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茶うさぎから白うさぎへの手紙 2022  作者: メラニー
6月
168/365

168 落語のアニメを見ました

 こんにちは。

 

 なんだか今、ものすごく珍しく「新しい物語を摂取できる期」みたいで。ここ最近新しいお話をずっと見ています。いつもは気に入ったお話を繰り返し見る方が心が休まるので、そうしているのだけれど。

 昨日から見始めたのが、2016年から放送されていた落語のアニメ。当時、かなり話題になったものです。

 

 このアニメを見ようと思ったのも、ある事を思い出したから。当時、知り合いのおじさまが、私がアニメが好きだと知っていたので、これを話題にしてくれたのです。おじさまは、もともと落語が好きで寝る前に必ず落語を聞くと言っていた。落語好きが高じて、放送局の入りやすさもあったのかそのアニメを見ていたようでした。

 でも私はそのアニメを見ていなくて。せっかく話してくれたのに。


 当時そのアニメが話題に上がっていたのは、演者の演技ばかりか、落語のシーンが素晴らしい事で話題になっていて。私はお話は見ていないものの、その役者さんがどれだけすごいのかを、他の色んな作品で知っているので、アニメを見ていない前提で話すことは出来たのですが。それなりに、ずっと心残りだったのです。だもんで「そのうち見るリスト」に入っていたそのアニメを満を持して見たわけですが。


 想像していた以上でした。すごさが。

 師匠役の役者さんは、子供から老人、性別も男性なのに女の子でもお婆ちゃんでもやってしまうすごい方です。その相方の落語家役の方も、一人で何十役やってしまう方で。器用なだけど、器用というとその言葉で収まらない、小手先でやりくりしている訳では無い事が分かるすごい方……という事は分かっていたのだけど、そうじゃなかった。他にきっと出来る役者さんがいない。役がハマり役過ぎて。生まれに劣等感と葛藤を持った生真面目な色気。そんな言葉では収まりきらない情報量が声に乗っている。


 よくよく考えると、体で表現する役者と声優は演じるという点ではベン図が重なると思うのだけど、落語家と役者はそれよりも重なるところが少なくなる。役者はフィクションでありながらノンフィクションであるベールを纏ってリアルに近づける事を必要にされるけれど、落語は受け取り手の頭の中で完成されるようにイメージを語りや音や仕草で掻き立てる。声優という仕事は、大人でありながら子供の役をやったり、年上が息子の役・年下が父の役をやったり、中にはこの世に存在しない動物や虫や物にも声を当てる。そして同じ作中で声色を変えてモブの声をしたり。重なる部分が多いのだなぁと。


 師匠の役は若いころから白髪のベテランになるまでを演じている訳だけれど、落語のシーンで大成してからは純粋に落語に聞きほれるし没入してしまう。でも迷いのある若いころの落語は、これが本当につまらない。この演技。そりゃ演技指導も入っているし作られたリアリティなのかもしれないけれど、やる側は結局それを演じ分けないといけない。結局やっているんですよね、そこが本当にすごい。

 存分にこの方の才能を余すところなく使い切っている……というか、この天才がいなければ作品にならなかったのだろうなぁと。

 ほんと、名前の言ってはいけないお方のから、ポッチャリのいじめられっ子に、癌細胞に、生真面目天然爆弾魔に、レレレの人……なんでもやってしまう。私が感心するまでもなく、すごい人。

 まだ最後まで見終わっていないですが、昨日今日と「良い物見たなぁ~」で終われる。面白いお話だったなぁ、よりも「すごい芸を見たなぁ~」って感じです。


 そういえば、作中に前に言っていた激地元の声優さんも出ていらっしゃって。めちゃくちゃ地元の言葉をしゃべってましたが。さすがでした。すこし誇張はされていますが……町の中心部からは少し離れた地域なのでベタベタでは無いのです。だからベタベタにする為に誇張はされていましたが、ニヤニヤしてしまうくらい、正しい訛っぷりでした。


 おじさまと同じ頃にリアルタイムで見たかったなぁ。色々話がしたかった。まぁ今もラインで繋がっているので、しようと思えば出来るけれど、昔見たアニメの話をわざわざできませんからね。

 何でも旬ってありますねぇ。旬を逃すと鮮度が。

 なんでも一期一会ですねぇ……

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