“生徒会合戦” ~二高紹介~
さて、そうこうしているうちに次は二高だ。
「私は、青葉大二高の生徒会・会長の河曲 優梨華でーす!よろしくお願いしまーす!」
「マイクを通してないとはいえ、うるさいわね」
「流石は体育会系の二高だな」
「マイクがあるんだから、そこから喋れば良いのに」
「まぁまぁまぁ」
「でも体育祭に一人、うちに欲しいわね」
「何故だ?」
「だって、声一つで勝てそうじゃない?」
何を根拠に!?
そもそも、声一つで勝てる種目など存在するのか!?
「それなら、俺が行くぞーー!」
「げっ!」
「あら、知り合い?」
「あっ、まぁ……顔見知り」
「俺は副会長の小山雫 朗人で、そこに居る三高の生徒会長である神司屋の友達だーー!」
「向こうは友達だと言ってるわよ?」
「俺が言い終わらないうちに被せてきたんだ、友達ではないッ!敵だーッ!」
「ツレないなぁ……創ちゃんは」
「は!?今、なんと!?」
「冗談だよ、創。お互い、頑張ろーぜ!」
「嫌だ……助けてくれ、茶駅田……!」
「嫌よ、どうして私が助けなくちゃいけないの?」
「助けてくれたらスイーツを一週間、日替りで持ってきてやる」
「くっ……仕方ないわね」
「ヨシ、契約成立だな」
「おーい!勝手に話を進めるなよ!俺も混ぜて!!」
「お前は黙れ!」
「あんたは黙ってなさいよ!」
「えぇ~……」
「ぷっ!三高、面白過ぎ!」
「会長と副会長、良いキャラしてんじゃん」
「何か、漫才とかコントを観てる気分だな」
「ほんと、ほんと!」
今の時点で三高が一番、面白いよなという声がだんだん増えてきた。
ヨシ、ヨシ、ヨシ!大丈夫だ。いける!
二高の会長は、どうすれば良いのか分からず「以上でーす!」と言って着席してしまった。
そして次は……
「俺は小山雫 朗人で、青葉大二高の生徒会・副会長だー!「じやまだ(邪魔だ)、じやまだ(邪魔だ)ー!」という造語を是非、使ってみて欲しーーい!よろしくー!」
「おい、二高は誰一人として所属している部活や好きなスポーツを挙げていないが、そういう方向性なのだろうか」
「さぁ、知らないわ」
「すまないが二高に質問、いいかね?」
「はい、創くん。どうぞー!」
「二高の生徒会は誰一人として、所属している部活や好きなスポーツを挙げていないのだが、二高はスポーツで有名だよな?」
「今回、二高はスポーツを伏せて一高と三高と同じように、闘いに挑もうと思っている」
「ほぅ、それは何故?」
「そ、それは……毎回」
「毎回?」
「二高が……」
「二高が?」
「暑苦しいって言われているからだーー!」
「叫ぶほどのことじゃないだろーーがーー!」
「叫ばせてくれよー!俺は、目立ちたいんだー!」
「あ、そう。ではどうぞ」
「えぇえええええ!?そこは一緒になって、何か叫んでくれよ!!」
俺はコイツと茶番をしたいわけではない。
さて、そろそろ他の役員に自己紹介をしてもらおう。
やれやれ、コイツは暑苦しいだけでなく疲れるのだ。