103 教会への報告について
前回この作品のブックマーク数が1000を超えたとご報告しましたが、あっという間に2000を超えてしまいました!!
日刊ランキングもハイファン部門5位、総合21位となってました!!
本当に夢でも見ている気分です、ハイファン部門の表紙ににこの作品の名前が載るなんて今でも信じられません!! 朝起きてランキングを見た瞬間、思わず夢かと思って頬を抓ってしまいました(笑)
憧れの作家さんや書籍化作家さんの作品がこの作品の周りにいるのは、恥ずかしい様な、それでいて誇らしいような複雑な気分です、本当にありがとうございます!!
そんなランキングに乗っている最中ですが申し訳ありません。昨日、今日とかなり忙しかったので、すこし短めです。眠い目を擦りながら書いているのでおかしな点があるかもしれませんがご了承ください。
「そういえば、教会にはフローラの事や双罪槍斧の事をどう報告したんだ?」
俺がフローラの事や彼女から奪った双罪槍斧の事をアリシアがどう教会に報告したのかが気になった。今回の事件は魔人絡みの事件だ、これを教会に報告しない訳にはいかないだろう。
「あっ、それはですね」
アリシア曰く、新たな魔王が現れたというアリシアの報告は案外すんなりと受け止められたそうだ。実際、教会には王都の各所で魔人が暴れたという事が、何度も報告されている様だ。
それだけの魔人が動員されたとなると、神代の魔人の存在を疑わざるを得ない。その上、今迄奴隷だった者が突如魔人となったという事実を考えるとそれ以上の存在の事を考えるべきだ。
魔人という存在は神代、或いは暗黒期以外に生まれる事などあり得ない。だというのに今迄普通の人間だったはずの者が急に魔人と化したとなれば、七罪武具、それを所持している魔王の存在を疑わなければならなかった。
そういった土壌があったからこそ、封印殿から七罪武具が盗まれ、新たな魔王が誕生したという報告は簡単に受け入れられたのだろう。
因みに、フローラがどうやって七罪武具を封印殿から盗み出したか、封印殿にある筈の侵入者に対しての仕掛けをどうやって無力化したのか、それは今後調査が行われる予定となっている様だ。
「もう一つ、お兄様が今所持している双罪槍斧についてですが……」
アリシアは、今回の黒幕であったフローラを倒しても、彼女が持っていた双罪槍斧がその体から分離することは無かったと報告したとの事だ。
本来、七罪武具は所有者が死亡しても、その瞬間に所有者の体から分離し、消える事は無く破壊する事も出来ない代物だ。だからこそ封印をするしかない。
しかし、ここで話が変わってくるのが、フローラが行った二つの七罪武具を融合させる儀式だ。
アリシアは、二つの七罪武具を融合させる儀式が、その所有者の死亡と同時にその体から離れるという特性に何らかの影響を与え、特性そのものが消え去り、結果フローラの死と共に双罪槍斧も消えたのかもしれない、と教会には報告した様だ。
実際、教会はこの儀式については全く把握していないらしい(もしかしたら、最初は把握していたが、何らかの理由でその資料が失われ、失伝してしまっている可能性もあったが)。神聖騎士であるアリシアも儀式の事を知らなかった以上、他の人間が知っている可能性は殆ど無いと言ってもいいだろう。
だからこそ、多少疑わしい部分があったとしても教会はアリシアの七罪武具が消滅したという報告を信じざるを得ないのだ。
因みに、もう一つ。クーデターを企んだ貴族達であるが、どうやらフローラによって魔人化していた様だ。つまりそれはフローラが使った双罪槍斧の力に巻き込まれたという事だ。
結局、首謀者の貴族やその側近となった貴族達全員がフローラの双罪槍斧の力によってその存在ごと魔力に変換されて、消滅してしまった。
首謀者やその側近達が死体も残さず消滅してしまった以上、国は対外的にはクーデターを企んだものを全員討ち取ったという発表を行わざるを得なくなったらしい。
そして、その後もアリシアと少しばかりの雑談をしていた時、突然部屋の扉が二度ノックされた。
「お嬢様、こちらにいらっしゃると聞いたのですが、いらっしゃいますでしょうか?」
扉の外から聞こえてくる、この声は執事長の物だ。
「ええ、何か用ですか?」
「お客様がお見えになっております。その方は応接間にお通しておりますので」
「分かりました、すぐに向かいますと伝えてください」
アリシアがそう返すと、執事長は「では、お客様にはそのようにお伝えしておきます」と言った後、扉の前から立ち去っていく足音が聞こえた。
「では、お兄様、行きましょうか」
「? 一体どういうことだ?」
「この公爵家で御用達にしている服飾店の店主が来たみたいです。お兄様がそういった服を持っていないかもしれないと思っていましたので、予め呼び出していたのです」
アリシアは手回しが速かったのだという事をこの時に思い知った。
そして、俺はアリシアと共に応接間に向かい、服飾店の店主に会い、服の採寸等を行った。店主は間違いなく舞踏会の日までには仕上げる事を堅く約束していたのが印象的だった。公爵家からの注文でミスをするわけにはいかないのだろう。
因みに、世間話をしている時に聞いたのだが、幸運な事にこの服飾店は今回の事件での被害は無かったとの事だった。
それからあっという間に時は流れ、褒章式と舞踏会の日が訪れたのだった。
何度も何度も申し訳ありません。しつこい様ですが、日刊ランキングでさらに上に行く為にも、この作品を気に入っていただけたなら評価、ブクマの方よろしくお願いいたします!!




