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茶うさぎから白うさぎへの手紙 2022  作者: メラニー
6月
165/365

165 忘れ去られた

 こんにちは。


 今日地元は梅雨入りをしたそうです。前評判では梅雨入りは早いとどこの局の気象予報士も言っていたのに、そんな事は無かったなぁと。それだけ、お天気を読むのは難しい事なんですね。


 ところでメディアなどで「結婚願望」が話題に上がっていますが。

 私ははっきり言ってないですねぇ……。大昔に短い期間だけ持っていましたが、今はからっきし。子供のころから合わせても、願望を持っていた時期の方が短いです。

 なんというか、想像ができなかった。想像できないものは現実にならないというのは本当の事だと思います。

 そりゃ異性とお付き合いしたことは、この歳になったら数回ありますが、どれも今思えば……という若気の至りと黒歴史の宝庫です……


 私はずっと底辺の人間なので、自分を支える事で精いっぱいで、ずっと生きて来ました。ある時、人と関わるとお金を使ってしまう、結婚をするまでに出会いを求めるのも行動を起こす事だから、望んでも無いな出費を繰り返し、出会った後もそれなりに楽しい日々を過ごすのだろうけど、経済状況が良くなる訳でもなく遊興費にお金を使い、そして結婚をしたら、またお金が必要になるんだろう……と思うと、もう別にいいや、と。

 SNSを覗いてもも、若者からのお金離れが若者の結婚離れを助長していると言っている人が居たけれど、私の場合は全くのそれです。そんなこと、もうずっと前から起こっている。

 私だけではなく、私の世代は殆どそれです。自分だけじゃないと正当化するわけではないですが、私の同級生を見回しても結婚していない方が多い。結婚した子も殆どまぁまぁな年齢になってからか、若いうちに結婚した子は経済力のある歳上と結婚した子です。

 

 テレビを見ていると、街のインタビューで、やりたい事もあるし病気さえしなければ困ったことが無い。仕事も自由もあって結婚する必要性を感じないと言っていた人や、一人暮らしになれてしまったから誰かと暮らすことが煩わしいと言っていた人もいた。

 キャリアを積んでそこそこの経済力を持ったとしても同じような意見なんだなぁと。


 私は定期的に母の白髪染めをしてあげます。

 別にそれは煩わしい事思う事も無くやっているのですが、母の髪をすきながら私は晩年このようにしてもらうことは無いんだなぁ、と思う。

 その事だけ、心が痛いと感じる時がある。


 別の話ですが、配偶者や交際相手がいないという統計の発表で付け加えられていた一文、「もはや昭和では無い」という言葉が耳に残りました。

「今ある制度が、男性が正規雇用で勤め上げ、女性が家庭を守る、というような前提で出来ていて時代に合っていない(昭和に作られた制度)」という意味らしいのだけど、平成に人生の大きな節目を生きた世代からすると本当に平成って失われた時代で無かったことになっているよなぁ、と思うのです。

 ちょっと古さを感じると「昭和のような」と言ったり。それは昭和生まれが言うだけではなく、昭和を知らない平成生まれの子でも同じように使う。

 前に話した「ちょっと絵柄が古いアニメ絵」を本当は平成アニメの絵柄の流行なのに、昭和風と言ってしまう。ポプリが流行ったとか、高原リゾートが流行ったとか、お土産はかわいい動物が丸文字の和製英語とデザインされているものが主流だった……とか、全部平成なのに、昭和の感覚がよぎる。

 感覚からも平成は除外されている。そんな失われた時代に生きていたんだからなぁ……と。と言っている私ですら、平成という時代に愛着が無い。昭和の方がなじみがある感じがするのだ。どういう訳だか。


 と言っても人口は国力とイコールで結べるくらい大切なことだから、どうにかしないと数十年後、日本人の事を「絶滅した伝説の生真面目で手先が器用な民族」と言われているかもしれないですね……

 この先、人口を増やす方向で国政が動き、子供を産む世代や子供に目が向き、望んでもいないのに忘れ去られた世代を生きる事になってしまった私たちの世代は歳を老い、また国政から忘れ去れるのでしょうね。


 卑屈な内容になってすみません。




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