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七罪剣と大罪人と呼ばれた少年の反逆譚  作者: YUU
第四章 【節制の騎士】リリア・フォン・シルフィール編
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104 褒章式にて(アリシア視点)

ブックマークを入れてくださる皆様、そして評価をくださった読者様のおかげで、なんと今もこの作品がランキングに残り続けております!!

ハイファン部門で今も一桁台に残り続けているのは皆さんのおかげです。応援してくださる皆様に報いる為にも今後の更新も頑張っていくつもりですので応援よろしくお願いいたします!!


 褒章式と舞踏会の招待状が届いてからは、あっという間に日が経ちすぐにその日が訪れました。

 私は、褒章式と舞踏会の参加の為に誂えたドレスを身に纏い、化粧を整えています。

 そして、私とお兄様がいるのは公爵家の屋敷の前、そこに待機している王宮に向かう馬車の前です。お兄様は私の為に態々外に出て見送ってくださいました。


「ではお兄様、行って参ります」

「ああ」

「舞踏会が始まる前には到着するように馬車を手配しておりますので、よろしくお願いしますね」

「分かった」


 そして、お兄様に一旦の別れを告げ私は馬車に乗り込みます。といってもここから王宮まではそれほど遠くはありません。すぐに到着するでしょう。


 そして、その後王宮まで到着し、王宮内へと入ると、私は別室に案内されました。今回の褒章式では最大の功労者である私は一番最後に一人で入場する事になっています。


 その後、別室で待機していると、王宮仕えの文官がこの部屋へと入ってきました。どうやらそろそろ私の出番が来たようです。


「アリシア様、そろそろ時間です。準備はよろしいでしょうか?」

「はい、大丈夫です」

「分かりました。では参りましょう」


 そして、文官に案内されながら謁見の間へと向かいます。


 その後、謁見の間の大扉が開かれると、そこには奥まで一直線に赤いカーペットが敷かれていて、その両端には褒章式に参列している貴族達が並んでいました。私の目線の先、謁見の間の奥の玉座に座るのは、この国の王であるエリアック・メルクリア王です。


 私は謁見の間に敷かれているカーペットの上を進んで行きます。その途中で周りにいる貴族達の視線が私の方へと集中しますが、こういった状況には既に慣れています。特に緊張する事も無く、そのまま謁見の間の奥に座る王の元まで歩んで行きます。


 そして、私は王の前で立ち止まるとドレスの裾を持ち上げカーテシーをしました。


「ようこそ参られました」


 私がカーテシーをすると、エリアック王は立ち上がり敬意を払う様に深々と頭を下げながらそう言います。本来なら、公爵家令嬢の私にこの様に頭を下げるのは王としては相応しくないのかもしれません。しかし、建国の祖と同じく【謙譲の騎士】であり、対外的には単独で今回の件の黒幕の神代の魔人を討ち取った私の名声は名実ともに、この国においては比類なき物になっている様です。

 それこそ、この国の国王であるエリアック王が敬意を払わないといけない程なのかもしれません。

 その後、エリアック王は頭を上げ、その視線をこの謁見の間全体へと広げます。


「此度はかつてない程の国難であった。数百年振りに現れた神代の魔人、その蠢動と我が国の貴族達の魔人達への内通とクーデター、これ程の事態は建国から今に至るまでの歴史を紐解いても、類を見ないだろう」


 既にこの国の貴族達には今回の黒幕が数百年振りに現れた神代の魔人だという事は周知されています。これ程の規模の魔人による事件、そして神聖騎士である私が単独で相対しなければならない相手となると、神代の魔人の存在を疑う者は必ず出てきます。そして、これ程の被害が出た以上、数百年振りとなる神代の魔人の出現という事実を隠し通せるものではないでしょう。

 ですが、流石にその神代の魔人がこの国に封印された七罪武具を取り込み新たな魔王となったという事は、秘匿されています。それを明かせば、どれ程の混乱が起こるか分からないでしょう。結局、この事実は王やその側近クラスだけで秘匿されているとの事です。


「しかし、諸君の尽力でこの王都、いやこの国の壊滅、或いは魔人達によるこの国の支配という最悪の事態だけは免れた」


 そこまで言うと、エリアック王は一度言葉を区切ります。そして、エリアック王はその視線を今度は私の方へと向けました。


「そして、この度の黒幕であった神代の魔人を討ち取り、この王都を救った貴女の功績はこの国において過去比類なきもの」

「はい」

「その素晴らしい功績を称え、ここにメルクリア神聖勲章を貴女へと授けたいと思います」


 『メルクリア神聖勲章』、その単語が出た瞬間この謁見の間にいる貴族達が大きくどよめきました。事前に、メルクリア神聖勲章が渡されると聞かされていた私と違い彼等はその事を聞かされていなかった筈です。大きくどよめくのも当たり前なのかもしれません。そして、この場が段々と騒がしくなり、貴族達の至る所から呟きのような言葉が聞こえてきます。

 しかし聞こえてくる言葉の大半が「納得だ」「これ以外は考えられないだろう」というような肯定的な言葉で、否定的な意見が聞こえてくる事はありませんでした。


「皆、静まれ!!」


 流石に騒がしくなりすぎたのでしょう、エリアック王の言葉に謁見の間は静寂を取り戻します。そして、エリアック王は自分の横に置かれていた装飾が施された小さな箱を傍に控えた執政官へと手渡します。


「これを彼女に」

「はい」


 そして、王の傍に控えた執政官はその装飾が施された小さな箱を持ちながら私の前へと歩み寄ってきした。


 執政官は私の前まで来ると、そのまま手に持った箱を開きます。その中にあったのは、一本の大きな剣とその周囲を取り囲む様に配置された七本の小さな剣が象られた黄金に輝く勲章でした。


「どうぞ、お受け取り下さい」


 私はその言葉に従い、箱の中にあった勲章を手に取ります。その瞬間、割れんばかり拍手喝采がこの場に溢れかえりました。その拍手喝采は止む事無く、それどころか拍手喝采はその勢いを増していきます。


 そして、そのまま今回の事件の解決に尽力した者達への褒章が行われた後、褒章式は終了したのでした。





しつこい様ですが、日刊ランキングを維持、更に上はに行く為にも、この作品を気に入っていただけたなら評価、ブクマの方よろしくお願いいたします!!

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