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茶うさぎから白うさぎへの手紙 2022  作者: メラニー
5月
133/365

133 眠る

 こんにちは。

 

 南の島記録を書いていたんだけど、書ききれなかった……残念。なので何か別の事を書かねば。


 犬や猫を飼って、夢を見るんだなぁとか、撫でられるのが好きでうっとりするんだなぁとか知ることはあると思うのですが、哺乳類だけではなく鳥類もなんです。

 一緒に生活をしているとインコも人間も変わらないなぁと思う。


 私の手のひらで寝ていると、口をむにゃむにゃしたり、歯ぎしり(厳密には嘴だろうけれど)をしたり、寝言も言う。頭を撫でると抗えないくらいうっとりして目を瞑ってしまったり、寝る時は体をトントンしてもらうのが好き。大きな音がして、びっくりしても「大丈夫」というと安心して目を瞑る。顔を近づけて静かにしていると、インコの寝息が当たる。

 赤ちゃんをあやす様に、立ってユラユラしてもらう事も大好きで、それが無いと納得しない日もある。

 望んでいない事をする人・言われたくない事を言う人には警戒するし、気持ちを察してくれる人のそばにやって来る。指や腕に留まっていても、バランスを崩して落ちそうになることもあるし、歩いていてコケる事もある。

 ケージに入りたい時は扉を閉めて欲しいと言いに来るし、まだ遊んでいたとゴネても、そろそろ時間だからと説得すると渋々ながら自分でケージに帰って行く。


 そして、ちゃんと「自分は愛されている」という顔をする。


 こうやって日々一緒に暮らすほどに、どんな生き物も変わらないんだなぁと思う。きっと爬虫類だってそうなんだと思う。手のひらで遊ばせた蝶の幼虫は成虫になってからも手のひらに遊びに来るというので、昆虫もそうなのかもしれない。もちろん人間も、どんな国に生まれようが、文明が届かないジャングルの奥地で育とうがきっと違いはない。安心感とか無条件で愛されているという感覚は、きっと共通なんだう。


 今最後の一羽になってしまった子とは、あとどれくらい一緒にいられるのだろうと、今日手のひらで寝かせながらずっと考えていた。

 4月に亡くなった子は長寿の父親を持った男の子だったから特別長生きだったのだけど、今いる子は女の子。女の子は卵を産む体をしているので、男の子よりも体が弱いのです。

 最近殆ど寝ているし、足の筋肉も無くなっている。


 鳥が体をトントンしてもらって寝るなんて、思わないですよね……。鳥も人間もして欲しい事は根本的に一緒なんですね。

 最後の最後まで、愛されていると確信している顔をさせたままでいたいです。

 当たり前のことですが、誰かに愛されるって生きている糧でもあるし、幸せの最初の一滴だと思います。

 

 野生の生き物も、裕福な国で生まれた子も、貧困にある子も、戦禍に生きる子も……色んな事を考えてしまいます。

 でも私の手はとても小さいので、とりあえずは私の手の届くものの幸せを守ります。その外の世界にもゆくゆくは手が伸ばせるように。そんな事も思いながら。


 もう今年は梅雨がやって来て、早い夏がやってきそうだなぁと。季節が巡るのが早いです。


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