“生徒会合戦” ―前日―
いっ、いよいよ明日だ。
「な、何だか胃がキリキリするな……」
「大丈夫?“生徒会合戦”は明日なのよ?」
「だ、大丈夫だと思う……うん、大丈夫だ」
「今日は、もういいわ。早く帰って明日に備えて」
「いや、せめてもう一度だけでも!」
「このままだと集中出来ないわ。胃薬でも飲んで安静にしてるのね」
「茶駅田……すまない」
「いいえ」
「お言葉に甘えて……帰って、ゆっくり休むよ」
「ええ、そうして頂戴。あ、そうそう」
「ん?なんだ」
茶駅田はつくづく分からない。
“生徒会合戦”の前日で胃がキリキリと痛んでいる俺に
「明日、万全な状態で完璧にこなしてよ?」
なんて、にやりとした顔で言うんだから……ほんと怖ぇよ。
「ハイ、ワカリマシタ……」
と言って俺は恐る恐る、家に帰った。
そして、夜。
胃が、だいぶマシになったので俺は例の紙を開いて暗記する為に、読んで読んで読みまくった。
失敗は……許されない。
だけど……アレなら、許してくれるのだろうか。
きっと大丈夫だ。
茶駅田なら、許してくれるさ。
さぁさぁ、もう寝よう。
例の紙を枕元へ置いて、本番に備えよう。
明日は100%の力が出せるように、頑張ろう。
もう、あの頃の俺じゃないんだ。