“生徒会合戦” ~開会式~
いよいよ“生徒会合戦”が開幕する。
毎回、行われる場所は広い講堂だ。
「ただいまより“生徒会合戦”を開催する。各学校の生徒会役員は皆、代表としての責任を持って“生徒会合戦”に挑むように。特に三高はやる気が無くても、あるように見せる努力をしてくれたまえ。私からは以上だ」
学園グループの会長、久しぶりに見たけど何なんだ!あの挨拶は。
俺たちの三高を名指しして貶すなんぞ……
あの爺さんの、鼻を明かしてやる……!!
お前たちもだぞ!一高と二高!
クスクスと、馬鹿にしたような笑い方しやがって!
「それでは今回の“生徒会合戦”の司会・進行役をさせていただきます、青葉大三高の若夜 偉です。よろしくどうぞ~」
若様の爽やかスマイル……流石だ!と思った瞬間
「会長さん、三高を名指しして貶すだなんて……失礼極まりないですよ?良い歳した大人が、恥ずかしいと思わないんですか?今年のウチの生徒会は、やる気のあるヤツしか居ないんで」と真剣な眼差しで、バッサリと言い切った。
すごく、鳥肌が立った。
ふぉおおおおお!若様ぁあああああ!!
男の俺が見ても痺れる台詞に、真剣な眼差し……
ファンになっても、いいだろうか。
俺は“生徒会合戦”が終わったら、若様のファンクラブに入ることにしようと今、心に決めた。
「ぐっ……若夜先生、そんなことを言っていいと思ってるんですか?」
「あらやだ。自分に非があるのに、会長という権力を最大限に使おうとするなんて……恥を知れ」
わぁあああああ!若様ぁあああああ!!
爺さんに喧嘩売っちゃマズいよ!?そんなことしたら、教師クビだぞ!?
「おい!私は会長だぞ!?言葉を慎めっ!」
「会長なら、生徒の皆を平等に扱っていただきたいものですねぇ」
「若夜先生……!」
若夜先生、かっこいい!!と言いたいが、ここまで言ってしまったら、もう教師はクビ決定……
そこで、若夜先生は恐ろしいことを口にした。
「もし、我が三高が最下位ならば……俺はクビで結構です」