275 ぬいぐるみ道
こんにちは。
ぬいぐるみを作っていて、思っていたよりも色んな技の引き出しが無いと作れないものなんだなぁと実感しています。
パンツの足を出す穴の縫い方とか、簡易的なブローチの作り方、適当な形をかぎ針で編むスキル、針金の処理の仕方、綺麗なリボンの作り方、布用ボンドの適切な量、編み込みヘアの綺麗なセットの仕方などなど、それでダメなら違う方法で……と、次々に試されている様で。
そういえば、子供の頃何度か人形・ぬいぐるみに挑戦したことがあったのです。最初はフエルトで作るマスコット人形でした。買ってもらったのか、誰かにもらったのか忘れたけれど、マスコットの作り方の本がありまして。
でも、これが見た目はかわいいのだけれど、お菓子のレシピ本の時のように、子供が作れるはずがないレベルのもので。型紙もついていて、本の中からトレーシングペーパーなどで写し取って使うのだけれど、まだ就学前の子供ですからね。正しい線を引くのも一苦労。しかも紙はお絵かき用の紙で分厚いし。
動物とか割合簡単なものもあったのだけれど、おいらんとかお姫様とか、付属品が多い物が可愛くて作ってみたくて。まぁ、全て失敗に終わって、納得のいく出来栄えの物は一つも仕上げることができなかったのです。
そもそもフエルトにパターンを書き写すのが至難の業で。チャコペーパーも知らないくらい子供なので、フエルトに切ったパターンを置いて鉛筆でなぞるのです。鉛筆でフエルトは汚れるし、綺麗に描けないしで最悪。
今でもフエルトに正しい図形を描くのは至難の業だと思うのですが、きっと正解は、パターンを待ち針で固定してハサミで切るのでしょう。裁ちばさみでもないし(重たくて使えない)、切れ味の悪い工作用のハサミで持ち上げて切る方法では、所詮無理な話でした。というか、フリーハンドで切れるくらい正しいイメージが出来て、その通りに手を動かせる筋力と伝達能力が育っていないと、ムリだったんですよね。
そして、小学校の頃はテディベアを作るのに挑戦をしました。これも難しかった。パターンがあって、その通りに切ってつなげるだけなのだけれど、顔の立体が思うように作れないのです。頬側の曲線と額から鼻筋にかけての曲線なんかは、子供には難関過ぎて。Uとnみたいな逆の曲線を綺麗に縫合しないといけない。それを納得のいく出来ではないにしても、ギリギリアウトくらいの出来で仕上げた物に綿を入れ、目を付けるのだけれど、これがまた難しくて。子供だから力が無くて目が飛び出してしまうのです。
今は表に出ている部分だけが球体の目用のビーズがありますが、その頃は黒い球体のビーズが目用として売られているのが当たり前で。頭部がフニャフニャにならないようにカッチカチに綿を詰めるように書いてあるから極限まで詰めた場所に球体のビーズを糸で首元まで引っ張って、くぼませることなんて無理でした。
顔面の上に眼球が乗っかっているような状態にしかならないし、しかも目の位置を決めるのが難しく、どうやってもかわいく仕上がらないのです。
マスコットもテディベアも何回も挑戦しましたが、私に苦手意識を植え付けただけで終わりました……。
今思えば無謀中の無謀だったと分かります。
いろんなものを作って、手が枯れて、応用が出来て、新しいアイデアもひねり出せて、技の引き出しもないと作れないのです。まぁ今回はその辺りは何とかクリア出来ました。それなりに私は色々作ってきたから、作れるだけの引き出しは最低限備わっていたようです。
ただ、目です。目を付ける事だけは、かわいい位置に目を付けることができないというトラウマがあったで、作っている間もずっと不安で。
目が離れすぎても寄り過ぎてもいけない。高さも大事だ。一般的に人の心理的に、下の方に目があると可愛く見えて、上の方にあると可愛く見えないらしい。(猫型ロボットが特殊なのだとか)
そういう事を踏まえて……前もって植えた前髪の長さとバランスの取れた位置で、左右対称に。位置もそうだし、糸の引っ張り具合も同じようなテンションと向きで。
目のビーズは幸い、表だけが球体のぬいぐるみ用のビーズが売っていたので一年中ハロウィン仮装という感じにはならないのですが、黒色しか売っていなかったので、昨日にアクリル絵の具と防水ニスで、青い目に仕上げていたのです。青い目の妖精のぬいぐるみなので。
一日乾かして触っても良いとはいえ、ピカピカな光沢なのに、傷を付けたりへこみが出来たら嫌だなぁとも思うし……もう全てがネガティブ要素。
でも何とか、かわいい位置についたはず。一度寄り目になっているかな?とやり直したけれど、二回目でフィニッシュ。これって、やればやるほどゲシュタルト崩壊するやつだなぁと思ったので、もうこれ以上は触りません(笑)
裁縫という同じジャンルの事をやっているはずなのに、少し新しい事をするだけで、こんなに違うものなんだなぁと実感します。
ギタリストが、エレキギターとアコースティックギターは別楽器だと言うけれど、そういう感じなんだろうか。
明日はやっと完成できるかなぁ。なんでもそうだけれど、極める人って本当にすごいなぁ……ハンドメイド作家さん達が専門職になるのわかるなぁ。みんなすごい。




