40歳OL、報告に行く
「吉田佳と申します。明さんと結婚を前提にお付き合いさせていただいてます」
「「 爽やか〜!! 」」
「ははは……」
結婚するかも、と同僚に報告したら、あれよあれよと佳くんを含めた飲み会がセッティングされた。でも参加者は佳くん含めて四人なので気楽である。
だが二人は、泣き上戸だったっけ?というくらいに良かったと泣きながら喜んでくれて、私はそれにもらい泣き。隣に座る佳くんが涙を拭ってくれると、二人からは「「やってらんねえわ!お幸せに!」」と笑いながら文句を言われた。
「にじゅうよんさい〜!?」
母方の叔母叔父に報告に行くと必ずこのやり取りがあり、佳くんは肩を震わせた。……だって三人とも第一声が同じなんだもん……ついでに口が開いた顔もそっくりだった。
それでも少し話をすると佳くんの良さが伝わるのか、あっさり絆されてくれた。佳くんすごい。
「俺は明さんのルーツを見た気がしましたよ」
……まあ……母のきょうだいだしね……
「にじゅうよんだ〜!?」
父方の伯父たちもまずはここ。もう二人で笑ってしまった。
「大事な姪御さんと承知していますが、誠心誠意大切にしていく所存です」
そう言って頭を下げた佳くんに戸惑って、伯父たちは「う、うむ」なんて返してきたり。隣に座る奥さんに肘で小突かれてハッとした様子。
「いやいや、こ難しい事言わなくても明ちゃんの顔見りゃわかるよ。俺たちが何か言うことじゃねぇ。それでも望むことは、最後まで添い遂げて欲しい、それだけだ」
「肝に銘じます」
佳くんは私と目を合わせて、伯父たちに宣言してくれた。
「はい!じゃあお祝いね!明ちゃん時間あるんでしょ?お寿司取るから食べて行って〜!」
断る前に奥さんがサッと立ち上がり、特上特上〜♪と客間を出て行くと、伯父も慌てて立ち上がり「酒屋にもノンアルコール持って来てもらわねえと!」と追いかけて行った。
「なんか、ノリがうちに近い気がしますね」
……そうかも。
喫茶店に行くとミイさんに二人の雰囲気が変わったと言われ、佳くんが結婚するんですとあっさり。
「あらあらあらあら!まあまあまあまあ!今日のデザートはサービスよ!」
そうして出されたのは苺のショートケーキ。ケーキに対してお皿が大きいと思ったら、苺ソースで『Happy Wedding!』と書かれていた。
久しぶりの大騒ぎ撮影会になった。
「「「「「お め で と う!!」」」」」
吉田家に報告に行くとクラッカーで歓迎されてしまった。庭に車が何台かあると思ったら、お兄さんやお姉さんたちも何人か来ていたようだ。時間差で鳴らされてもうびっくり。大きなマサくんにはじめましてでまたびっくり。
巌さんがニヤニヤと佳くんに近づくと、佳くんの頭を両手でワシャワシャと撫でくり回した。
「何すんだこのジジイ!?」
「かっかっか!良くやった!」
「うっせえ!」
哲哉くんが「明姉ちゃん」と呼んでくれると、下の子たちがすぐに真似をしてくれたことにホロリ。姉ちゃんだって……
すると哲哉くんが「離婚したら『明さん』呼びに戻すね!」って。
「テツーーッ!!!!」
佳くんと哲哉くんの追いかけっこにさらに中学生組、小学生組、お兄さんお姉さんたちの子供たちも加わって大変な騒ぎに。
呆然としてると、巌さんがやって来て「籍はまだでも父ちゃんと呼んでくれていいぜ」とにやり。
「ふつつか者ですが、どうぞよろしくお願いします、お義父さん」
「かっかっか!まだ固いな!これからよろしくな明ちゃん」
「はい……!」
次回最終話、本日20時に投稿します。




