれた事が感謝で。

 作らない人には分からない、限られた時間の中で色んな手間を加えて、作ってくれている事実。はっきり言って味は二の次。

 野菜やお肉の切り方一つとっても食べやすいようにとか、この形の方が美味しいからとか、柔らかいように隠し包丁をいれたり。塩分控えめにする代わりに出汁をちゃんと取ったり、酢の物に変えたり。生臭さを取るのに生姜や牛乳などを駆使したり。

 毎日の献立をひねり出すのだけでも大変で。飽きないようにバリエーションとローテーションを考えて、季節や気温、家族の体調を考慮して、食べたい物と冷蔵庫にあるもの、または買い物に行って安い食材で時間内にできる献立を考えて調理する。出来るだけ今有るものでアレンジして、おいしいように。それが毎日。しかも献立を決める時はお腹が減っていないから、食べ物のことなんて想像しにくいのに。

 それでも毎日ご飯が出て来る。長いスパンで考えて体も経済状況も、家族が健康で暮らすための料理が家庭料理なのだ。


 毎日外食するような料理を求めるなら、ハウスキーパーや出張料理人を雇え。家庭料と言う物は揺らぎがあって当然。作る側の時間的・身体的コンディションが毎日違うのだから。そして食べたい物だけが出てくるわけじゃない。


 知り合いの旦那さんが全く残り物を食べない人らしくて、知り合いが困っていた話を思い出した。

 休日の昼なんかは、前日の残り物で済ませたいのに、温めて出しても食べないのだとか。彼もまた自炊をしなくてはいけない生活をした事が無く、口に合わないものをまずいと言い、そして育った環境で母親が家庭内の男性には残り物も出さず、家事分担もしない家だったそうで。それ以外の世界を知らずに大人になってしまっている。


 まず、作らないのに文句ばかり言うのは筋が違う。どうしても言いたいなら、まずは家にあるもので献立を考えて作り、片づけまで完璧にこなせるようになってから言って欲しい。食通を気取るなら作る事もしてくれ。


 とまぁ、友達とあーだこーだと言い合った夜でした。

 ご飯が出て来るなんて、どれだけ有り難い事か。


 

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