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○レセネ① 信じる
「私はレセネについていくよ」
あの怖そうな俺様男より、こっちのほうが安心だ。
「よし、そうと決まればさっそく行かなきゃね」
レセネが何かのスイッチを入れると、体が光に包まれていく。
「ええ!?」
あっという間に移動していた。ミューン星に酸素なんてない筈なのに、私はなんで平気なんだろう。
「あ、やっぱり君は本物だったね。よかった」
「本物?」
「王を選ぶっていう資格持ちかってこと」
それはつまり、私が偽物なら死んでたかもしれないのね。
というかいつのまにかレセネは王子服だ。
「あれ……」
「どうしたの?」
よく見ると私と顔はにていない。さっきはなぜか似てると感じたのに不思議だ。
「私と顔、似てないじゃない」
「あーそれは僕の姿を見た人が自分と似ていて共感できるような姿に催眠魔法をかけていたから」