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七罪剣と大罪人と呼ばれた少年の反逆譚  作者: YUU
第三章 王都動乱編
72/128

72 今後の事

今回はいつもに比べると少々短めになっております。



それと後書きにちょっとした告知をしておりますのでご覧ください。

 クリスチア大聖堂の奥、そこから地下に進んだ場所にある七罪武具が封印されている筈の封印殿。その最奥にある祭壇を見た俺とアリシアは呆気に取られていた。


「やはり、か……」

「そういう事、ですか……」


 七罪武具が封印されている筈の祭壇には、何も無かったからだ。

 だが、目の前に広がる光景に驚きながらも、同時に納得もしていた。

 これなら、あのスラムで戦った魔人の言動にもこれで納得がいくのだ。あの男に力を与えたのも、この封印殿から七罪武具を奪取した者だろうと考えれば辻褄が合う。なら『あの人』とやらがここから七罪武具を奪取した者なのは間違いがないだろう。

 しかも、ここから七罪武具を持ち出した者は現在も王都に潜んでいるのかもしれないのだ。そして、そうなれば何らかの行動を起こす可能性もある。もしかすると、あまり時間は残されては無いのかもしれない。

 『あの人』とやらが、七罪武具を現在持っているならば新たなる魔人が複数生まれていてもおかしくは無い。スラムで戦った魔人もその一人なのは殆ど間違いがない。

 下手をすればこの街の聖騎士に匹敵する数の魔人が生まれている可能性も十二分に考えられるのだ。

 確か、暗黒期の元凶となったあの王も、自国に封印された七罪武具を奪取した後にまず行った事は、自身の側近や配下を魔人に変えた事であると、どこかの資料で読んだ記憶がある。なら、


「それで、アリシアはこれからどうするつもりだ?」

「そうですね……。まずは、この封印殿への侵入経路の調査をしなければなりませんね。近い内にあの時私が率いていた聖騎士団がこの王都に帰還するとの報がありましたので、そのままこの封印殿の調査を命じようかと思います」


 アリシア曰く、封印殿への侵入者が現れれば神聖騎士にはそれがどこにある封印殿か分かるようになっている。だが、今回その仕掛けが作動していないのも疑問点の一つの様だ。

 この封印殿から七罪武具が奪取された以上、他の封印殿にも今後同じような事が起きるかもしれない。或いは、既に他の封印殿でも同じような事が起こっている可能性も十二分に考えられる。

 だからこそ、この封印殿への侵入経路や侵入者を神聖騎士に知らせる為の仕掛けが作動しなかった原因を調べるのは必須であると言えるだろう。


 そして、この封印殿の調査をさせる聖騎士達にも徹底的な緘口令を引く予定だそうだ。もし、この事が何かの拍子で広まれば王都全域が混乱する可能性が十分に考えられる。暗黒期に何があったのかはこの世界で生きているなら誰でも知っていると言ってもいい。そんな時代が再び到来するかもしれないとなれば混乱は必須だ。だからこそ、むやみにこの話を広げるのは得策ではないとアリシアは判断したのだろう。


「という事なので、お兄様もこの件は出来るだけ他言無用でお願いいたします」

「分かった」


 そして、アリシアはこの事を教会本部に報告しなければならない様だ。一応アリシアは混乱を避ける為にこの話を上層部で止める様には提案するとの事だった。

 この封印殿の上にあるクリスチア大聖堂には大型の連絡用の魔道具が設置されている為、そう言った話し合いもすることが出来るようだ。


「私としては本部に報告はしたくないのですが、この事態では仕方がありませんね……」


 もし、アリシアが教会本部にこの事を報告すれば、聖騎士の大部隊が派遣される可能性もある。それならまだ良い方で、神聖騎士、それも一人ではなく複数人が来る事も十分に考えられる。

 そうなれば、俺の事を知られるリスクが高まってしまう。今でこそアリシアは好意的に俺に接してくれているが、他の神聖騎士もそうなる可能性は皆無だろう。

 だからこそ、アリシアは本部への報告は乗り気ではなかったのだが、この事態ではそうも言っていられないと諦めた様に呟いたのだった。




 その後、封印殿を出て、俺達は地上に戻った。そして、アリシアはこの事ですぐに王都に常駐している聖騎士全員に緊急招集をかけるとの事だった。だが、七罪武具の事を知らせるつもりは無く、あくまで魔人がこの王都で何かを企んでいるとの情報を掴んだ、という名目での招集だそうだが。

 スラムの魔人の件も魔人が何かを企んでいるというアリシアの持って来た情報の信憑性を高めるのに一役買ってくれるだろう。



 だが、そんな場面で俺に出来る事は何もない。戦いをするならまだしも、今は捜査や情報収集という点が重視される場面だ。しかし、そういった類の事に関して俺は全くの素人だ。そんな中で俺が動いた所で出来る事は何もない、足手まといにしかならないだろう。

 その後、大聖堂内にある聖騎士達の詰め所へ向かうアリシアと分かれ、俺は一足先に屋敷に戻る事にしたのだった。

今日から十日間、世間一般ではゴールデンウイークという事なので折角なので、その期間中は可能なら十日連続更新をしたいと思います。

無論、急用等が入り、何処かで止まる可能性もありますが、それでも行けるところまで行くつもりなのでよければご覧ください。

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