ピカピカおじさん
ーーー突然だが、大学の後輩の翠華は可愛い。水橋翠華は可愛い。
ああ、神よ。何故彼女と僕は付き合えないのだろう?
多分五万円くらい渡したら一発やらせてくれるかもしれないが、もしそれでドン引きされても困るので、脳内だけに留めておく。
学園祭実行委員会というサークルに所属している自分は「美化」という清掃部局に所属している。ちなみにこの部局、俺が入るまで無かった。俺が作った。
誰も清掃なんてやりたくないだろう。日本人なら綺麗にして当たり前とかいう外人さんが多いせいで、今やゴミ問題はどこの文化祭もキッチリやってるはずだ。
だが、この大学の文化祭サークルには清掃部局など無かった。これは俺にとってチャンスでしかなかった。
何がチャンスなのかって?
俺は先輩のいない部局で自由にやりたかった。そして、同世代と俺より年下のコミュニティが形成されてしまえばこっちのものだ。
先輩ヅラしてれば指示するだけでやってくれそうだし、あわよくば可愛い子と仲良くなれる。
うんうん。我ながら完璧な計画。
清掃という底辺の仕事をやる俺超かっこいいやん。
なんて思ってた時期がありました。
美化部局を作ったはいいが、俺に続いて入るやつは誰もいなかった。
学園祭委員会は部局ごとに机を与えられる。
俺は一応一年目から美化部局の局長ではあったのだが、机など与えてもらえるはずもなかった。
なので、毎日窓を磨いた。
磨く!磨く、綺麗に、磨く!
いつしか、俺はピカピカおじさんと言われるようになった。
ーーーそんなこんなで、ピカピカおじさんは恋に落ちたのだ。
新入生の水橋翠華に。
金髪パーマで目がぱっちりしていて背が小さいのに、おっぱいがでかい。
最高じゃないか?
一年生が学園祭実行委員会に入って部局を決めるまで一週間しかない。
その間になんとか美化部局を知ってもらわないと!
俺は作戦を立てることにした。