“生徒会合戦” ~一高紹介~
若様と会長のギラギラした闘いはさておき、我々の“生徒会合戦”が幕を上げた。
「さぁ、まずは各学校の生徒会諸君!自己紹介をどうぞ~」
何だか、若様の言い方って語尾に星マークが見えるのだが、それは俺だけなのだろうか。
俺と同志の人間はコメントしてくれ。
なんてな、真面目にやろう。
まずは一高の紹介だ。
「我々、青葉大一高校はエリート揃いの頭脳派で名高く、我々の学校に入学すれば超超超難関大学をも射程圏内に入れるという素晴らしいが……」
「あの説明、聞いてましたか~?自己紹介をしてくださいね~?じ・こ・しょ・う・か・い!」
若様、キビシー!
おい、一高が若様を見て固まっているぞ!
何か、催眠術でもかかっているかのように固まっている。
「ハ、ハヒッ!すっ、すみませんっ!」
って、一高の会長めっちゃ謝ってるやーん!
「はい、分かればよろしい。では続けてくださーい!」
続けられるかーー!
いや、何故だろう。さっきから俺はツッコミを入れまくっている。
「何をさっきから、いちいちツッコミを入れているのよ。神司屋」
「ハッ!」
俺は心の中で、ひっそりとツッコミを入れていたはずなのに、何故!?
「いや、口に出ちゃってるから」
「え、嘘!?嘘だろ!?なぁ、茶駅田!嘘だと言ってくれ!!」
「うるさいわねぇ!あんた、あのガリ勉メガネ集団の中に無理やり入れるわよ!?」
「それはやめてくださいすみませんでした」
「なら、静かにして。心の中ではいくらでもツッコミ入れていいから」
「ハイ、気を付けます……」
俺と茶駅田の掛け合いが漫才に見えるらしく、全校生徒から笑いがちらほら出てきていた。
そして、すかさず
「はーい、今は一高の生徒会の紹介だから三高は横取りしないでくださーい!」と若様から注意が。
「大変、申し訳ございませんでした。謹んで、お詫び申し上げます」
「いや、二回も重ねて謝っちゃってるから。一回でいいのよ」と若様との掛け合いが実現。
流れは俺たち三高だ!
ふと、一高を見てみると……
笑いを俺たち三高が掻っ攫ったのが気に食わないらしく、睨んでいる。
ふん!笑いについては俺たち、三高の方が知っている!
何なら、このように茶駅田との掛け合いは日常茶飯事だからな。
いつも通りである。“生徒会合戦だから”と特別、頑張っているわけでもない。
(いや、ちゃんと頑張るが)
気を取り直して、一高生徒会の自己紹介。
「主席といえば、この俺だぁあああああ!頭脳で俺の右に出る者は居ない。奇跡と呼ばれた男、天宮 勝は、この俺だ」
天宮 勝。
一高の生徒会・会長で、万年主席と言われている。
誰も頭脳では天宮には勝てないと言われている、奇跡の頭脳を持っているらしい。
記憶も得意で、一度見たもの聴いたものを忘れないらしい。
そして、これは余談なのだが彼女居ない歴=年齢で“恋愛”というものが分からないらしい。
勉強では答えは存在するのに対し、恋愛は答えすなわち正解がないので怖いのだそうだ。
答えがあるものこそ正義、らしい。
「気持ち悪いわね」
「コラッ、茶駅田!一高に聞こえるぞ」
「だって、ナルシストみたいじゃない」
「ナルシスト……?」
「だって「俺は誰よりも頭が良いんだせ?記憶力も抜群で、誰も俺の右に出るヤツは居ない……あぁ!なんて俺は、こんなにも格好いいのだろうか」って言ってるようにしか、聞こえないから」
「言われてみれば、確かにそう聞こえるな……」
「でしょ?だから、気持ち悪いのよ。そういうナルシ男」